ワイルド・スワン(下) (講談社文庫)

制作 : 土屋 京子 
  • 講談社
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本棚登録 : 566
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062637732

作品紹介・あらすじ

迫害を受け続ける家族。思春期をむかえた著者は、十代の若者が遭遇する悩みや楽しみをひとつも経験することなく急速に「おとな」になった。労働キャンプに送られる両親。著者にも、下放される日がついに訪れた。文化大革命の残虐な真実をすべて目撃しながら生き、「野生の白鳥」は羽ばたく日を夢見続ける。

感想・レビュー・書評

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  • 大学新入生に薦める101冊の本 新版 (岩波書店/2009) で気になった本。

  • キチガイ革命

  • 中国人の知り合いが、「中国人は今を考える。先のことを考えても変わるから」といっていたことが、やっとわかった。
    中国の歴史。世の中が変わり、そのたびにルールも変わる。昨日の英雄は明日の犯罪者。一人ひとりの力は組織の前にいかに小さいか。その中を主人公たちは強く生き抜く。親子三代それぞれ、過酷でまさに気が狂うような状況になって持ちこたえ、生き抜く精神力のすごさ。

  • 140106

  • レビュー上巻参照

  • 出口治明著『ビジネスに効く最強の「読書」』で紹介

    中国共産党近代史を背景に、著者の祖母、母、著者3代にわたる人生の記録。

  • 下巻は文化大革命の状況をつぶさに描く。著者は当時ティーンエージャー。類稀な観察力と記憶力により、当時の成都や、彼女が下放される農村、毛沢東のバレードを拝謁するために滞在した北京の状態が克明に書かれている。「批闘大会」といわれる職場単位や学校で行われる吊るし上げの様子や様々な悲劇の描写は悲惨・理不尽極まりない。わずか40年前にここまでひどいことが行われていた国が存在していたことに絶句する。
    大衆が社会全体の情報は得られないように情報がコントロールされていた中で、迫害されつつも、共産党の高級幹部という立場にあった著者の母は、一般大衆よりも接触することができた情報か多かったのだろう。この本の刊行は中国語では不可能であり、英国に留学した著者が英語でこそ書けた物語。
    文化大革命の最中にも、中国のあちこちの都市で、イデオロギーの違いで袂をわかつ勢力がそれぞれ武装し、都市単位の内戦があちこちで行われていたということには驚く。
    毛沢東が死去し江青ら文化大革命を推進した4人組が失脚したのちに鄧小平が実権を握ったことで中国社会と経済がふたたび活性化していく様子も詳述。ただし、この本が発刊される直前に発生する天安門事件についてはページをあまり割いていない。2005年に上梓した第二作『マオ 誰も知らなかった毛沢東』も読んでみるつもり

  • 毛沢東の死までの四人組が起こした最悪な出来事。政治抗争に巻き込まれた国民は堪らない。これを読むと、中国には共産主義が育たず、主義徹底に満たぬ、イデオロギー利用における独裁主義であった事が分かる。いやむしろ、低次の共産主義は、ファシズムと同義だと解釈すべきか。

  • 毛沢東の引き起こした文化大革命によって、一体どれだけの人が死に、どれだけの文化的な遺産が破壊されたんだろうか?この本を読む事によって、文化大革命の時代が如何に狂気に満ちた時代だったという事が分かる。毛沢東は中華人民共和国を建国した偉大な人物だったかもしれないが、その後の誤った政策によって、多数の人民を殺した大犯罪者だ。

    著者は本の最後の部分で、中国社会が文化大革命の頃から急速に回復し、政府を批判する集会を行える程になったと明るく締めているが、実際の中国の現実はまだまだ酷いものである。検閲のあるテレビ報道、言論の自由が保証されていないメディア、繋がらないFB、ツイッター。偏った教育。ウイグル自治区やチベット人への弾圧などなど。

    そうは言っても、生産基地としても市場としても魅力的な中国なので、中国に関係のある人がもっと中国について学び、理解を深めて頂ければと思う。

  • 人類史上、最悪の政治なのではないか。でもいまだに、天安門広場に肖像がある不思議。まだ謎が多いけど、ずいぶん中国という国がわかった気がする。
    著者の父上が立派です。感銘を受けました。

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プロフィール

1952年、中華人民共和国四川省生まれ。文化大革命が吹き荒れた1960年代、14歳で紅衛兵を経験後、農村に下放されて農民として働く。以後は「はだしの医者」、鋳造工、電気工を経て四川大学英文科の学生となり、苦学ののちに講師となる。1978年にイギリスへ留学、ヨーク大学から奨学金を経て勉強を続け、1982年に言語学の博士号を取得。一族の人生を克明に描くことで激動期の中国を活写した『ワイルド・スワン』『真説 毛沢東』(ともに講談社)など、彼女の著書は世界40ヵ国に翻訳され、累計1500万部の大ベストセラーになっている。なお、上記の2作はいずれも中国国内では出版が禁止されている。

「2018年 『西太后秘録 下 近代中国の創始者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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