反逆する風景 (講談社文庫)

著者 : 辺見庸
  • 講談社 (1997年11月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062636407

反逆する風景 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 長らく読みさしていたものを、ようやく気分が乗ってきて読み終えることができた。筆者の場合は世界を見て回りながらの経験だが、私にも時々、見慣れたはずの光景が、出来事の中で全く違った意味を持って反逆してくるように感じることがある。そういうのを捕まえるには晴耕雨読か昼耕夜読か知らないけれど、たくさん読んで、たくさん自分の身体で経験して生きること。考えたことを文字にすること。その他特記事項としては石巻高校→早大卒っていう経歴が「あぁいかにもそんな感じね」って妙に納得してしまうバンカラさを漂わす本でしたw

  • 出だしの表題作は良かったが、ほとんど駄文が多い。
    再読したくない。

    複数の週刊誌に書いているせいか、似たようなネタを使い回しているのも散見される。
    話題になった『もの食う人々』の裏バージョンというべきで、あちらは新聞記者として肩の凝った書き方にしてあるが、こちらは週刊誌だからだろうか、かなり下策というか下世話な話が多い。

    エッセイを買う時に、どこで発表されたのかを参考にせねばならないと勉強させられた一冊。いまさらだが。

  • 『もの食う人びと』裏バージョン。「風景」に解釈など必要ない。そこにあるままそれ以上でもそれ以下にもあらず。ジャーナリズムのこじつけに惑わされるな。

  • 目を覆いたくなる現実を前にしても、決して目を背けない。そして、数字や文字で片付けられてしまいそうな事象を、そこにいる人の生きる姿や息づかい、感性としてとらえようとする真摯さ。そんな辺見先生が、世界で見たひとの暮らし。地位とか、思想とか、障がいとか、ひとはなにかとレッテルをつけ、意味合いを付けたがるけれど、それを拒み、地下茎のような、そこにただある真実を見る大切さを思う。

  • 本著の作者辺見庸が世界中を旅しながら”いまこの世界で人は何をくっているのか”をテーマに書いた「もの食う人びと」。

    「反逆する風景」は、その「もの食う人びと」と表裏一体をなす作品。「もの食う人びと」が善なるもの、新聞的なもの、自己規制されたものであれば、対して「反逆する風景」は、悪なるもの、新聞には描かれないもの、規制をせず辺見庸が愛するもの。

    表裏一体だからこそ、もの食う人びとを読んでからではないとこの本は味わえないし、もの食う人びとを読んだことがある人ならばこの本は必ず読んでほしい。

    共同新聞の元記者である辺見庸が、新聞的ではないものを描こうとするこの本における挑戦は、同時に彼なりの日本のジャーリズム批判につながり、辺見のジャーナリズム感が出ている。
    今日の報道では、ひとつの完結したストーリーを叙述し、メッセージを強調するために、数々の風景が捨て去られていく。あるいは、風景に無理やり意味を付与しようと試みる。しかし、風景がそうした意味づけや捨象に反逆する。「無駄」や「余白」を孕んだ風景こそが事実を補強し、あるストーリーの中で強烈に光を放つ。そして辺見はそれらに強い愛着を持つ。

    辺見に反逆してきた風景の、おはなしである。

  • 文体が好みなのですごく読みやすかった。
    「もの食う人々」には書かれなかった、泥の中に埋もれていた著者の本音が見える。
    ドラマの途中に突然脈絡のないシーンが挿入されるような、突然風景のフォーカスが外されたような、それまで積み重ねられた意味が、突然差し込まれた無意味によって中断される。嘲笑うみたいに。
    何もかもにどこか空虚さを感じて綴られたのであろう作品。

    辺見さんの文章は栄養価高い感じしますねーおいしいおいしい

  • 作家のオリジナリティはどのように主張するのか。題材の選択、筆致に加えて、事件に遭遇する”ツキ”もあるか。”事実とは、限りなく無意味に近い”という言葉を換言すると、世の事象は各自がてんでバラバラに存在し、統一的な意思を欠くという事だろう。実存主義、だったか。

  • 共同通信の記者でもある著者の体験、感情、ジャーナリズムに対する考えが垣間見える一冊。

    記者だけあって、文章の書き方は流石に巧い。また、論理的な志向分析みたいな個所もあり、読みがいがある。やはり自身の体験に基づく情景、心情描写が圧巻だった。特に死にゆく2人の女性の顔なんかは印象深い。

    いい文章を読んだという気になった。

  • 『もの食う人びと』も重かったが、こちらは暗い重さか。

  • 風景が言葉を決めることってありますよね?下町での会話と山の頂で語るのとは、まったく言葉が変わります。

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