日輪の遺産 (講談社文庫)

著者 :
制作 : 北上 次郎 
  • 講談社
3.81
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本棚登録 : 2063
レビュー : 290
  • Amazon.co.jp ・本 (538ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062635516

作品紹介・あらすじ

帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に隠したという時価二百兆円の財宝。老人が遺した手帳に隠された驚くべき事実が、五十年たった今、明らかにされようとしている。

感想・レビュー・書評

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  • 帝国陸軍がマッカーサーから奪い、終戦直前に隠した財宝。その財宝に関わった人々とこれから関わろうとする人達の話です。てっきり宝探し系の話かと思いきや…、いい意味で予想を裏切られました。

    競馬場で出会った老人から手帳を遺された丹羽は不動産会社の経営がうまくいっておらず、その老人真柴の話を疑いつつ、一縷の望みに賭けたい気持ちもあり、同じように真柴から手帳を託されていた地域のボランティアをしている海老沢と共に財宝について調べようとします。
    真柴が住んでいた家の大家、金原も財宝について知っているようで、宝探しは三つ巴の様相。
    真柴の手帳には財宝を隠した経緯が記されていました。財宝を隠す作業をしていた戦時中、そして財宝探しに色めき立つ現代、話が交互に展開していくにつれ、読者に次第に事情が明かされていきます。あっと驚く繋がりが分かった時、静かな感動がありました。

    人々が宝に振り回されたというよりは戦争に人生を狂わされた気がして、理不尽だなぁと思いました。そして戦争にはきっと私の知らない側面があり、それについて私たちは知らないといけないのではないかと思いました。
    宝を隠す作業をし、口封じに殺される筈だった女学生達は終戦と共に自ら命を絶ち、宝を隠す実行部隊の指揮をとっていた真柴は戦後もその秘密を抱えて生きていかねばなりませんでした。真柴と同じ秘密を知る小泉中尉は戦後の国民が飢えないように、マッカーサーと取引をしようとします。マッカーサーはその取引に応じず自力で自分の財宝を取り戻そうとしますが、宝があった場所には他のものもあって…。

     うまく纏められないのですが、それぞれの生き様が強烈で(きっとそれは浅田氏の描き方によるのでしょうが)壮大で面白かったです。

  • 全てが史実だとは思わないが、それでも圧倒的な歴史の積み重ねに身が引き締まる思いがした。
    今後、どんな偶然が重なって誰かがこの封印を解こうとしたとしても、少女たちの純粋な死を前にすれば、こうべを下げるしかないだろうと思った。壮大な歴史ロマンだ。
    2016/09

  • 最良の読後感! 「真柴」のストイックな生き方と、「金原」の好対照、しかし、根元の意志は同じ。奥も深い。楽しませていただきました。

  • 私が最初に読んだ浅田作品ですが…正直こんなにも素晴らしい作家を、なぜ今まで素通りしてこられたのか!と思うほどの衝撃でした。戦争物を無意識に避けてしまうのですが、これは本当に読んでよかった、出会えてよかった作品です。

  • これは、間違いなく傑作でしょう!

    浅田次郎の2冊目。短編集「鉄道員」が自分的にいまいちだったこともあり、長らく敬遠していたのだけれど……(苦笑)。

    ほぼ一気読み。
    帰省時に実家に忘れて来てしまい、送ってもらうのももどかしく翌日に古本を買い直してしまったくらい(笑)。
    彼の、他の長編を是非とも読みたくなった。

    ★5つ、10ポイント。
    2015.05.11.古。

    ※数年前に公開された劇場版の出来は、どうなのだろう?観てみようかな…。

    ※浅田さん版の“M資金”の決着は、哀しくも清々しい!

    ……福井晴敏の未完の“アレ”も、ぜひとも続きを読みたいな……。

  • 文庫の裏表紙解説を読んで、以前TVで見たマレーの虎・山下財宝の物語かなと思ったり、ゴルゴ13でちらりと知ったM資金の物語かなと思ったり。結局は、完全オリジナルの埋蔵金物語であった。

  • 少し現実味に欠ける気がするものの、歴史小説としてのエンターテイメントはあり。第二次世界大戦なんて、まだまだ生きた歴史であるものの、知らないことだらけ。このストーリーがフィクションかノンフィクションかなんて誰にも断言できないのでは?

  • 終戦間際の読んでいても緊張する時代とその時代をも遠い過去にしてしまっているバブルの余韻が残る現代、二つの時代を行き来しながら自然と夢中で読み進める。
    良い悪いではなく当時の日本人の多くが純粋で真っ直ぐだったのだろう。
    現代から見た視線が最初はズレていたのが少しずつ当時と同じ線に沿ってくる、読んでいてもそう、重厚なものを現代からの視点が重たさを思わせずに史実に沿いながら少しずつそれを感じさせてくれる作者はすごい。
    2人の将校を主とした登場人物の真っ直ぐな「義」と「勇気」が現代の日本の礎となっているということを言いたいのではなかろうか感じた、それが日輪の遺産なのだと。

    それにしても真柴少佐や小泉少尉は武士のようだな…そういうことなのかな。

  • 過去と現代が織り成すストーリーに、あっという間にひきこまれてぬけだせなくてはらはらどきどきして何度も本を閉じたけれどやっぱり続きが気になってページを捲っているうちに読み終わってしまった。
    読了後は心にぽっかり穴が開いたようだった。通勤時間の楽しみがひとつ終わってしまった、という意味での喪失感がわたしを襲った。これほどまでに夢中になった本というのも久しぶりで、一年もの間本棚の肥やしにしていたことを、わたしは今、とても悔やんでいる。
    わりと純粋に「もしかして?」や「まさか…」といろいろな疑いをかけてみたものの、あまり勘の鋭いほうではないせいで、どれも的外れな推測だったからこそここまで「おもしろい!」と思えたのかもしれない。自分の鈍さをすこしだけありがたいと思った。

  • 面白かった。

    でも、重厚な歴史の史実の前に、生徒の最後の姿の書き込みがさっぱりすぎて、
    感情移入をする時間が足りず。

    エピソードや挿入の形で様々な人間が入り組むあたりも、
    やや強引だったりで少し消化不良に。

    軍人には感情移入できたものの、肝心の真柴老人の記述が薄く、
    また、関わる丹羽の導入が謎過ぎて、これもまた。
    いい人なのはわかるけど。

    一番ココロに来たのは小泉中尉。
    そうして、最後の久枝のシーン。
    今の筆力でもう一度、なぞってもらいたい物語。

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