嘘ばっか 新釈・世界おとぎ話 (講談社文庫)

  • 講談社 (1998年3月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (212ページ) / ISBN・EAN: 9784062637572

作品紹介・あらすじ

ここに登場のおとぎ話は昔知ったものと大違い。シンデレラは度外れた美貌と頭脳でママ母を辟易させる野心家。浦島太郎はただ若いだけの無神経な男。赤ずきんの真実は驚きです。「おとぎ話は心の傷」という著者が試みた、26篇の絵入りパロディは、ウソと思いつつホントと頷く、おかしくて怖い現代の寓話です。

みんなの感想まとめ

昔話を大胆にパロディ化した作品は、シンデレラや浦島太郎など、馴染み深いキャラクターたちを新たな視点で描き出します。著者は、子供心に響くようなユーモアとシュールな要素を取り入れ、読者を楽しませることに成...

感想・レビュー・書評

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  • 気が滅入るようなニュースが続いているので、毒をもって毒を制すな読書。手に取ったのは、毒舌の佐野洋子がお伽話を書き換え。あくまで書き換え、改竄ではありません。シュールで面白く、挿絵もエロくていい。佐野さんがご存命なら、世相を斬るような作品を発表したような気がする。

  • お馴染みのおとぎ話も見方を変えると随分違ったお話になりうるのだと興味深く読みました。

    特に「舌切りすずめ」が切なくて印象的でした。

  • シンデレラ、ありときりぎりす、浦島太郎など昔話38編のパロディ。大変積極的に、ずんずん書いてしまった。面白がって自然に書けてしまった。子供心にくい込んでくる昔話、あそこまでやってもらわねば、あそこまでやらなくていいのにという心持にならない。

    ひとひねりじゃなくて、ふたひねりして元にもどったくらいの感じ。こんなお話をさらさらっと書けてしまうなんてすごい。しかも絵まで。

  • 三太郎のCMに慣れてしまったせいか、童話をパロディ化する行為にもはや後ろめたさはなく、それどころか何となく社会認知されてきている風潮がある。ゆえにこうした作品を書くのは当然作者の自由。ただ、あまりにもえぐすぎ。これじゃ子供に読ませられない。だから面白いのかもしれないが。

  • 有名なおとぎばなし話について、空想で違う視点の説明がある。これがなかなかシュールなストーリーに仕上げてあり、面白かった。

  • 佐野洋子さんって、こういうのも書くのね。
    「百万回生きたねこ」しか知らなかったけれど……、たしかに、挿し絵の絵柄は同じかも。

    さて、中身。
    シュールというか黒いというか……。
    「スパイスが効いた」ともひと味違う感じ。



    15年くらい前、「ほんとうは恐ろしいグリム童話」などというのが大流行したのを思い出した。本書の刊行は、それより遥かに前だったけれど。

    結論……、うん、面白かった。面白かったけれど、一冊通して読むと少々、食傷気味に。凄く薄い本になってしまうだろうけど、上下巻に2分冊すれば、読後の満足感も上がるだろうなと。


    お気に入りは「シンデレラ」と「かちかち山」と、「三びきの子ブタ」。

    ★3つ、7ポイント。
    2017.02.12.図。

  • シンデレラや白雪姫、ブレーメンの音楽隊などなど。
    おとぎ話を基にしたパロディ。
    もともとある話を「本当はこんなに怖い話だった!」って感じにしてあるのかと思ったら、完全なパロディだった。
    それでもまあまあ面白かった。

  • カバー裏の紹介文を見て、星新一氏の「未来いそっぷ」みたいな作品かと期待して手に取った本。

    個人の好みによるとは思うが、
    オチもスッキリしないものばかりだし、文章表現も自己陶酔中のポエムのようで苦手。
    何とかして人間の醜さを演出しようという頑張りは感じたが、どれも中途半端なレベル。生ぬるい。ありがち。

    もしかすると作者は人間の醜さとはあまり縁の無い幸運な人生を送ってこられたのかも知れない。
    そうだとするなら、この内容にも納得である。

  • ありときりぎりす、羽衣、が特に好き。

    『おれはどうしてそういったか、わからない。』
    『女たちはそねむまえに、あこがれで自分を卑下しました。卑下した女を美しいと思う男がいるでしょうか。』

    「おまえは、ことばがないのか」
    「あなたもしゃべらなくていい」

    「あなたは、いいつけを守らなかった。そのうえ嘘までつきましたね」
     嘘?嘘?
     わたしは、ただ、神さまのあの哀しげで淋しげな笑顔を、わたしだけで守りたいと決心しただけです。

    『もっとも、わしは、このごろ、ああいえばこういう、こういえばああと、かってにひとさまの教育に口出しする世間のほうが、ほんとうのあまのじゃくのような気がする。一生直んねえ、ほんとうのあまのじゃくだな。』

  • おもしろくない。
    絵も苦手・・。

  • ああ、もうすてきな解釈ばかり。現実は童話のようにいい人ばかりの世界じゃないしね。

  • 美大時代に「新釈・世界おとぎ話」という言葉に惹かれ、別装丁の本を購入。子供の頃は素直に聞けたおとぎ話を現代に置き換えるとこうなるのか‥‥と、表題通りの新釈ぶりがシュールで面白い。(1986年)

  • ショートショートの名手、星新一さんの代表作にイソップ童話のパロディを集めた 『未来いそっぷ』 というのがあって、私は中学生のときに読んで衝撃を受けたのですが、『嘘ばっか』 は佐野洋子版の寓話のパロディ集。浦島太郎や鶴の恩返しといった日本に伝わる寓話から、シンデレラや白雪姫といった西洋のものまでいろいろ。星さんのは時代を未来に置き換えたらあららら大どんでん!というものですが、佐野さんのは同じ話を語り手を変えて価値観世界観をガラリと変えちゃってます。元ネタがハッピーエンドであればスカッとするけど少しぞっとするような、そういう話になっていて、上から見てまん丸だと思って安心していたのに、近くに寄ってみたら円錐形で先がすごく尖っていて怪我しそうだった、みたいな感じ。あとそこから教訓を得ましょう、みたいな話が元ネタだと、頭でっかちな説教くさいこと言っちゃってわかってないじゃん、的なアレンジになっていて、すごく面白かったです。薄い本だしひとつの話はごく短いのでさら〜っと読めます。

  • 古いおとぎ話から人間の匂いと平凡で尊い人生を立ち上らせる一冊。
    そして残酷。

  • 今や数多くある昔話や童話のパロディの中で一番好きな一冊。リズムのある文章と素直に効いた捻りで読了感が気持ちいい!どれも好きですが、「浦島太郎」には参りました。

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著者プロフィール

佐野 洋子(さの・ようこ):1938年生まれ。幼少時代を北京で過ごす。62年武蔵野美術大学デザイン科卒業。73年創作絵本『すーちゃんとねこ』でデビュー。『わたしのぼうし』で講談社出版文化賞絵本賞、『わたしが妹だったとき』で新美南吉児童文学賞、『わたし いる』でサンケイ児童出版文化賞、『ねえとうさん』で日本絵本賞・小学館児童出版文化賞、『神も仏もありませぬ』で小林秀雄賞等多数受賞。『100万回生きたねこ』『おじさんのかさ』など。エッセイ集『わたしの猫たち許してほしい』『ふつうがえらい』『シズコさん』『役にたたない日々』『死ぬ気まんまん』など。2003年紫綬褒章受章。2010年11月逝去(72歳)。

「2026年 『はだか 谷川俊太郎詩集 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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