パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 24649
感想 : 1860
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062637251

感想・レビュー・書評

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  • 自分はストーリーよりも、キャラ重視なのかもしれない。主要キャラが好きになれないと、物語に感じる面白さも半減してしまう…なぜ好き嫌いがこんなにも出てしまうんだ。器の小さい自分に辟易する……

    が、とにかく思ったことを書こうと思う。
    ストーリーは面白かったと思う。ハラハラさせる展開だったし、最後は「こういう終わりか」となった。
    印象に残る物語だと思ったし、1995年に作られた小説と知って、度肝を抜かれた。最近のだと思ってた。ほんと。

    ただ、キャラが本当に好きになれず、解せない。最近多くないか? 卑屈な心になっているのだろうか……
    ということで、引っかかったキャラ達の行動について書こうと思う。
    以下はネタバレも含んでいるはずだから、読む人は注意して頂きたい。(大したネタバレをするつもりは無い)

    まず、崇史。お前はクズだ!
    だけどクズなりに問題に答えを出していたから、まぁ、悩んだ末というのは分かる。もし自分が崇史と同じ立場だったら、相手に嫉妬する気持ちは分からなくない。いや、ただ、崇史、お前はやりすぎだ。そこまではしないと断言出来る。

    いいか崇史。お前がやっていることは、ただの「寝取り」だ。というかあれはほぼレイプだ。性行為をしたことで何故彼氏よりも上だと思ってしまうんだ。
    いや、でもそういう所も、クズな崇史だったら仕方ないか。そう片付けることは出来る。出来る、が、だ。
    崇史は弱い人間だから、仕方がないと。思うことは出来る。でもそれでいいのか? 崇史。作中で本当にクズだったお前は、「外見」と「地位」以外に秀でたところは見つからない。
    親友の彼女を奪い、しかもその彼女を半ば強引に性交渉に持ち込み。親友の事を何も考えてない。うん、、、崇史。そんな自分のどこが素敵なんだ??

    いや、ごめん崇史。崇史はよく頑張ってたよな。もうこの辺にしておくよ。

    そして、このクズの崇史と性交渉(バリバリの浮気)をしてしまった麻由子さん。あなたは一体崇史のどこが好きなんだ?????
    顔なのか?? 顔ということでいいのか。。。
    この主人公とヒロインの二人が全くと言っていいほど魅力がなく、そこがかなり引っかかってしまった。
    ぶわっっっと書いてしまった。ここまで読んでくれた人にはお見苦しいものを見せてしまいすみません。そう謝りたい。そして、呼んでくれてありがとうございます。

  • 読んで損したな〜という印象。
    東野圭吾と相性あんまりよくないのかも。

    SFチックな非現実世界が得意じゃないので、これでもかと空想の科学分析の言葉を並べられても冷めていくばかり。

    主人公が密かに恋してた相手が友人の恋人になり苦悩して…て「檸檬」みたいだなと思った。ちゃんと読んだことはないんだけど。笑

    結果、主人公が空回りに被害妄想しまくったおかげで友人は長い睡眠に入る羽目になったし、好きになった女の子も傷つけるし(この女の子も何がしたいのかわからない偽善者のような書かれ方でモヤモヤ)アンハッピーエンドで終了。

    今の時代、記憶の改ざんなんてやろうと思えばやれるんだろうけど、やっぱり受け付けない設定。
    最後は斜め読みして読了。

  • 辛くて苦しい嫌な過去の記憶を改変出来るとしたら楽に生きれるんだろうな。そんな装置があったら是非とも受けたいわ!って思うのだけれど。
    どんな終わり方するんだろうと楽しく読んでいたけど、これで終わり!?というような終わり方だった。何も解決してないからすっきりしない。東野圭吾らしくないような、うーん(^_^;)

  • 難しかった。
    読んでくうちに、モヤモヤが晴れそう、、?って気持ちになったけど ラストを読んでも対してすっきりしなかった。
    読解力の問題かな。

  • 今回気付いたのは登場人物が好きになれないと話も全部好きになれないし、私はミステリーが好きではないということ。

    怖かった
    世にも奇妙な物語を見終わった後の、後味の悪い怖さ
    そして登場人物3人全員が愚かだと感じた
    だからあまり好きになれなかった
    けど話の構造だけはとても面白かったから星3

    親友の恋人を好きになってしまったなら、
    正直に打ち明けるか、
    思いを殺すかのどちらかしか選択肢はない

    誰かの恋人であるなら、
    恋人には正直でいなければならない

    記憶を改変して無かったことにする?
    そんな都合のいい話は現実世界にはないから、
    未来の自分に対して恥ずかしくない、堂々といられるような、後悔のない選択を取るべきなんだと思う

    1.14-1.17

  • 内容的にはハラハラドキドキ、続きがとても気になるお話しだったけど、あっちいったり、こっちいったりで話を理解するのが私にはとても難しかったので⭐️2にしました。
    智彦と崇史の友情、麻由子との恋愛、どれが本当でどれが嘘なのか、どれを信じて良いのか、疑って良いのか難しかったですが智彦の崇史を思う友情は確かにあったと思いました。

  • 続きが気になってあっという間に読んだのだけど、終わりにしっくりこず…。実際自分が麻由子の立場だったら、智彦から崇史に乗り換えることなんて出来ないのかなと思ったりするけど、やっぱり煮えきらない麻由子の態度が状況を悪化させている気がする。
    ラスト、智彦の友情を尊重するのであれば、苦しいから記憶を消そうという決断ではなくて、してしまったことを受け入れて乗り越えるべきなのではないのかな。それが出来なかったからこの物語が始まるわけだけど、腑に落ちない。

  • 記憶の改編は可能なのか。
    自身の記憶すら疑わしくなったら、何が真実で何が嘘かわからなくなってしまう、そんな自身の記憶の齟齬と親友と女性に対する思いの中で溺れる話。
    感想としては、主人公と女性に対してとてもイライラしてしまった。主人公はまだいい。親友の恋人が前々からの自分の想い人であったことを知り、嫉妬に狂うも罪悪感との葛藤もあり苦しんでいることがわかり、この彼の内面の描き方も生々しく素晴らしいと言うべきだろう。
    しかし女性がいけ好かない。主人公に好意をぶつけられた以降も主人公に対して親友の前ではいつも通りの態度を取れと要求しておきながら(=自分の気持ちに表面上だけでも嘘をつけとの要求)自分は主人公からのアプローチに「そう解釈してくれても構わない」「なんとも言えない」などわざと曖昧な態度をとって表面上でも「私は智彦が好きだからあなたとは付き合えない」などといったきっぱりとした嘘をつけないでいる。それが主人公を期待させ、親友を傷つけることになるということを理解しているのにも関わらず。主人公に抱かれる時だってそうだ。そもそも何故それを受け入れてしまったのか。一言「やめて」と心から言えば主人公は踏みとどまっただろうに。主人公が好きだから拒めなかった? それで許されることでは無い。智彦にハンディキャップがあるから別れられないと主人公に解釈されているが、それならそうと割り切って智彦に抱かれるのを拒まないべきだったし、主人公に対する気持ちの揺らぎを感じた時点で別れればよかったと思う。そんなに簡単に気持ちに整理をつけられないとは思うが、この人のどっちつかずさのせいで男が2人傷つくことになったのである。特に親友は本当に可哀想だ。(特に主人公が女性を抱いたことを知り、「僕は抱いたことがないのに…」と呻いた場面が印象的である。)弱い人間だ、そう自分を自覚していれば罪が軽くなる訳では無い。終始被害者面していたこの女性がどうも私には受け入れられなかったので星2にした。

  • 記憶の改編を、テーマに様々な人間関係が絡みあう
    最後が思ったよりあっけなかったが、読み進めていくうちに若干恐怖を感じた

  • 崇史と親友・智彦、そして智彦の恋人・麻由子。崇史の心の中では麻由子への恋心と嫉妬が渦巻いている。
    が、その一方で崇史と麻由子が恋人同士の世界も混在し…

    自分の信じる「記憶」が、まわりの人からみた現実と違うときの恐怖が読み手をも混乱させる作品です。
    その混乱がスリルにもなっていて、先の展開が気になってしまいました。

    ただ結末はどうしても腑に落ちませんでした。

    記憶が曖昧だった理由はちゃんと明かされるのですが、崇史、智彦、麻由子がそれぞれに選んだ選択が、どうしても納得いきませんでした。

    お互いに「相手のためなんだ」とうたいながら、結局はその選択は自分を守るための選択であること、特に智彦の選択はそう思えてなりません。
    こんな経緯で智彦が姿を消したあと、残された2人が本当に幸せになれると思ったのなら、智彦は大ばかものです。


    ある意味、この最後の結末は智彦による崇史と麻由子への復讐なのか?とさえ、思えてしまいました。


    崇史の言うように、崇史も含めて人は「弱い人間だ」ということなのでしょう。
    「記憶」と「人間の弱さ」がテーマだとすれば、そのテーマはしっかり書ききられています。
    でも結末になんだかモヤモヤしてしまう、そんなお話でした。
    よって☆2つをつけました。

  • 大どんでん返しがあるのかと期待してたけど、そこまで大掛かりな仕掛けもなく、ハッピーエンドって訳でもなく、残念な感じだけが残った…

  • 最後でようやくつじつまが合う。画期的な研究が取り返しのつかないことになる。親友とその恋人の三角関係。
    ハラハラさせてくれる。ただ、シーンが断片的過ぎて分かりづらいかもしれません。

  • 結局は三角関係のもつれか。友人の恋人に固執する主人公。パラレルワールドの真実は、予想通り。

  • むかーし読んだはずなのに最後の終わり方が思い出せず、
    もう一回読むことに。

    「あー、これは忘れる…」という終わり方だった。

    もう一回は読まないと思う。

  • 続きが気になって一気に読んだけど・・・
    設定的には面白い。でもあまりにも長々とひきずり過ぎる感が・・・

    1回読めばもういいかなって感じ。

    でもまぁ、近い将来
    本当に記憶改編なんてできちゃうことができたら
    こわいなーー。

  • 出だしに心惹かれた。集中力を使うため読み進めるごとに疲れてしまった。再読したらもっと良さがわかるかと思うが、重くてなかなかページをめくる気になれない。

  • ミステリーを滅多に読まない私が読んだ一冊。
    私の感想を一言で言えば、
    「恋情や嫉妬に狂いかけの男が一線を踏み越えたお話」だなと。
    きっと、あの電車での出会いだけではここまでならなかったと思うのです。
    ただ、それが「親友の恋人」だったからこそ、強い感情に囚われたんじゃないかと私は思っています。

    真実を追い求める過程で、誰も彼もが消えていく。
    この場面は見ていて少しドキドキしました。
    一体誰の陰謀!?と主人公と一緒に進んでいけました。
    シーンが切り替わって、一人称と三人称も切り替わっていく。
    その見せ方はとても良かったです。

    ……が、私にはこのドロドロとした感じが合わなかったようです(汗
    ミステリー部分だけなら十分面白いのに、主人公に感情移入出来なかったせいでしょうか
    ただ、この人の別の作品を読んでみたいなとは思いました

  • ただただ私ごのみではない。
    そんな研究、必要か?と思ってしまう。
    崇史の記憶操作はいつの間に行われていたのだろう。

  • 並行世界を描いた小説を渉猟し、出逢った小説。はじめから2~3シーンを見て読むと決め買ったのだが、中盤以降、どちらかと言えば心身二元論をベースとしたSFであって、並行世界を描いたものではないと分かった。このセンの小説はあまり好きではないので、題名も帯もあらすじもちょっと考えてほしい。
    ただ、筆者の小説は、殺人事件を描いたものばかり読んできたので、殺人に至らない、殺人と異なる不義に至る心理描写は新鮮だった。

  • 映像化されているので、面白いだろうと思って読んでみた。

    ベースにあるのは親友の彼女を好きになり奪おうとするというよくある三角関係なのだが、記憶を書き換える研究をしている人たちなので、複雑に話が進んでいく。

    次元を行ったり来たりするので、適当に読んでいたらよくわからなくなった。記憶を書き換えるという現実にはあり得ない設定なのだが、生きていくのも嫌になるくらい辛い出来事だったら、記憶を消してでも忘れたいと思うだろうか?結局どうなったのか何が言いたかったのかよくわからない結末だった。

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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