記憶の隠れ家 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 218
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062636940

感想・レビュー・書評

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  • 連作短編集と書いてあるが、
    共通テーマが「記憶」と「家」であること以外、
    物語としての繋がりはない。

    評価は★3つにしたものの、
    さすがは小池真理子だな~という読後感。
    切ないし怖い!!
    それにしても、どの話も、奥さん自殺しすぎ。(笑)

  • 「獣の家」、「花ざかりの家」が良かった。

  • 記録

    とにかく一話目から
    気持ちの悪い話だと思った。
    作家さんの悪口ではなく
    ただ純粋にそう思った。
    家というのは
    そこに住む人訪ねてくる人の
    記録になって記憶になるのかな。
    どの話も痛々しい記憶の物語だった。

  • 刺繍の家は、ヒッチコックのサイコのラストのシーンを想起させた。

  • 読み終わってタイトルを見ると、これ以上最適な題
    はないと思わせられる全6編。家といえば一番怖い
    のはミッキーの自宅ですよね。金取りますからね。

  • 【状態】
    展示中


    +1

  • タイトルの通り「記憶」と「家」をつなぐ物語。
    どれもうすら寒くなるような気分にさせられます。

    「家」というものは特別なもので、一度「ここは家だ」と認識すればそう簡単に忘れ去ったり出来ないものでしょう。しかし、もしその家で忘れたいくらい酷い出来事があったらどうだろう。

    忘れたい、忘れられない出来事をたくさん抱えて生きられるほど人間って強くはないと思います。そんな時は忘れてしまえばいい。そのまま塵が風に舞うように記憶の片隅にも置かず、きれいさっぱり記憶ごと捨ててしまえばいい。

    なのに、この物語ではその記憶を掘り返されます。
    立ちすくむ者、逃げ出す者、その記憶を抱えて前を向こうとする者、反応はそれぞれですが人間のあるがままの姿を見せられた気になります。

    これだけ後味の悪い物語を読んだのに気持ち悪さがなかったなんて、さすが小池真理子さん。もっと好きになりました。

  • 帯にある『驚愕のラストシーンで世界は鮮やかに反転する。』の一文がぴったりである。読者に、この話は変だ、何かがおかしい。と思わせるが、それが何かは最後まで読んでのお楽しみである。短編一つ一つがぞっとする話で、まさに心理サスペンス。

  • 最後にゾッとさせられる短編集。静かに淡々と綴られていくお話の中に、人間的な怖さがよく描かれている。

  • 全6話の短編集。
    タイトルは、
    「刺繍の家」、「獣の家」、「封印の家」、「花ざかりの家」、「緋色の家」、「野ざらしの家」
    と、全て「~の家」というタイトルになっていて、様々な家の、そこに住む人々の過去の記憶を呼び覚ました話ばかりとなっています。

    「刺繍の家」
    主人公の中年女性は姪の誕生日祝いを買いに行った際、小学生の頃の友人と偶然出会う。
    彼女の家は両親と姉の4人一家で、主人公の家とは違い、明るい雰囲気の家庭だった。
    ただ、姉だけは暗い少女で、その家庭の中で浮いていた。
    歳の割には幼い友人に誘われ、彼女の家を訪問する事となった主人公。
    そこは友人の母親が刺繍した作品に囲まれた家だった。

    これ、読んでいる間ずっと、何かおかしい、不自然だ、と感じる。
    じわじわ~っと不安になり、嫌な予感がしてきて、ラストに「やはり・・・」となる話。
    結末は何となく見えていました。
    でもそこに行き着くまでに一体この家族に何があったの?どうしてこうなったの?と読者に自然に想像させ、それが余韻として残る作品となっています。
    私には容易に想像できました。
    主人公と離れていた間、この家族に何があったのか。
    どうしてこうなったのか。
    多分、この友人と同じ家族構成で、共通する部分があるからだと思う。
    人からあらゆるものを奪ってそれが当然だという人間はせめてそれを失う苦しみくらいは味わって欲しい・・・というのが個人的感想。
    家の中に溢れるようにある刺繍の作品がさらにこの物語の不気味さを引き立てている。

    「獣の家」
    妹の披露宴で過去の回顧をする男性。
    妹は子供の頃からさほど勉強をしなくても良い成績がとれるような子で、どこか大人びていて同じ年頃の子とは合わない、それでいて同級生に憧れるような存在だった。
    その兄である主人公も医師を目指すエリートだったが、そんな妹は昔からどこか理解できない存在だった。
    そんな折、妹はネギ畑に小屋を建てて住み着いた「まあ坊」と呼ばれる老人の元に足しげく通うようになる。
    妹によると、老人は読書家で話をしていて楽しいのだと言う。
    そんな妹は主人公にとってはさらに理解不能で遠い存在になっていく。
    その後、主人公がした行動により、兄と妹の仲は決定的に壊れ、表面上だけのつきあいとなったが-。

    これ、タイトルがあまりに強烈で、相当インパクトのある出来事があるはず・・・と心して読んでいました。
    そして、読み終えて、「あ~、私も最近の刺激的な小説に相当毒されてるな・・・」と思いました。
    タイトルに比べ、上品な仕上がりだと感じられて好感をもちました。
    長い間の妹の沈黙-それはそのまま彼女の恨みの深さを表しているように思えました。

    「封印の家」
    亡くなった義母の遺品を整理している際、甦ってくる過去の記憶。
    それは生母が父以外の男と関係をもっていたこと。
    そして、そんな母親が亡くなった時の真実-。

    これはラストの一行がとてもいい。

    「花ざかりの家」
    亡き妻の自殺の原因となった画家の作品展で、偶然かの画家と出会い、彼の家に招待された主人公。
    美しく花が咲く庭のあるその家には、暗い雰囲気の画家の妻、そして画家の母親がいた。

    これも登場人物のふとした一言で真相が読めてしまいました。

    他2話。
    全ての話があっと驚くような結末でもなければ、それほど刺激的でなし、恐い描写があるでなし。
    さらに、私ですらラストが読めるような話がほとんどです。
    読んでいて物足りないと感じる人が多いかも知れません。
    でも、どの話も情景がはっきり見えてくるし、登場人物の心理描写も素晴らしく、「あった出来事」だけを見るとさほどでもなくても、充分恐い・・・と思います。
    読者に想像させる余白みたいなのを残しているのもいいし、これぞ小説だと読んでいて思いました。

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