蓬莱 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062635479

感想・レビュー・書評

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  • 古い作品ながら傑作との呼び声も高い本書。「蓬莱」というシュミレーションゲームを開発した会社に製作中止の脅迫があったことに始まるストーリーは中々に息もつかせぬ展開で面白かった。日本の古代史とゲームの掛け合わせが珍しく、しかもここに政治が絡んでくるのだからケレンみもたっぷりである。また今野作品の中でも著名な安積(ハンチョウ)が登場するのだからファンとしてはテンション上がりまくり。今となっては当たり前の世界観になりつつあるが当時は画期的な目線で物語を作っているのが分かる良作。

  • たぶん1回読んでるんだけど
    ゲームソフトに絡む殺人事件だってことしか覚えてなかった。
    今回読んでみて、あまりの情報量の多さに覚えてなかったことを納得。

    スーパーファミコンソフト(ってところに時代を感じる)の開発と発売を巡って
    脅されたり殺されたりいろいろと事件が起こる。
    一応安積班の面々が出てくるのだが、被害者?側の渡瀬目線で語られるあたり
    『イコン』と話の流れは同じ。
    何故かこの2編だけ講談社だし、安積班シリーズの番外編的な扱いなのかも。

    警察モノと武闘派モノとが同居している感じや
    本筋と同じヴォリュームの薀蓄が語られるところは
    初期の今野氏の王道パターンといえるかも。
    今回の薀蓄は古代の日本。日本史で1学期の中間試験前に攫うくらいの範囲(笑)。
    日本で編纂された『古事記』や『日本書紀』ではなくて、
    中国で編纂された歴史書をなぞって展開される論理は
    三国志とか好きな人には相当そそられる題材なのではないかと思う。
    そしてこれらがただの薀蓄ではなく事件を解く鍵になっているの辺り
    巧いなぁと思った。
    逆にいえば読む人を選ぶというか、古代史に興味のない人には辛いかも。
    だって薀蓄を読み飛ばしちゃうと話の筋が判んなくなるんだもん。

    『蓬莱』というゲームの成り立ちと本郷征太郎が掲げる鎖国論。
    ものすごく壮大なのだがそこそこリアリティがあるところが薄ら寒かった。
    ハードが古かったりするのは時代を感じるが
    内容的には今のこの時代にも通じるものがあって
    その辺りは楽しんで読めたと思う。

  • 警察小説の不朽の名作とされる作品。
    筆者の古代日本についての造詣の深さに感服。

  • ゲームのことも、歴史のことにも疎い私にとってこの話はなかなか読み進めるのが大変だった。けど、出張の移動中に読んで、2日で読み終わった。

  • 現実になさそうでありそうな。よくしかし、ソフトの世界についても知ってるよなあと感心しきり。安積さんへの信頼感は揺るがないね

  • いやほんと読みごたえあるね。段々と日本の歴史が深く関わってきて、徐福がおもしろい。こんな人がいたなんて知らなかったなぁー。暴力的な描写は好きではないが、主人公の渡瀬が相手にかかっていくシーンもいい。安積班のいつもの話だと思ったら、とんでもなかった。安積は脇役だったなんてね。いやー今野敏やるなぁー。10話くらいでドラマ化したらいいのにな。

  • 説明文的なところは頭に入りにくかったけど、最後に犯人が落ちるところはすっきりした。

  • 過去の既読本

  • 面白かった。
    表現がわかりやすくて、すんなり読める。読みやすい。

  • 殺人事件とあんまり絡んでないと思った。だがしかし蓬莱のゲームはとってもやってみたい!

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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