江戸川乱歩賞全集(2)猫は知っていた 濡れた心 (講談社文庫)

制作 : 日本推理作家協会 
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (582ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062638760

感想・レビュー・書評

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  • 第3回(1957年) 猫は知っていた
    下宿先の医院で起こる殺人事件を兄妹探偵が解決する。ってか、判断ミスにより訴えられそうだから医者が患者を殺すじゃ、家族に迷惑かかるから、医者に身の振り方を決めさせる。もちろん兄妹は安全地帯を確保してから。

    第4回(1958年) 濡れた心
    登場人物の日記で構成される。殺されるべき人が殺されるのは後半。読み進めると、彼女が犯人だって気付く。
    女子高生の純粋な同性愛? って何? 女子高にありがち、みたいな? 男性作家の女子高妄想だから、結局、愛欲のもつれの殺人事件。今だったら、週刊誌ネタだよ。前途洋々の医学部めざす女子が、何故そこでつまづく? のは、しっかりしてるったって、まだ10代だもん。両親も兄も頼れず、だしムリだよ。医学部入れたってお金ないから先ないよ。週刊誌ネタだ。
    って、典子もジュリも作者の憧れ、って・・・ 男性作家の妄想の女性像って、むかむかする。 そんな女いねーよ。直木賞とったらしいから、覚えていたら読む。

    1950年代。昭和まっさかり。まだバブルなんて言葉もなく。

  • 再読。
    「猫は知っていた」(1957年刊行)
    第3回、小説としては初代江戸川乱歩賞受賞作。
    仁木兄妹が下宿した個人病院で起こる事件を推理する話。
    10代の頃に読んで、春の陽射しのようなとてもいい印象が残っていた。
    読み返してみれば、動機を始め決していい話ではないのだが、ごく普通の仲が良く素朴な兄妹探偵のおかげか。
    平易な文章、あくせくしない時代のやりとりが好ましく、トリック云々は古さを感じるものの充分に面白かった。

    「濡れた心」(1958年刊行)
    第4回江戸川乱歩賞受賞作。
    日記・手記形式。
    女子高生の純粋な同性愛を中心とした殺人事件。
    こちらは会話などがかなり時代を感じさせる。
    トリックはいいのだが、担当刑事の間抜けぶりに、犯人探しとしては成り立っていないように思う。

  • 図書館にて借りました。

    漫画パスルゲームハイスクールの野間美由紀先生がお勧めしてらして借りました。

    兄と妹のペア探偵モノ。
    タイトル通りのトリックが良かった。

  • 中古の初版帯(宮部みゆき推薦文)付きがプレミアなのにワロタ。昭和30年代前半に書かれたのに多岐川恭「濡れた心」は古びてなくて面白かった。同年「落ちる」で直木賞。創元推理文庫で復刻された旧作探して読みます。

    仁木悦子「猫は知っていた」は昭和の頃に読んだので再読しようと思ったのですが図書館の期限切れの関係で今回は再読できず。

    二人とも再評価と復刻がされて欲しいんだがな…。講談社と推協も宮部さんに巻末エッセイと帯を依頼する辺り、多岐川先生再評価シフト組んでますな。

  • 猫は知っていた・・・にゃんにゃんおかわいいお。
    濡れた心・・・同性愛(女性)は認める。

  • 江戸川乱歩賞
    (収録作品)「猫は知っていた」仁木悦子(1957/3回)/「濡れた心」多岐川恭(1958/4回)

  • 江戸川乱歩賞全集第2巻。
    第3回、第4回の乱歩賞受賞作が収録されている。

    ・猫は知っていた     仁木悦子
    正統派の本格ミステリー。
    日本のアガサ・クリスティと言われるのもうなづける。
    トリック自体はやや甘いところもあるように思うが、殺人の動機などに独創性(当時としての)を感じる。

    ・濡れた心         多岐川恭
    やや純文学よりなミステリー。
    恋心などを日記という形式を通して繊細に描いており、純文学としてもそれなりに評価できるものだと思う。
    推理小説としては、選考委員の評価が良くないのもうなづける。
    トリックが必ずしも導きえないものだと思う。

  • ミステリー。
    「濡れた心」はちょっとついていけない展開でもある。

  • 「猫は知っていた」仁木悦子シリーズの最初の長編。まあ、ちゃんとしたミステリという感じ。それ以上の面白味は特にない気が。しかし動機がどう考えても「?」。ていうか無理がある「濡れた心」なんかエロチックな百合ミステリだった。個人的にはわりと好き

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著者プロフィール

1928 - 1986。小説家。ミステリーや童話を手がけ、1957年に長編デビュー作『猫は知っていた』で江戸川乱歩賞を受賞。明快で爽やかな作風で、「日本のクリスティー」と称された。1981年には「赤い猫」で日本推理作家協会賞を受賞。無類の猫好きとして知られる。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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