文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.85
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本棚登録 : 16436
感想 : 1760
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  • Amazon.co.jp ・本 (630ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062638876

作品紹介・あらすじ

この世には不思議なことなど何もないのだよ-古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。東京・雑司ケ谷の医院に奇怪な噂が流れる。娘は二十箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。文士・関口や探偵・榎木津らの推理を超え噂は意外な結末へ。

感想・レビュー・書評

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  • 【ミステリーレビュー400冊目】この世に不思議なことなど何もない… でも不思議な物語 #姑獲鳥の夏

    ■はじめに
    新本格以降の国内ミステリー作家は一通りかじってきたのですが、ずっと読まずに温めていた京極先生。なので実は本作も初読みなんですよね。最新作『鵼の碑』も発売されたことですし、よいきっかけなので手に取ってみました。

    まぁ読まずとも名作というのは知っていたんですが、実際に読んでみたら目ん玉が飛び出ました。いままで世界観がスゴイ作品ですね~と気軽に言ってましたが、本書こそ、その形容がふさわしい。とんでもない読書体験がそこにありました。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    京極堂と関口、二人の語らいシーンが、もうたまらんす…
    小説で重要とされる序盤シーンで、ただただ二人がしゃべってるだけなんですよ。なのに、京極堂の含蓄ありまくり名台詞の数々で、あっという間に物語の虜です。

    京極堂から放たれるウンチクは、妖怪奇譚や民俗学などの厚みのある知識にも圧倒されますが、さらに量子力学や仮想現実など、現代テクノロジーとの関係性や考察も含めて語られていく。しかも理解がしやすいのがスゴくて、途中よくわからなくなっても、結局最後にはそれなりに腹に落ちるんですよね。
    特に、何のために生きているのか、心と脳と意識の違いなどは、ミステリーというより完全に哲学の世界。もうこれ大学の講義ですよね。

    徐々に物語の深みに入ってくると、一気に怪奇的で夢うつつな世界に包まれてしまう。映画のように、ぱっとシーンが切り替わって映像が目に浮かぶんですよ。もちろん文章を読んでいるだけなんですけど。
    そしてある場面で死の描写がされるのですが、これがリアルで怖かった… 死ぬ瞬間って、こんな感じなんでしょうね。

    本作にはいくつか大きな謎がありますが、その中でも私が一番シビレタのは藤野牧朗の行動原理。後半、周囲の衝撃的な事実と、彼の行動原理になったきっかけが明かされていくのですが、これが深すぎるんです。
    手塚治虫の火の鳥を読んだ時以来のインパクト。そして、確かに彼の取った行動は正解かもと思ってしまう。こんなカタルシスに浸ったのは久しぶりです。

    もちろん他の謎解きも切れ味が鋭いし、意外性も満点だし、納得感も高いし、しっかりミステリーです。伏線なんて、超エグイですよ。すとっーん!と、映像で脳に入ってくるんですよね。めいっぱい楽しませていただきました。

    文学性も高く、人生勉強にもなり、エンタメとしてもミステリーとしても高品質。死ぬまでには、シリーズ全部読み切りたいです!

    ■さいごに
    京極堂と関口、冒頭の会話。京極堂は世の中に面白くない本などは存在しないと語る。関口はその考えに納得がいかない。しかし事件が終わった終盤では、関口は漬物や新興宗教の経典など、興味もなかった本を読んで楽しさを知るんです。

    何でもない場面のように見えますが、この事件を体験した関口の成長を示唆していると感じました。現実に向き合い、そして我々人間の永遠のテーマともいえる「生きる」ということに対して、前向きに歩き始めている。

    何度も何度も、繰り返して読みたくなるような、生命力あふれる作品でした。

    • 土瓶さん
      autumn522akiさん、こんばんは~^^

      初京極夏彦ですか。
      おめでとうございます。
      と、同時に羨ましい。
      これから右肩上...
      autumn522akiさん、こんばんは~^^

      初京極夏彦ですか。
      おめでとうございます。
      と、同時に羨ましい。
      これから右肩上がりにおもしろくなるこのシリーズを堪能できるなんて。
      できることなら記憶をなくして、ってヤツです。
      そしておもしろさに比例して本の厚みも増していきますよ~。
      手首は鍛えておいてください(笑)

      あ、京極夏彦さんはこの百鬼夜行シリーズだけでなく、巷説百物語シリーズや、「嗤う伊右衛門」などの江戸の怪談シリーズも超おもしろいです。
      お勧めです。
      2023/10/25
    • bmakiさん
      記念すべき400冊目に京極先生!!
      素晴らしい(*^▽^*)

      このレビュー、身体中に染み渡りました!

      深みにハマってしまいまし...
      記念すべき400冊目に京極先生!!
      素晴らしい(*^▽^*)

      このレビュー、身体中に染み渡りました!

      深みにハマってしまいましたね。
      もう抜け出せなくなりますよ。

      頭の悪い私でも、この物語は再読するほどの面白さ。


      私ももう一度京極堂読み直したいです(*^^*)
      2023/10/25
    • autumn522akiさん
      >fukayanegiさん
      こんばんはです!お祝いコメント、ありがとうございます^^
      あはは、何せ大げさに言うのが得意なもので、でも面白...
      >fukayanegiさん
      こんばんはです!お祝いコメント、ありがとうございます^^
      あはは、何せ大げさに言うのが得意なもので、でも面白いですよね。

      本作はたぶん何度読んでもその都度楽しいし、何歳で読むかによっても受け取るメッセージも変わってくると思います。ということで、fukayaさんも再トライ!

      >土瓶さん
      こんばんは~、ありがとうございます!
      そうなの、初めて読むんです。ま、本棚には積読が何冊もあるんですけどね(汗

      正直予想以上でしたね、レビューにも書いたのですが「火の鳥」を初めて読んだ時のような感覚。世界に没頭しちゃうんですよね。人生の教科書のつもりで読んでいこうと思います。

      他のシリーズも気になる~情報ありがとうございます^^

      >bmakiさん
      こんばんわ♪ お祝いありがとうございます~
      確かにヤバいですね、これは。沼っちゃうの、超わかります!

      他の作品もじっくり楽しみたいと思います。
      2023/10/25
  • 「姑獲鳥の夏」京極夏彦さんデビュー作。瑞々しくないタイプの新人さんでしたね。最近、メフィスト賞作品って、面白いのでは、と今更気が付いていました。そして、京極さんの持込がこの賞の創設のきっかけだとのこと。知りませんでした。土瓶さんごめんなさい。甘くみてました。

    百鬼夜行シリーズは、長丁場になりそうなので、覚書。
    ⚪︎中禅寺秋彦 
     古本屋「京極堂」店主 「武蔵晴明神社」宮司
     ⚪︎妻 千鶴子 和菓子屋娘 
    ⚪︎関口巽
     小説家 中禅寺友人 対人恐怖症 鬱
     ⚪︎妻 雪絵 
    ⚪︎榎木津礼二郎
     「薔薇十字探偵社」探偵 中禅寺と関口の先輩
    ⚪︎木場修太郎 
     東京警視庁 刑事 榎木津幼馴染 関口同部隊
    このあたりの方々が、ずーっとご登場かと思います。

    物語の根底には、日本の妖怪談があります。しかし、それに惑わされて愉しまれるのは当然ですが、緻密な科学的な(多少無理はあると思っている)ミステリーに仕上がっています。
    冒頭で100ページあまりの京極堂こと中禅寺の多岐に渡る蘊蓄を読破してからでないと、今回の本題に入っていけません。しかも、そこが作品の根幹をなしそうなので、読み飛ばすわけにもいきませんがません。結局「この世には、不思議なことなど何もないのだよ。」というところです。

    中禅寺は陰陽師でもある、という設定は魅力的ですね。私も陰陽師は気になっている一人ですから。
    土御門家の天文観察の展示会で、家の掟や職札の展示もあり、江戸時代まではかなり陰陽道それぞれの流派でも秘密が多かった様子。夏彦さんは、どのくらい研究なさっているか楽しみです。

    先は長い。

    • 土瓶さん
      あいよ。
      無事なら良し。
      あいよ。
      無事なら良し。
      2023/07/07
    • 傍らに珈琲を。さん
      おびのりさん、こんばんは!
      お返事有難う御座います♪
      そして土瓶さん、こんばんは!
      お声掛け有難う御座います♪

      私が京極堂にハマったのは2...
      おびのりさん、こんばんは!
      お返事有難う御座います♪
      そして土瓶さん、こんばんは!
      お声掛け有難う御座います♪

      私が京極堂にハマったのは20代、社会人に成り立ての頃だったでしょうか…。
      朝の通勤時は日経新聞、帰りは京極堂、そんな日々でした。
      重っ!と重いながらも、あの分厚さでさえ演出のうちなのだろうと、重みが嬉しかったのを記憶しています。
      おびのりさん、どうぞゆっくりじっくり浸って下さいませ♪

      そう言えば、京極先生の新しいシリーズが始まっていたのですね。
      書楼弔堂。
      すっかりノーマークだったので、もう文庫化もされていて。
      あぁ、また自宅の積ん読山の標高が高くなる 汗
      あちこちで同じ事を言っているのですが、読みたい気持ちに読了スピードが追い付かないので困ったものです。

      土瓶さん。
      「どすこい」は出オチとのお言葉に笑ってしまいました。
      そうですね、まさにそのような感じです。
      それでも当時は、「どすこい」の面白味が分からないなんて、
      私もまだまだなのかしら?等と思ってみたりしたものです。
      そして、私が辛うじてただ1つ挙げた「姑獲鳥の夏」のレビューを見付けて"いいね"を下さって、有難う御座います!
      それから、フォローさせて頂いても宜しいでしょうか?(というか、しちゃいますが。)
      今後とも宜しくお願いします♪
      2023/07/07
    • 土瓶さん
      傍らに珈琲を。さん。おはようです^⁠_⁠^
      ありがたくフォロー返しさせていただきます。
      今後ともよろしくしてください\⁠(⁠^⁠o⁠^⁠)⁠...
      傍らに珈琲を。さん。おはようです^⁠_⁠^
      ありがたくフォロー返しさせていただきます。
      今後ともよろしくしてください\⁠(⁠^⁠o⁠^⁠)⁠/
      2023/07/08
  • 京極夏彦小説に挑戦。ブク友の土瓶さんにオススメを教えていただき、課題図書となった。
    この世界観が好きどうかはまだ分からないけれど、展開が面白く忘れられない。京極堂のキャラが好き。

    序盤は脳科学とか心理など難しい話が続くが、中盤の京極堂による憑き物落としやらで事件の真相が判明していくのが面白い。
    同じ女なんだけど、女って恐ろしい。でも可哀想。娘として女として母として…心の持ちようによっては何にでもなれてしまうものなのかもと涼子さんにちょっと共感した。それにしても梗子と涼子姉妹の名前がややこしいことよ。
    あと舞台となった家の呪いの存在。最初に吹き込んだヤツと洗脳されたヤツ、本気で信じているヤツが一番悪い。
    また読んでいて現実と幻想!?が入り交じるので、重苦しい感覚がした不思議と、ひゅるるるるる〜とか、ひえぇぇぇぇぇ〜と風や人の声のような静かでかつ不気味な音、また時には爆風が聞こえてくる体験をした。

    小学生の時の不穏な出来事を思い出す。
    当時住んでいた家の近くの3階建ての昭和の廃墟ビル。そこに足を踏み入れると二度と外に戻れないという…。親も「絶対にあそこには近づくな」と言う。このビルには何かあると信じていた。
    「今誰かが入って行ったらしい」と聞けばすぐに駆けつけ、小学生の野次馬が集まった。一度入るとなかなか戻ってこない。待ちきれず野次馬もぱらぱらと散っていく。その後誰も結末を知らないし語らなかった。──(完)
    京極堂がそんな私たちを見たら嘲笑うだろう。「君たち、不思議なことなど何もないんだよ」と言って。
    Googleマップで確認してみたらこのビル、まだ残っていた。割られた窓ガラスは直され、人が使っている模様。緑色のレンガ造り風の外壁は今も変わらずそのまま。恐ろしい場所なのに、ああ…なぜか懐かしい……。

    • なおなおさん
      くまさん、コメント欄使いにくいですよね。
      自分のレビューや皆さんからいただいたコメントを確認しながら投稿できない(;_;)
      確認したくて下に...
      くまさん、コメント欄使いにくいですよね。
      自分のレビューや皆さんからいただいたコメントを確認しながら投稿できない(;_;)
      確認したくて下にスクロールし過ぎると、これまで入力した内容が削除されてしまうし。
      なのでコピペ操作しながらやっております。

      Googleマップ車、くまさんのおうちを引き返すとは失礼なっ!笑
      この機会に調べてみたら、車の他、バイク、徒歩用(専用メットを被って歩くんですって笑)があるようです。
      2023/01/30
    • なおなおさん
      みんみんさん、Googleマップの人が出てくるのは"ストリートビュー"機能のことです。
      確認したい所(道)を長押しタップすると現れます。
      パ...
      みんみんさん、Googleマップの人が出てくるのは"ストリートビュー"機能のことです。
      確認したい所(道)を長押しタップすると現れます。
      パソコンのGoogleマップだと、過去も見られるのです。例えば10年前のこの場所はどうだったのよ?…なんてのも調べられます。面白いですよ。
      あと投稿もできるらしいです。
      2023/01/30
    • みんみんさん
      なおなおさん♪ありがと〜!
      ちょっと遊んでみます\(//∇//)\
      なおなおさん♪ありがと〜!
      ちょっと遊んでみます\(//∇//)\
      2023/01/30
  • これは間違いなく日本ミステリ界の歴史的名作のひとつ。

    度重なる改版の中でブラッシュアップされた面ももちろんあるだろうが、デビュー作にしてこの完成度は驚異でしかない。
    いきなり始まる関口と京極堂の認知を巡るそこそこの分量の議論なんて、新人作家が仕掛けるオープニングとして大胆にも程があるし、ここぞのところで響く風鈴の音がもたらす間と余韻による空気の引き締めなど技あり。
    その風鈴の音と「この世には不思議な事など何もないのだよ」のキラーワードが終始意識を捕まえて離さない絶妙なストーリーテリング。

    京極堂の語る小難しい理屈は分かったような分からなかったような気にもなるけど、たぶんそこにこそ魅力を感じるファンもいるだろうし、生半可な理解だったとしても十分に楽しめる内容。
    色んな挿話がちゃんと事件の背景を構成していて、後で回収されたり、雰囲気を高めたり、それがどうした?みたいなところが殆どない。
    唯一、関口と涼子の過去だけが朧げにしかわからなかったけど、それがまたこの本を読み終わった後の談議ポイントとなるのか、そこまでつまびらかにするのは無粋、という境界線ということなのか、いずれにしろ読み終えてなお記憶へのしこりを残す。

    と凄いなー、と言葉を並べ立てた後にwikipediaで京極さんのページを見ると、「暇な時間に会社でなんとなく書いた作品」との来歴情報が。
    !?
    これがなんとなく書いた。。。
    どんな才能なんだよ。

    次は『魍魎の匣』。
    絡新婦ぐらいまでは読んでた気がするが、全く記憶にない。。

  • 読む隕石。
    京極夏彦はグランドマスターである。
    と帯にある。その通りの作品でした。

    病院の娘が二十ヶ月間身籠ったままで、その夫は密室から消えて失踪
    古本屋であり陰陽師の"京極堂"という男が事件と病院に隠された呪いに迫る。

    なかなかの厚み(約620P)
    事件の話を持って来た関口さんとのやりとりからはじまり「会話が多いからわりとスラスラいけるかな?」本の厚みはこういうことか!なんて納得しようとしたのが愚かでした。

    現実に対する「記憶、意識」それがどれほど曖昧か不確かなのかを解く会話なので、後々関係してくると察知しコレがなかなか面白いが少し長く感じ不安になる(占星術殺人事件を読んだので、ここらへんの長さには少し免疫がついてる。)
    想像していたのは「京極堂が事件をパッと解決する」だったのだが、なかなか腰を上げるわけでもなく、その分他の探偵達(心霊探偵?見ただけでその人、場所の過去を見ることができる榎木津や、やや荒っぽい警察官の木場)が出てきて、なかなか飽きない。
    しかも、京極堂の本気モード入ってからのシーンは張り詰めた空気感が伝わってきて痺れました。

    解決に至るまでは怒涛で
    集中して、ページをひたすらめくってました…

    で、やはり最初の関口と京極堂の会話
    これが効いてくるし、会話した後の関口さんが「現実と仮想の認識によって、自分自身の存在を疑う(ぐらつく)」それと同様に読んでいる側も大きく揺さぶられ「全て何が真実なのかわからなくなる」そんな呪いをかけられた状態で進む。

    コレはシリーズ全て読んでみたい。

    発表当時に賛否が分かれた点については、後で少し調べてみよう。

  • 20箇月間もの間身籠っている妊婦がいること、そしてその亭主が密室から忽然と姿を消したこと。奇妙な噂を耳にした文筆家の関口は、友人である古本屋の店主、京極堂の元を訪れる──

    ※※※

    再読。うーん約15年ぶり?もっとかな?
    百鬼夜行シリーズの1作目で、発刊当時にはその内容の是非が話題になったとかなんとか。

    前回読んだときにはなぜかそこまでハマれず、2作目以降未読なのですがこの度なんとなく気になって読み返してみたらめちゃくちゃ面白かったー。
    なので続刊も読む気まんまんで「魍魎の匣(はこ)」もすでに準備しております。ほんまに箱なの…?てぐらい分厚いけど!

    表紙はがっつりホラー感あるんですが、実際にはしっかりミステリ。でも民俗学的要素もはらんでいて、そこが少し不気味な雰囲気を醸し出している。

    前半の京極堂と関口くんの心と脳と意識についての会話、まだるっこしくて小難しいんですが、すごく興味深かったです。小難しいけど!そしてしっかり後半の謎解きに絡んでくる…。

    昭和初期の時代がかった語り口調や雰囲気、あと語り手の関口くんの自分を見失い具合(笑)も相まって、本当に作品の中に入り込んでしまったような没入感の強い作品でした。
    語り手が虚実の区別ついてないってかなり禁じ手な気もするけれど、それがこの作品の味なのかな。2作目以降も楽しみです。

    • 土瓶さん
      mochimochiさん、こんばんは~^^
      わかります。
      同じでした。
      私も初読みのときは「ふ~ん」ぐらいの感想だったんですが、なんか気にな...
      mochimochiさん、こんばんは~^^
      わかります。
      同じでした。
      私も初読みのときは「ふ~ん」ぐらいの感想だったんですが、なんか気になって再読したら最高でしたね。

      なんででしょう?
      1度目では理解が追いつかないのかな?

      さすがに15年も空けてませんが(笑)

      「魍魎の匣」は、どう控えめにいっても、「姑獲鳥の夏」以上です。
      あ楽しみに(⁠ノ⁠^⁠_⁠^⁠)⁠ノ♪
      2022/12/03
    • mochimochiさん
      土瓶さんこんばんは〜!
      コメントありがとうございます♪

      おっ土瓶さんもそうだったんですね。
      私は2回目でも若干理解が追いついてない感ありま...
      土瓶さんこんばんは〜!
      コメントありがとうございます♪

      おっ土瓶さんもそうだったんですね。
      私は2回目でも若干理解が追いついてない感ありますが(なんせ15年ぶりで記憶が)、なんでしょう好みが変わったのかな。
      耽美で不気味な世界観、かなりツボでした〜!

      魍魎の匣はこれ以上かぁ~楽しみですଘ⁠(⁠ ⁠ˊ⁠ᵕ⁠ˋ⁠ ⁠)⁠ଓ⁠
      2022/12/03
  • 鈍器本なんで、少し敬遠してたんですけど、新作が発売された記念にチャレンジしてみました。

    なにこれめっちゃ面白いやん!!! 序盤の京極堂と関口君の蘊蓄会話も面白いし。それぞれのキャラクターも濃くて良かった。
    ミステリ部分はかなり、めちゃくちゃトンデモトリックだと思うんですが(そもそもトリックなんか...?)それを無理矢理納得させられるぐらいの説得力があった。
    作者の京極夏彦はこれを30歳前後で執筆したとのことで...いやぁ凄い

  • 書店で平積みされてた鵼の碑を見て、その分厚さと表紙に惹かれて興味を持ち、シリーズの一作目を読んでみようと思いました。

    姑獲鳥の夏を手に取った時、表紙と1ページ目に写る顔の美しさと怖さがなんとも魅力的で、その瞬間から物語に引き込まれていくような感じがしました。非日常的な世界観・翳りの見える登場人物・深くて重苦しいミステリーが組み合わさって、全体的に怪しげで奥行きの深い雰囲気が物語に漂ってます。その感じに癖になりそうで、作者に心掴まされそうです。次作の魍魎の筺とても楽しみです。

  • 私、大変な勘違いをしておりました(´・_・`)

    タイトルから推測するに、ホラーだとばかり…。
    ややホラーですが、完全なミステリーでした。

    とうとう手を出してしまった百鬼夜行シリーズ٩(๑>∀<๑)۶


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    この世には不思議なことなど何もないのだよ――古本屋にして陰陽師(おんみょうじ)が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第1弾。

    東京・雑司ヶ谷(ぞうしがや)の医院に奇怪な噂が流れる。娘は20箇月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪したという。文士・関口や探偵・榎木津(えのきづ)らの推理を超え噂は意外な結末へ。

    (Amazon 作品紹介より)


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    え〜、ワタクシ、これから読もう!とする本は興味さえあれば内容をあまり調べず、下手をすればタイトルや装丁だけで読んでしまう悪いクセがありまして。

    その上このシリーズは、Twitterのみんな大好き鈍器本として超有名。

    まず『姑獲鳥』から、妖怪?怪異?を連想しました。

    次に『夏』から「今が読み時」「ホラー」を勝手に連想しました。

    故に『姑獲鳥の夏』は『ゲゲゲの◯太郎』のような、妖怪大戦争的な人外と陰陽師(ここは知ってた)との壮絶なバトルファンタジーものかと勝手に推測しておりましたっ…!

    大変申し訳ありませんでしたっ(。>﹏<。)

    半分まで読んでも、
    「いやぁ〜、まだ姑獲鳥出てこないなぁ…」

    3分の2まで読んでも、
    「おぉっ、これからバトルかっ?
    でもまだ姑獲鳥出てこないなぁ。
    なかなか焦らすねぇ〜」

    などと、心の中で訳の分からないツッコミをしていた自分が恥ずかしい……(-∀-`; )

    姑獲鳥を題材にしたミステリーでした^ ^

    私の今月のホラー、ホラーミステリー小説を読む!という趣旨から、こちらはホラー要素のあるミステリー枠にハマるかなと…(^_^;)

    でも、全然怖くないです。
    めちゃめちゃ面白かった!!

    まず、個性的なキャラ達。

    京極堂は眩暈坂を登った先にある古書店。
    そこの主が、中禅寺秋彦。
    普段、京極堂と、屋号で呼ばれる。

    彼は、
    「この世には不思議なことなど何もないのだよ」
    と言い、全ての現象を証明していきます。

    話し方が一癖あるのですが、言ってる事に無駄がない。
    最後には必ず最初の話と関連付いていて、とても分かりやすいです。

    彼の言う
    「この世に面白くない本などはない」
    と言う持論が好きです^ ^

    榎木津礼二郎は「薔薇十字探偵社」の探偵。
    旧華族の家柄の出。

    彼も京極堂と並ぶ個性的な人物で、人には視えないものが視える。らしいですよ。
    これについても京極堂はちゃんと納得できる説明してくれます♡

    他にも主人公の関口や京極堂の妹、刑事の木場など頼もしく有能な方々が出てきます。

    次に何が面白いって、会話の内容が濃い。
    本筋の内容も勿論面白いのですが、私はこちらにとても魅力を感じました。
    冒頭から、主人公関口と京極堂の会話に聞き(?)入ってしまう。
    人を馬鹿にした口調を除けば、京極堂と行きつけのバーで飲みたい♡と思わせるおじさまだ。

    いや、バーは行ってくれない。居酒屋かなぁ。いや、京極堂の奥の部屋で出涸らしのお茶か…(^▽^;)

    京極堂と関口の会話の一部、

    ーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ーーー見ていないところでは、世界の様相は果たしてどうなっているのか解らないらしい。
    (中略)
    観測した時点で性質が決定するのだ。(中略)
    ーーー観測をするまで世界は確率的にしか認識できないのだ。

    ーーーーーーーーーーーーーーーーー

    二重スリット実験やシュレイディンガーの猫などの有名な量子力学のアレですが、事件の関与も、観測した時点で未来が変わるのなら、何も知らずに解決した場合は、結果も違う…と。
    事件での干渉の事を考えた事がなかったので新鮮でした。SFではよく出てきますが。
    こうなると想像が膨らみますねぇ。
    楽しくなっちゃいます^ ^

    京極夏彦さんの作品は全部そうなのかな?
    科学的に説明してくれるから非常に分かりやすく、疑問が残らず凄くいい。

    呪いとは、洗脳や暗示など心理的なものです。
    分かっていても、ひょっとしたら…と思ってしまう。
    今月ホラーばかり読んでいるからか「呪い」のあれこれについていつもより考えた気がします(^_^;)

    この作品は全体的に、じっくり読みたい小説という印象。
    切羽詰まったような急かせかした感じは全くなく、ゆっくりじっくり味わう感じ。

    一つずつ丁寧に解決していって、ラストは綺麗に収束。

    限界を感じた時の人間てすごいですね…( ¯꒳¯ )。。。

    情報量が多いので、1冊読んだだけなのに5冊くらい読んだような満足感!!!

    シリーズ次巻は、傑作と有名の『魍魎の匣』だぁ!!
    文庫本の厚みを見ると、手をつけるのに怯んでしまう…^^;

    でも絶対読むぞ!!

  • 京極夏彦さんのデビュー作にして百鬼夜行シリーズの一作目。東京の医院の娘が20ヶ月も身籠ったままで、その夫は密室から失踪した。捜査を依頼されたクセあり探偵とクセあり主人公、そしてクセありまくりの古本屋兼陰陽師が事件の謎を解き明かす。

    姑獲鳥の夏はかなり面白いと聞いていたしSNSでも投稿されていたのでかなり期待して読んだけどもその期待を遥かに超える激オモシロミステリー作品!!さすがは京極さん!!面白すぎるやん!今作を読んで京極ワールドに夢中になってしまった!!

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

京極夏彦の作品

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宮部 みゆき
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