文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 12175
レビュー : 1523
  • Amazon.co.jp ・本 (630ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062638876

感想・レビュー・書評

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  • aの林檎はbの林檎ではない、に再度なるほど。(2015.12.14)

    見たいものしか見ない、見えているのに見えないこと、あると思う。この世には不思議なことなど何もないのだよ(不思議なものはある。オカルトと解釈)、の台詞がとても好き。

  • 京極夏彦との出会いがこの本で良かったと心底思います。

  • 京極夏彦はこれが初めてだったが、これでハマった。
    主人公の京極堂がウンチクを話すところがあるが、このあたりはあまりハマらないようにしないと、疲れてしまう。
    予想できない結末や、京極堂の推理力がすごかったり、読んで損はなかった。
    ちなみに本の厚さは鈍器(笑)

  • 面白かった!

    怪奇ともチョット違うと思います。
    呪詛や陰陽師 それに科学的なこと

    摩訶不思議と理論的な洞察力が合体し、
    本を放すことができませんでした。

    複数の探偵役が登場しますが、京極堂は凄すぎる!

    この小説が初めて描いた作品だなんて…

  • 強烈 の一言。
    ウィキぺディアで「レンガ本」として言われるだけあり、なかなかに分厚いです。
    ですがこの分厚さが京極シリーズの始まりであったことを、後々に思い知らされるのです。

    読み終わった後は分厚さから来る重さで達成感を感じました。
    面白い。わかりやすい。

    後日、京極夏彦さんが「暇だからこれを書いた」という事実を知っておっかなびっくりでした。
    暇だから書いたものが、本になるってすごい。

  •  メフィスト賞が出来るきっかけとなった本。
     物語を進めるのは関口で、彼が言うならばワトソン役だ。彼が曖昧であることで作品が長引き、雰囲気が陽炎のように見える。
     著者の小説は長いと評判だが、それも読んでいくと長い理由が分かる。この小説のタネは非常にシンプルで、見えればそれで終わりなのだ。それを単純に見せないために周りを理屈で固める。著者は妖怪のことをドーナッツの穴だと言っていた。ドーナッツの穴は本来、何もないものだが、周りにドーナッツが出来ることでそこに穴が生まれる。この穴が妖怪で、周りが情報なのだ。この小説も、この情報を作って、穴を見せるために長々と書いている。おかげで、この小説は安っぽくは見えない。見事な構成力だ。
     京極堂が語ることは、全て物語に繋がっている。偶然はこれだけではない。藤牧と梗子の性交渉への齟齬。涼子の性的虐待と憑きやすい体質。久遠寺のしきたり。無頭児。それらが姑獲鳥の話につながる。これだけを書くと偶然が重なりすぎているように見えるが、それを感じさせないための長い文章なのだ。そして、京極堂の憑き物落としのように、長い文を読むことで、我々にも姑獲鳥というものが分かるようになっているし、ラストの憑き物落としの内容が理解できる。憑き物落としとは、登場人物だけではなくて、読者にも適用されている。それは著者の手によるものだ。
     涼子が産んだ子が関口の子ではないかという話がある。それは違うかなと思う。関口が、あの場面で勃ったとは、そして果てたとは思えない。鬱の人は勃ちにくいに、それに関口は幻視、妄想が多いのは本書で明らかだ。
     戦後の情景が鮮やかに浮かぶのは、舞台が限定されているからだろう。そこまで場所を移動していないので、京極堂の語りが好きなら長いわりに読みやすい小説だ。

  • 当初は妖怪ミステリかと思って読んだ本作であるわけだが、現実と仮想現実の狭間で起こった、怪異譚というよりはSFめいた印象の受けるミステリだった。俗に言う正体不明の怪異と違い、怪異の成り立ちが面白く、科学では解明できない環境としての要因、それによって起こる現実との齟齬を謂わば怪異と定義し、その二つに筋道だった論拠を示す「憑き物落とし」と称する探偵術は非常に斬新である。呪術的な民俗学方面からアプローチを行いつつも、決して荒唐無稽はでなく、描かれているのは精緻で論理的なミステリである。事件とその結末事態に割いた紙幅は意外と短く、正直300頁程度でも十分だとは思うが、この、やや冗長にも感じる語り口がなければこの世界観は把握できないだろう。ぱっと見は陰惨かつ単なる怪奇事件に映るかもしれないが、関わる人間の認識を歪め、常識で支えられた世界を根底から覆してしまうかのようなスケールの大きさがあり、現実感を失認するからこそ、後の京極堂の憑き物落としが生きてくるわけである。「この世には不思議な事など何もない」というのはまさに言葉通りで、怪異に逃げず、かといって事件が怪異を偽装しているわけでもなかったというのが一番の特徴だろう。まさに認識の違い、現実と仮想現実の事件であり、読んでいて不安感で足元が喪失したかのようになるミステリは初めてである。それでも冗長であるため、好みとしては少しズレるのだが、傑作であるとは思う。

  • H30.09.05 読了。

    とにかく長かった!
    というのが第一なんだけど、長くてしんどいかも、と思うのは読み始めだけで、読んでいくと面白くて全然苦がないのが不思議。
    今年読んだ小説の中でもぶっちぎりな面白さ。

    どんな話かを説明するのが難しいくらい複雑なミステリーなのに、複雑に感じないし、謎が解けていく様がまさにパズルが埋まっていく感覚。
    進めば進むほどスッキリしていく。

    この話を持ち込んでデビューとか天才かよ。
    おすすめのミステリー小説で必ずと言って良いほど挙がっている『魍魎の匣』も読んでみたい、というか読む。

  • いままで食指が動かなかった作家さん。
    「ルー=ガルー」だけ読んだけど、全然わからなかった笑

    で、今回、やっと読んでみることに。
    半分くらいまでは、うんちく?がクドクドしていて読むのがつらかった!
    でもそこを乗り越えたら、ぐいぐい引き込まれた!!
    続きも読んでみよう。

  • ずっと読みたかったので読みました。京極堂シリーズということはふわっと知っていたのでもっと京極堂が出張るのかと思いきや、語り部は関口くんだったのね。またこの、信用のできない語り部のおかげで読んでて惑わされまくりでした。あと京極堂めっちゃ喋る。もう京極堂が喋るとずっと京極堂のターンでちょっと笑ってしまった。関口くんはポンコツ愛されキャラでとてもよかったです。話の展開がこれはもしや?と予想できることと予想できないことがあって、ラストは一気に読みました。次も楽しみー!

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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