未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062638272

感想・レビュー・書評

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  • 建築探偵というのは新鮮味はあるけど、ミステリーとの相互作用的にはうまくハマってない感じがしました。

  • 祖父の変死、父の謎の自殺未遂、そして不動産屋の変死と3つの事件がたて続けに起こる、スペイン様式のいをめぐる一族のどろどろだのなんだかんだ。

    普通につまんなかったです。はい。

    実は美形なのに、ボサボサの髪で顔を隠している「探偵」、女みたいな変な名前の熊のような男、男か女かわからない助手(概ねストーリーテラー)、変な名前の美少女と女系家族、薄気味悪い主人に執事。

    それぞれのキャラクターを強めるために、極端な要素を盛り込み過ぎなのである。

    さらには、「黒死館の殺人」「ドグラ・マグラ」「虚無への供物」の好きアピール、ゴヤの絵の薀蓄などなど、サブカル読者を釣ろうと必死なのはわかるのだが、全部表面ばかりの話で、中身に厚みがないため、強烈なキャラクター設計とともに、アニメの原作または、内容を知っている人に向けたノベライズにしか思えないのだ。

    建築探偵と言いながら、建物の作りには言うほども謎を解くきっかけはなく、むしろ「たまたま持ってきた物」で解決されていくのだ。

    最終的に、動機も手段も希薄で、ゴス系少女趣味な映像をくっつけたら、その信者に受けそうという内容。

    ☆1にしたいけど、もう1冊買ってもうとるんよね…。おまけに、文章もうまいとはいえず、だれが発した言葉なのか、読者側でフォローさせる書き方もマイナス。

  • うーーん、微妙でした。読んでいて続きが気になる!というワクワクはありませんでした。

    「建築探偵」というサブタイトルから、建築(例えば間取りとか)が事件を解き明かす鍵になるのかな?!面白そう!と期待したのにそんな感じのストーリーではなかったです。
    確かに、故人の思いを推しはかるのにその間取りが根拠になってはいたけど、私はそういうのではなくて殺人事件のトリックに使われたりするのかな?と思っていたので期待していた方向と違ったストーリーでした。

    古い作品だからか少し読みにくいなと思うところも多々あり、続きはもういいかなーと思ってます。

    ただ、蒼は可愛かったので、彼の過去に何があったのかは少し気にはなってます。もう一冊くらい読んでみようかな…

  • 富豪一族の背景もそれほど惹かれるところもなかったし、ミステリーとしては謎解きが今ひとつだった。ただ、舞台となっているのがスパニッシュスタイルの洋館で、ブルーサファイアやら、割れたボヘミアングラスなど小道具が好みだった。とりあえずは、蒼や京介の過去が明らかになる位までは読んでみようかな。

  • 『ご所有の西洋館の鑑定承ります』のチラシを見て桜井京介のいる研究室にやってきた遊馬理緒。祖父の残した黎明荘を母親が取り壊そうとしていることに不満を抱き、何とかして欲しいと依頼します。
    前髪で顔を隠した超美形の名探偵、一目見ただけで覚えてしまう生意気な少年、好奇心ある髭おやじなど、キャラクターは魅力的ですが、それほど目新しさはありませんでした。
    内容も今一つで、証拠に基づいた理屈というより、こうかもしれないという想像が多いですし、思わせぶりだった伏線がそのままスルーされていました。

  • 建築家がスペイン風パティオを持つ家の調査をかね、その別荘で亡くなった主人の死の真相を解き明かす話。

    登場人物たちの外見か内面とかを作者がストレートに描きすぎていて、エピソードで読者に想像させることなく「この人はカッコいいの、この人は性格キツイの、この人は気難しいの」と決めつけた書き方なので、気分が悪い。

    内容も、かなりつまらない。どんな本でもしっかり読もうとする私には珍しく、途中を飛ばして読んでしまったほどの苦痛な本でした。

  •  この著者もぼくは初読。新本格派のひとりだそうだけど、そこらへんにいそうな普通の名前すぎてか記憶に残ってない。まあ新本格とはいっても単なる時代区分であって中身は玉石混交だからな。
     「建築探偵桜井京介の事件簿」という副題がついている。建築探偵ってなんぞや。タイトルからして綾辻行人の館シリーズのようなものか。たまたま手にとって買ってはみたもののあまり期待しないで読んでみたら、これがなかなかのものだった。きわめてオーソドックス。こんなにツボにはまるミステリというのも今どき珍しい。古風といっていいのかな。正真正銘一枚看板ミステリですよという感じ。伊豆の高台に建ついわくありげな洋館。一癖も二癖もある旧家の一族。そこで起こる不可解な事件。世間離れした奇矯な探偵役とその取巻きたち。
     肝心の謎解きという点は大したことないけれど、かように舞台装置は整っていて大いに楽しめる。一部の新本格作家と違って文章が達者なのですらすら読めるのがいい。それと主人公である桜井京介とワトスン役の蒼、深春の2人が実にうまく書けている。それぞれのキャラが親近感をもって読める。これでプロットがもうひとひねりあればいうことないのだがな。本作についていえばスペイン語がわかるとおもしろいかも。反則技と目くじらを立てるほど大層なことではないけど。
     しかしこのシリーズはなんと15冊もあるらしい。それだけ続いているということはそこそこ売れているのだろう。もうちょっと読んでみるかね。

  • シリーズ完結を記念して再読開始。9月6日読了。犯人はなんとなく覚えてたけど結構忘れてたなぁ。遊馬4姉妹はいいキャラクターしてるなぁ。

  • 建築探偵桜井京介シリーズ1作目。
    同じ館もののミステリでも、館シリーズのようなアッと驚くトリックやどんでん返しがあるわけではなく、淡々と事実をなぞっていくような展開に少し物足りなさを感じました。どちらかというと館そのものよりも館に住まう人間の内面描写に力を入れている作品なのかな、と思いました。
    とはいえまだ第一弾。これからどんな館が登場してくるのか楽しみです。
    眼鏡をはずせば超絶イケメンな桜井京介、名前だけは可愛いけどその実、熊男な栗山深春、ちょっと訳ありな過去を持ってるっぽい蒼、それぞれのキャラはとても魅力的で、ミステリ半分キャラ小説半分として楽しみました。

  • 有名なシリーズですが、今更ながらの挑戦です。「建築探偵」と銘打ってあるので、本格ミステリでは王道だけどだけに抗いがたい魅力の「館モノ」に期待してしまいました。

    これについて、登場する屋敷はスペイン建築独自のパティオ(中庭)、それに纏わる不可解な様式など、「いかにも」な雰囲気は充分。しかし、その設定を生かす様な大仕掛やアリバイトリックの"派手さ"は乏しく、肩透かしを食らった印象でした。

    ただし、「建築探偵」らしく建物に籠もる故人の思いを読み解く解決編は、感情面でのどんでん返しを食らい、驚きは少なくとも温かな気持ちになります。いかんせん感情面を紐解く為、明確な物的証拠による解決ではなく探偵役の想像力に頼るものなのは、ミステリとしては寂しい気もしますが…。

    普段はボサッと、けれど素顔は実は美形の名探偵なんて、なんて古風な少女趣味かと思いましたがなかなか登場人物も面白かったです。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1991年、ミステリ作家としてのデビュー作『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となる。著書に、『建築探偵桜井京介の事件簿』『龍の黙示録』『黎明の書』『レディ・ヴィクトリア』『イヴルズ・ゲート』シリーズなどがある。

「2022年 『レディ・ヴィクトリア完全版1〜セイレーンは翼を連ねて飛ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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