文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 12114
レビュー : 1522
  • Amazon.co.jp ・本 (630ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062638876

感想・レビュー・書評

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  • この季節に最高のミステリー・ホラーですね。
     エアコンいりません(笑)
     京極夏彦さんのテーマとして
    「土着信仰」と「論理的な現代科学」と「人の心の不思議」を議論で戦わせ、
    ありえないことを「ありえる」と証明しながら、
    最後の最後は、やっぱりありえない世界にいく…という。
     いや、ありえそうだからありえない。
     ありえなさそうでありえる。
    だから、背筋がぞぞーっとなるのですよね。

  • すごいなぁ、京極夏彦。
    この世界観は、ちょっと他にないと思う。

    出だしのやりとりは長いが、この物語のためには必要不可欠なルール説明であり、前フリだった。
    ウブメをただの怖がらせ道具で終わらせることなく、その成り立ちや性質をストーリーに見事に絡めたのも見事。

    見えるべきものが見えなかったというオチにはアンフェアだと感じる人も多いようだが、最初の長大な説明や榎木津のストレートな台詞など、ヒントもしっかり出してある。それらを無視して語り手を盲信しながら読んでいくことこそ、「目の前にある物が見えない」ことに通ずるのではないかな。

    「トリックが納得いかない」という評もよく見るが、そもそも死体の件はトリックではない。涼子あたりが狙ってやったというならもちろん納得いかないが、そうではない。意図的に死体を隠そうとした者はおらず、現に隠されることもなく、そこにあった。あるのに見えないという現象が実際に発生したから、その謎について京極堂が解を導き出した。その解の伏線は、本編内のあらゆるところに散りばめられている。


    全体として、謎解きを楽しむというよりも、解が明かされた時に伏線と結びつけることで興奮を味わう小説だと思う。
    何を期待して読むかで、評価は大きく割れるのだろう。私にとっては傑作の域だった。

  • ★4.0
    何故か夏に読みたくなる1冊で、もう何度目か分からないくらいの再読。蘊蓄を語らせると止まらない京極堂、見るもの全てに惑わされる関口、奇想天外・傍若無人な榎木津等、個々のキャラクターが本当に魅力的。そして、オカルトちっくな雰囲気を醸し出しながら、「この世に不思議なことはない」と現実的(時に強引)な解決を見せてくれるストーリー運びも個人的には大好き。骨壷の中の干菓子、塀の中の墓地、書斎の中の死体、その中にある対象を認識するまでの不安と、認識をしていても感知しない視覚。うん、やっぱり面白い!

  • 精神が乱れると百鬼夜行シリーズを読みたくなる。関口くんと自分が重なって、大丈夫大丈夫関口くんだって頑張ってるんだしって思うからかもしれない。
    民俗学から脳と精神の話からミステリから、とにかく情報量が半端ない小説なので自分の身の回りの雑多なことを忘れさせてくれるのもいい。

  • 再読
    読んだことを忘れてもう一度何も知らない状態で読み直したい、という本がいくつかあるけど、これもその一冊。
    初めて読んだ時の衝撃が忘れられない。

    途中までは長い講義があるけど、挫折しちゃだめ!中盤で混乱した頭が、最後には解されて整頓されてはあーっと溜息がでる、心臓がばくばくする本です。

  • 2015.1/29〜2/5。なかなか手を出せずに積んでいたが、ようやく読了。序盤の解説やらは少々斜め読み。半分を超えた辺りからページが進む進む。わくわくしながら読んだのは久しぶりかもしれない。

  • ノベルス版以来、約20年ぶりの再読。ミステリを含むあらゆるフィクションを忌避していた自分に小説の面白さを知らしめてくれた(まさに憑き物が落ちたかの如く!)記念碑的作品でもある。当時はあまりの面白さに頁を捲る手が止まらず一晩で読んでしまったので、今回は時間をかけて熟読玩味するつもりだったが、結局2日で読了。シリーズの最高傑作を問われれば迷わず次作『魍魎の匣』を挙げるが、読み手を物語に引き込む求心力はこっちのほうがずっと上。それは多分、これが語り手である関口自身の物語でもあるからだろう。あと榎木津サイコー。

  • 初めて読んだのは高校生の時でした。凄く分厚つくて飽きてしまうのかなと思ってましたが・・・サクサクと最後まで読んでました。いつしか、学校まで持っていくくらいハマってしまいました。設定がとても細かく、登場人物が本当に個性的で実際に会ってみたいと感じました。

  • こんな怪奇な話にどういう結着をつけるのか気になり、
    600ページ超あるのも気にならないくらい夢中で読んでしまった。
    ものすごい知識量を持って書かれているのがよくわかる。

    自分が見ていると思っている世界のなんと頼りないことか。
    心霊的なものじゃない部分でゾッとした。

  • 禁断の扉を開けてしまった気分です(笑)。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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