機関車先生 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 758
レビュー : 88
  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062635370

作品紹介・あらすじ

瀬戸内の小島・葉名島の、児童わずか七人の小さな小学校にやって来た、大きな先生。病気が原因で口をきけなくなったこの先生では…、という声もあがる。数々の事件が起こるなかで、子供たちは逆に心の交流を深め、自然の大切さや人間の優しさについて学んでいく。柴田錬三郎賞に輝いた、涙と感動の名作。

感想・レビュー・書評

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  • 子供の頃にかかった病気で話すことが出来ない「機関車先生」が、瀬戸内海の離島に臨時教師として招かれます。話せないながらも、その大きな体と優しい人柄で生徒たちの信頼を得て、島に欠くことの出来ない存在になっていきます。生徒たちの姿、島のゆったりと美しい空気が伝わってきます。
    なのですが、何故機関車先生が皆の心をつかむのかがあまりピンとこないのです。優しくて運動神経万能、体が大きくて誰よりも力が強い。好まれる要素山盛りではあるのですが、心をつかまれるというのはそれ以外の要素があるはずだと思うのですが、機関車先生の魅力爆発みたいなエピソードが無いのが残念。みんななんとなく彼に引き込まれているというざっくりとした表現でしかないのであります。

  • 自然の大切さ、人との関わり。人間としての機微。様々なことを、事件を通じて学んでいく。その姿がなんとも清々しい。

  • 確かに「口をきかん先生だから、機関車先生」だが、物語の中で子どもたちは「機関車みたいに大きくて強いから、機関車先生!」と言っている。言葉を発することができないのを気にしているのは、大人たち・島に住んでいない人たちばかりだったように思う。

    言葉を発することができなくても、たくさんのことを教えてくれる人。実際問題、手話や伝言板があるけれども、それ以上に真っ直ぐなハートで語る先生。誠吾っていう名前、いいね。誠心誠意ぶつかっていく人。

    児童文学ではあるが、ファンタジーではない。現実に起こり得ることばかりを物語っている。現実の厳しさも物語っている。

    ファンタジーな要素があるけれども、瀬戸内の話としては『ももへの手紙』も読んでほしい。瀬戸内、島の過疎をなんとかして・・・。

  • 悔しいのである。
    珍しく通勤電車の中で読む本を忘れ、駅のコンビニの小さな本棚で見つけた本。伊集院静などという照れ臭い名前に辟易しながら買った本。強くて優しい先生と離島の小学生の交流、少女は先生に淡い恋心を抱き、網元は業突く張りで、その子分は先生を目の敵にしつつ、最期には感服してしまう。主人公の先生が子供の頃の病気の所為で口が聞けないことを除けば、これと言って目新しいものも無く、というよりなんだかメロドラマにでも良く出てきそうな通俗的筋書きの本。
    しかし、一気読みでした。それがなんだか悔しいのです。
    内容的にも文体面でも特に優れているとは感じませんでした。しかしなんとなく心地よく読ませてもらえた本でした。

  • 読んで良かった。子どもと接する職に就いてる身としては、同業者に読んでほしい本。

  • 瀬戸内海の小さな島の小学校に赴任してきた機関車先生こと吉岡先生は口がきけない。その先生と児童たち、島の人たちとの心温まる交流を描いているのだろうけど、そのへんがよくわからなかった。
     
     喋れない先生がどうやって授業をしているのか、どうやって子どもたちと心を通わせたのか、具体的にはほとんど書かれていない。剣道が強い、相撲が強い、修理がうまい、それはわかる。でも、この先生が子どもたちと触れ合うときはいつも校長の通訳(?)を介しているようで、結局校長がいなかったら何もできないんじゃないのか?

     それでも、島で生きる個性的な人々やその生活、小さな社会の中で起こるいざこざや悩みなど、機関車先生抜きにしてもおもしろくて、スイスイ読めた。

  • 瀬戸内海の小さな島の小学校に北海道からやってきた口の利けない臨時の先生。子供たちと、島の住民と、優しい輪が広がっていく。

  • テレビで見た、二十四の瞳が甦る。大沢さんではないけれど、ズルイそして、かなわない。

  • 優しい優しいお話。
    別離は避けられない。

  • 人が人を憎いとか、悪い奴じゃと、決めたところから戦争が始まるんじゃ。戦争はな、国と国とが争うように見えるが、本当は人間のこころの中からはじまっとるんじゃ。

    本当に強い人間は決して自分で手を上げないものじゃ。

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著者プロフィール

伊集院静(いじゅういん しずか)
1950年山口県防府市生まれ。72年立教大学文学部卒業。81年短編小説『皐月』でデビュー。91年『乳房』で第12回吉川英治文学新人賞、92年『受け月』で第107回直木賞、94年『機関車先生』で第7回柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で第36回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。作詞家として『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』『春の旅人』などを手がけている。エッセイも多く、『大人の流儀』シリーズはベストセラーとなっている。2017年日本経済新聞の連載『琥珀の夢』が刊行され、2018年10月5日、ドラマ化。2019年10月から日本経済新聞にて夏目漱石を主人公にした作品「ミチクサ先生」を連載開始。

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