パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062637251

感想・レビュー・書評

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  • 以前映画化されていたので手にとってみました。パラレルワールドというかパラレルチックなお話。話の展開やラストは容疑者Xの献身を彷彿させた。
    何となくしっくり行かないラストだけど弱い人間を自覚した二人は本当に記憶を消去したのか?ちょっと気になるところではある。
    ただし全体的にそれほどでもない話を大げさにしている感は否めないかなと。
    十分面白かったんですけどね。

  • 主線がいつのまにか伏線に変わってる感じ。
    ラブストーリーとしてもとても切なく、ミステリーとしても考え深い物語でした。
    友情か愛情。ありきたりの言葉だけど、本当にそれに直面した時、何が正解かなんてわからないんだろうな…

  • 崇史と親友・智彦、そして智彦の恋人・麻由子。崇史の心の中では麻由子への恋心と嫉妬が渦巻いている。
    が、その一方で崇史と麻由子が恋人同士の世界も混在し…

    自分の信じる「記憶」が、まわりの人からみた現実と違うときの恐怖が読み手をも混乱させる作品です。
    その混乱がスリルにもなっていて、先の展開が気になってしまいました。

    ただ結末はどうしても腑に落ちませんでした。

    記憶が曖昧だった理由はちゃんと明かされるのですが、崇史、智彦、麻由子がそれぞれに選んだ選択が、どうしても納得いきませんでした。

    お互いに「相手のためなんだ」とうたいながら、結局はその選択は自分を守るための選択であること、特に智彦の選択はそう思えてなりません。
    こんな経緯で智彦が姿を消したあと、残された2人が本当に幸せになれると思ったのなら、智彦は大ばかものです。


    ある意味、この最後の結末は智彦による崇史と麻由子への復讐なのか?とさえ、思えてしまいました。


    崇史の言うように、崇史も含めて人は「弱い人間だ」ということなのでしょう。
    「記憶」と「人間の弱さ」がテーマだとすれば、そのテーマはしっかり書ききられています。
    でも結末になんだかモヤモヤしてしまう、そんなお話でした。
    よって☆2つをつけました。

  • 大どんでん返しがあるのかと期待してたけど、そこまで大掛かりな仕掛けもなく、ハッピーエンドって訳でもなく、残念な感じだけが残った…

  • うーん。いまいち。。

  • 読むのは二度目。
    映画化するというので内容を思い出したくて再読しました。

    序章から第一章違和感を読んで、読者も違和感ありまくりだよ、と内心ツッコミを入れながらも、ネタバレは知っているのでそのまま読み進める。

    序章では、敦賀崇史は親友である三輪智彦に恋人である津野麻由子を紹介される。麻由子は昔、崇史が一目惚れをした女性だった。

    第一章違和感では、敦賀崇史は麻由子と同棲をしていて、序章での内容の夢を見ている。

    崇史も麻由子も弱い人間。
    だからと言って智彦が強いわけでもない。

    叶わない片想いをしたことがある人なら、崇史の気持ちが理解できるはずで、麻由子に振り向いて欲しくてズルくなる。でも、必死に麻由子を繋ぎ止めようとする智彦の気持ちだって、理解出来るんだよなぁ…。

    麻由子の記憶も改編していたとしたら、もっとハッピーエンドに感じたんだろうか。

  • 映画になるということで、読んでみました。
    1995年に書かれた作品でしたが、古さなんてなくて、さすが東野圭吾さんという感じでとても面白かったです。
    パラレルワールド感として、両方の世界を交互に描いていて、最初はよく分からなかったものが、少しづつ姿を表してきて、二つの世界が交差する。上手だなぁ…と思いながらわくわくしながら読みました。
    私としては、最後、もうひとひねり欲しかったなぁという思いと、東野圭吾さんへの期待値が高かった事を含めて星三つですが、とても面白い作品でした。

  • 話としては面白かったが、都度5回の記憶の上書きとか無謀というか非現実的というか…他にいくらでも方法がある気がする。

    映画化したので、見る前に再読。

  • 本自体久しぶりだし、小説はもっと久しぶりだし、日本人作家は更に久しぶりに読んだ。
    東野圭吾は数年前に100円で買って読まずに捨てたので初めて読み通した。
    途中からあくのそしきとたたかうみたいな展開になるのかなと思ったけど、穏便な形で着地した。
    田舎で時間を持て余したところ、コンビニの本棚にささってたので買って読んだ本。

  • 最後でようやくつじつまが合う。画期的な研究が取り返しのつかないことになる。親友とその恋人の三角関係。
    ハラハラさせてくれる。ただ、シーンが断片的過ぎて分かりづらいかもしれません。

  • なんだかスッキリしないところに面白さがある。

  • 人の「記憶」というのは何といい加減なものだろうかと思った。また「記憶」は不確かなものだからこそ、人を悲しませたり、時には記憶が曖昧なことで助かることもあったりするんだろうと思った。この曖昧な「記憶」に翻弄される人間というのは、自分たちが思ってるよりも弱い存在なのかもしれない。

  • 東野圭吾らしい感じの本ですが、めちゃくちゃ心理の細かい苦悩が伝わって来ておもしろいです

  • 過去の記憶を人為的に書き換える事が出来るとしたら?書き換えられた過去は事実になるのだろうか?その者は別の人生を歩くことになるのだろうか?交錯する矛盾した複数の記憶が呼び覚まされていく時、本物の記憶はどれになるのだろう。
    崇史、智彦、麻由子の三角関係の行方は?
    疑問が謎を生んで次から次へと頁を進めました。でも最後は、えっ、これだったの…?という感じでちょっと呆気なかったような気も。
    昔からの信頼しあっていた親友が同時に一人の女性を愛してしまった悲劇が物語の格になっている。彼らが何事も無かったように笑える明日は来るのだろうか?
    記憶は消せても想いは消せない。
    このことが一番心に残りました。

  • 2019.323読了
    読んでる途中は、すごくワクワク感がある!どうなるのかな?こうなる気がする?とか色々予想したりして。
    だけど、思ったよりどんでん返しが無かったかな?期待しすぎてた反面、少し残念に。。。
    学んだことは、友達を大切に。そして、人の心は自分の想像とは異なるものであることを忘れないようにしましょう。

  • 結局は三角関係のもつれか。友人の恋人に固執する主人公。パラレルワールドの真実は、予想通り。

  • 最初どっちがどっちかわからず混乱して
    前のページを読み返した。
    記憶が変わるって恐怖
    麻由子ももっとハッキリしろって思ってしまった

  • 親友の智彦の心境が書かれていないからこそ、色々と想像してしまう。
    どんなに辛かっただろう、と思うと胸が痛い。

  • SFミステリー。両方の世界を行ったり来たりするので、終盤で、クロスするようになってきたら、どちら側にいるのか一瞬わからなくなったりした。いや、ある描写の違いが明らかに表しているんだけど、違いがあるのはわかっていても意識して読んでいなかったら迷子に・・・

  • 主人公は、いつも使う電車とすれ違う電車の中の女性に心惹かれる。環境がかわるためこの電車を使うのは今日が最後という日、彼女に会うために対面の電車に乗り込む。が、いつもの彼女はいなかった。 女っけのなかった学生時代からの友人が、彼女を紹介したいと連絡してきた。待ち合わせの場所に行くと、友人と同席しているのは、毎日電車ですれ違っていたあの女性ではないか。この日を起点にして、この物語は、2つの数か月ずれた時間の中で並行して進んでいく。 3人は、バーチャルリアリティの研究者である。友人の恋人に思いをはせる主人公。足に障害をもっていることにコンプレックスを感じる友人。主人公に心ひかれながらも、彼を裏切れない彼女。3人の微妙な関係は、友人のアメリカ赴任が決まってから一気に崩れていく。と同時に、このアメリカ行きの栄典を決定した友人発明である「記憶差し替えマシーン」が3人の人生を作り直す。 このマシーンにより差し替えられた人生と元の人生が交差し、3人の心のあやが入り乱れる。続きは、本書を読んでほしい。  読んでいるときには面白い本ではあるが、読み終わってみると、本書を面白いと思った自分が不思議であった。

  • "私"は"わたし"のことを一番知らないかもしれない。
    人の記憶は、本人の意志に基づき、簡単に変えられます。嫌な記憶も時間の経過とともに薄れ、極力嫌じゃない記憶に書き換えているかも。
    あなたのその記憶は、本当に体験したものですか?
    ある意味では、ホラー

  • 親友の恋人が自分の恋人である矛盾した記憶と現実に混乱する研究者の崇史と、チンパンジーの脳に干渉する空想実験、記憶改編の研究。記憶と現実が乖離した末に消える同僚。滔々と語られる現在と過去に終盤まで流れがわからないまま読み進めた。現代風なのに近未来みたい。三人の選んだ結末に割り切れない余韻が残る。

  • 映画化されるとのことで、読んでみました。
    親友の恋人を自分のものにしたい。そこに絡んでくる記憶の改ざん。
    自分の欲望に正直になるための狡さが上手く書かれていた。好きになってしまったからしょうがないのかなぁ。

  • まさに、バーチャルリアリティ系!
    すれ違いから始まった、愛しい恋人?と心許せる親友との、パラレルワールドが面白い!何が本当なのかわからないストーリーの展開が、覚醒、帰還で明かされる真実によって、大切な人にたいする、切ない気持ちが共感できる物語になっている。ミステリーとは違う東野圭吾の世界も非常に面白いと思わしてくれた!

  • むかーし読んだはずなのに最後の終わり方が思い出せず、
    もう一回読むことに。

    「あー、これは忘れる…」という終わり方だった。

    もう一回は読まないと思う。

  • 秀逸なタイトル!
    読む人をパラレルワールドに巻き込んで行く。
    今は現実?仮想?面白いんだけど、読んで疲れるよ。。

  • いや〜面白かった。主人公の記憶が交錯しながら展開される物語は、疾走感とサスペンス感に溢れ、読み始めたら止まらなくなること必至。

    物語自体にミステリーを仕込む東野作品はすごく好み。そしてそこに重厚な人間ドラマが絡んでくれば間違いなく面白い。

    本作では主人公の恋愛と友情が描かれているが、エゴ剥き出しの心理描写が生々しくリアリティがあり心に刺さる。聖人君子でもない限り誰しもが抱える葛藤…、「考えてはいけないと思いながらも、考えてしまう…」。このあたりの描写がダークながらもある意味心地よい。

    そしてラストは…、言うまでもなく伏線がしっかり回収され気持ちよく着地。SF的なテーマを扱いながらもフワッとしたラストにならない物語の収束の仕方は、さすが東野さん。

  • 久しぶりの再読。

    現実と作られた記憶の世界がパラレルに進んでゆく。
    忘れたい記憶って誰にでもある。でも簡単に忘れられる技術が進んだら、人間的に成長できない気もする。智彦のように。
    そう言えば、こういう友達の恋人を好きになって苦悩するって言うラブストーリー、最近みかけなくなったなあ。

  • 最初は???となりつつ読み進めていくと、だんだん謎が解けていって、引き込まれていく。このあたりはさすが東野圭吾さん。主人公の嫉妬深さと男としてどうなんだというのはさておき、謎に立ち向かう姿は応援したくなる。

    いやしかし、自分が事実と思ってたものが実は人為的なもので真実ではないってこわい。

  • 続きが気になって一気に読んだけど・・・
    設定的には面白い。でもあまりにも長々とひきずり過ぎる感が・・・

    1回読めばもういいかなって感じ。

    でもまぁ、近い将来
    本当に記憶改編なんてできちゃうことができたら
    こわいなーー。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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