2050年は江戸時代: 衝撃のシミュレーション (講談社文庫 い 10-16)
- 講談社 (1998年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062638098
感想・レビュー・書評
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ひょっとしたら日本ってこうなってしまうんじゃないか!?という、自分の中にあったぼんやりとした、不安や予想がすべてここに書かれている。
これは単なるSFではなくて、しっかりとした「シュミレーション」だと思う。
今になってやっとこう考えることができるようになった自分。価値観や、考え方はその時代の常識に捕われていることにも気づけた。
この先「どう生きるか」考えさせられると同時に、
今の自分の行動、考えはまちがっていないという安心感を与えてくれる作品。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。
5、6年前に1度読んで
その時もとっても面白かったが
今度の震災で原発事故による節電が叫ばれている今
SF小説の中の話とも言ってられない気がする。
自給自足がホントに大切だと本気で思い
そういう視点から政治に携わっている人っているんだろうか。
…私もすでにクニガ病か。
政府というものがほとんど機能しなくなるというのも
今回の震災で実感したことのひとつ。
地域、個人間のネットワークが実はとっても大事だったのだ。
ふんばろう東日本プロジェクトのやっていることそのものだ。 -
原発停止で電気が使えなくなることに対して、
漠然とした不安を抱いている人が多い今日この頃。
『2050年は江戸時代』はその名のとおり近未来SF小説だが、
原発停止ではなく石油エネルギーが枯渇したときの話。
当然、日本では現在のような
ガソリンや電気をふんだんに使う生活が完全に崩壊し、
交通はマヒし失業者や餓死者が大発生して大混乱になる。
しかし最後には、自然エネルギーだけに頼る
人間らしい生活を取り戻すのである。
もちろん小説なので
ファンタジーだと言ってしまえばそれまでだが、
たとえ電気がほとんど使えなくなっても、
これまでに蓄積された科学知識を駆使すれば、
本当の江戸時代(昭和30年代と言う人もいる)に
逆戻りすることはないだろう。
案外悪くない未来があるのかもしれない、と思わせる一冊。 -
相変わらずの西洋文明批判と現代日本人へのお説教。SF小説という形になっているが、小説であれば、大江戸仙境シリーズの方が、よほど面白い。
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何か印象に残る本。
要は、未来社会において日本が完全な農耕社会に戻っていて、江戸時代のような生活を取り戻す(あえて取り戻すという表現になるが)という話。
実際、最近の世界的な異常気象や、完全に回復しきれない景気や、アジアの国の台頭を見ているとちょっとは現実味がありそうで怖いような楽しみなような。でも、農業って経験ないからこうなったら困るんだろうけど。