ユリ迷宮 (講談社文庫 に 22-3)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 336
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062637282

感想・レビュー・書評

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  • 「ロシア館の謎」「密室のユリ」「劇薬」の3編が収録された二階堂蘭子シリーズの短編集。この中だと「劇薬」がフーダニット、ハウダニットの要素に加えて、どんでん返しの要素もあって面白かった。

  • 巨大幽霊マンモス事件を読むために手に取った本作。どの短編もシリーズらしいおどろおどろしさがなくやや拍子抜け。
    ロマネスク風の豪壮な城館が忽然と姿を消す【ロシア館の謎】は島田荘司ばりの大掛かりなトリックと幻想的なストーリーが面白い良作です。
    若手推理小説家の絞殺体が三重の密室状態で発見される【密室のユリ】はトリックが古典的ですし、カセットテープの扱い方もいまいちです。
    【劇薬】は途中で挿入されるコントラクト・ブリッジのルールがさっぱり理解できず。真相も味気なく不満が残ります。

  • ロシア館の謎
    立風書房「ミステリーの愉しみ5 奇想の復活」 1992年8月

    密室のユリ
    野性時代 1994年1月

    劇薬
     1 シャッフル(前書き)
     2 ドロー(最初の挿話)
     3 ディール(殺人予告状)
     4 オークション(来客)
     5 コール(夫と妻)
     6 ビッド(ゲームの規則)
     7 ダブル(容疑者の集い)
     8 リダブル(毒殺)
     9 コントラクト(事件証言の抜粋)
     10 オープニング・リード(探偵登場)
     11 エスタブリッシュ(推理)
     12 フィネス(説明)
     13 グランド・スラム(退場)
    講談社「ユリ迷宮」 1995年4月

  • ユリ迷宮 
    二階堂黎人4冊目となり、安心して読めます。
    親しみもでてきました。
    なんと二階堂蘭子ものの短編集でした。
    「劇薬」はどんでん返し。
    これまでのものとちょっと感じが違う感じでした。
    私は長編が好きなのですが、短編にしては面白かったです。

  • 3

  • 「ロシア館の謎」「密室のユリ」「劇薬」
    3作のなかでは、「ロシア館の謎」が個人的に一番好き。

    正直にいうと、詳細に描かれた人間模様が逆に邪魔をしてしまっている印象。どのようなどんでん返しがあるんだろうと思っていたところに期待の割にはと思ってしまいます。
    トリック自体はどの作品も大きな驚きはないけれど、「ロシア館の謎」はトリックだけではない驚きの結末があったので、読み終わった後に満足感。
    難しい話ではないので、推理小説の入り口としてもオススメの作品です。
    蘭子の存在が薄いのは短編集だからでしょうか。
    他の方が書いているように長編も読んでみたいです。

  • 二階堂黎人が「いちばんよかったころ」のものだけに、完成度が高い。
    こういうバリバリ本格推理小説って、僕にとってはほんと面白いね。

  • 再読。蘭子シリーズ5作目。3編の短編集。
    一番好きなのは「ロシア館の謎」ですね。
    広大な屋敷消失トリックが本当にお見事です。
    作品自体の雰囲気もとても好み。
    後の2編はまあまあですかね。
    コントラクトブリッジのルールのくだりは、毎度読み飛ばしてしまう。

  • 2013.12.5処分

    時々イラっとするのは相変わらず。
    吹雪の中に立つ館が忽然と消える「ロシア館の謎」。
    密室状態の新築マンションで作家が殺される「密室のユリ」。
    カードゲームのパーティーの最中、砒素中毒とみられる状態で主人が死亡する「劇薬」の3篇。
    「密室のユリ」は漫画化されたものを以前読んだが、原作の方が穴が目立った。

  • 数ある推理小説の中に登場する、数ある名探偵の中で、私が最も敬愛する二階堂蘭子女史が大活躍するシリーズの作品集です。昭和40年代という時代設定が絶妙なのか、このシリーズのもつ独特な雰囲気に浸れるというのは、素敵な読書体験です。それぞれの作品に凝らされた趣向もさることながら、純粋に読み物として素敵な文章に触れるというのも大事なことだと改めて感じました。まだ読んだことのないという方には自信を持ってオススメできます。

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著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

二階堂黎人の作品

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