七回死んだ男 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062638609

作品紹介・あらすじ

どうしても殺人が防げない!?不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう。渕上零治郎老人-。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは。

感想・レビュー・書評

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  • 一期一会や!一期一会!
    そんな何回も繰り返してたら、ありがたみがないわ!
    失敗してもやり直し効くとか………
    羨ましい…(⌒-⌒; )
    タイムループもん。
    ハマってしまうと、9回繰り返す。24時間が。月に何回もあるみたい。
    今回みたいに、殺人事件みたいなのなら、ループしがいがあるけど、単調で退屈な日に突如ループが始まるとしんどいで〜!
    物語は、祖父の死を何とか防ごうと、手を替え品を替え、何周も頑張る。
    でも、何かいつもと違う感じで上手くいかない。
    頑張る主人公は、なかなかの良い子!
    SF+ミステリー+コメディ要素ありで、なかなかでした。

    一度ぐらい、リセットして、やり直したい〜〜〜!

  • ループ、ループ、ループ。
    段々、笑えてくる感じ。

    ネタバレになるので、感想書けない…

  • 反復現象という、同じ日を9回繰り返す体質を持つ主人公キュータロー君のお話。
    周りの人達は反復している認識はなく、キュータロー君だけが繰り返しを理解して同じ日をやり直していく。


    反復2回目におジーちゃん殺されて死んじゃう。
    3回目以降、おジーちゃん死なせないように色々手を尽くします。手を尽くしますが、何故か中々思うような結果にならず...

    殺人事件だけど、残り回数分強制的にやり直しが出来ること。
    キュータロー君のキャラや語り口調が殺人事件でもなんかホノボノさせてくれます。(笑)
    おジーちゃんの遺産権利が欲しい登場人物達の人間模様も楽しいです。

    最後は結局...



  • 同じ日を何度もループしてしまう体質を持っている主人公が、資産家の祖父の後継者を決めるために実家に帰省。親族が後継者を誰にするかもめる中、突然祖父が殺害されてしまう…
    特異体質を発揮する主人公が何度も祖父を助けるため奔走するが、なぜか祖父は必ず死んでしまうことになる。果たして主人公は祖父を助け出すことができるのか。そして意外な真実とは。

    重い雰囲気のお話と思いきや、展開がコミカルで、登場人物たちの人間性も豊かなため思わず声を出して笑ってしまうこともしばしば。次々襲う別角度のストーリー展開でも、文章が読みやすいため、すいすいと読み進められます。

    終盤のトリック自体はシンプルですが、実は破綻しないよう良く組み立てられた構成。伏線もしっかり効いていて、頭のいい人なら仕掛けに気づけるでしょうね。(私は無理でした)

    近年流行りの特殊設定ミステリーとは少し毛色が違いますが、作者の工夫と努力がありありとわかる作品、おすすめの一冊です。

  • 序盤で何かこの話しってるような既視感があった。
    よく一度読んだ同じ本を買ってしまう私は「またやらかしたか?」と本棚を確認したがそうではなかった。
    話が進むに連れて、やはり読んだことがないものだと確信していった。
    どうも、同じ日を繰り返す所が何かとダブったのだろう。
    とにかく本作の試みは面白かった。事件を解決するのではなく、事件を起こらないようにするミステリーはあまりないし、やり直せるがゆえに大胆な行動にもでれる。
    SFものは、実際にはできないが「してみたい」欲求を満たしてくれるところにあるのかもしれない。
    誰にも迷惑をかけない(かけてるかもしれないが)特殊能力を全力で自分のために使う人間らしさがとても共感できる

  • 著者の作品は初読みです。

    前評判通り異質なミステリーでしたが、取り憑かれたように読み終えました。

    「反復落とし穴」と表現された不思議な時間のループの中で、毎回殺害される祖父を救うために特異体質を持つ高校生の主人公「久太郎」が奔走する。

    今まで読んできた多くのミステリー作品では複数の登場人物が殺害されてきました。

    そしてそこに潜む謎を解き明かす。

    本作では同じ登場人物(祖父)が何度も死んじゃいます。

    何度も何度も。

    その度に祖父を死なせないように前周と違った行動をとり、事態を好転させるべく久太郎は奔走します。

    しかし、決まって祖父は死んでしまう。

    都合9回繰り返される24時間の中で、最後の周でなんとか祖父は死なずに翌日を迎える事が出来るも、そこにはもう1つの謎が隠されていました。

    良い意味でかなりの策士です。(笑)

    説明
    内容紹介
    同一人物が連続死! 恐るべき殺人の環。殺されるたび甦り、また殺される祖父を救おうと謎に挑む少年探偵。どうしても殺人が防げない!? 不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう、渕上零治郎老人――。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは! 時空の不条理を核にした、本格長編パズラー。(講談社文庫)
    内容(「BOOK」データベースより)
    どうしても殺人が防げない!?不思議な時間の「反復落し穴」で、甦る度に、また殺されてしまう。渕上零治郎老人―。「落し穴」を唯一人認識できる孫の久太郎少年は、祖父を救うためにあらゆる手を尽くす。孤軍奮闘の末、少年探偵が思いついた解決策とは。
    著者について
    1960年生まれ。米エカード大学卒業。高知大学助手などを経て、執筆活動へ入り、『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補作となる。『解体諸因』『完全無欠の名探偵』『幻惑密室』『実況中死』など著書多数。

  • 装丁からは想像できないコミカルな面白さ!
    ハードボイルドではないし、女性にはきっと読みやすいのではないだろうか!

    キュータローくんのキャラクターもとても良い(*^^*)

    友理さんの第五周の台詞は、何となくそうかなぁ?と思ったがやっぱり(*^^*)

    私はこういう設定の物語は初めてだったので、とても楽しめた♪

  • 著者のあとがきにもあるように『恋はデジャ・ブ』(タイムループもの)をヒントにしたSF新本格(特殊設定ミステリ)。
    3分の1くらいで「あー、これトリックわかったわー」と思ったが、はたして全然違った…。散りばめられた違和感を霧消させる見事なオチだった。
    今なら女性の美醜についての描写や微妙に軽薄な文体がダメな人もいそうだが、純然たる本格ミステリの楽しさを満喫できた。他の作品も読みたい。

  • とても面白い。
    人は死ぬが探偵はいない。人が死なないように泥臭くもがく。それだけが良い。

  • うへー面白いもの読んだーこれはすごい。
    シンプルな設定にそれを活かした真相、終盤の怒涛の伏線回収。
    自分は9周目が終わるまで完全に存在を忘れており「宗像さんはどこにいるのだ?」という一文に頭を殴打された。
    その後、日付がずれているという可能性は考えたが、それだと9周じゃなくなる...というところで詰まってしまった。
    「何回も聞いた」と久太郎が言った後の叔母の表情、祖父の日記、落とされたイアリング、綺麗に繋がるのが本当に爽快というか痛快というか気持ちいい。

    そして9回も同じ日を繰り返すのに飽きさせないドタバタ感。まさにコメディといった感じで、座布団合戦は思わず笑ってしまった。
    無理があるキャラクターが多いのは確かなのだが、主人公の久太郎のキャラクターが特に魅力的。

    この設定だったら「もっとできたのでは」と少し思わされるが、もちろんこれも十分。
    SF的な設定を利用し、コメディ的な要素が多いものも、やはり中心を貫いているのは"本格"。
    本格の持ち味、魅力を少し変わったやり方で描いているから奇抜な、新鮮なものに見えるというだけのこと。
    『七回死んだ男』、『瞬間移動死体』、『人格移転の殺人』、まだこの3つしか読んでいないが、どれも本当にレベルが高く、甲乙つけ難い。
    これもまた素晴らしい作品。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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