孟嘗君(5) (講談社文庫)

  • 講談社 (1998年10月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784062639057

作品紹介・あらすじ

嘗邑(しょうゆう)を与えられた孟嘗君・田文(でんぶん)は、「天下万民のための宰相たれ」との孫びんの遺言で斉を出る。魏に乞われて宰相となり、斉にもどって宰相をつとめ、更に秦に赴くが、そこで生涯最大の危機を鶏鳴狗盗(けいめいくとう)で切りぬける。激しい争乱の世と、人間を愛して生きた戦国の名宰相にして中庸の思想を体現した大器を描ききった、感動の歴史ロマン。全5巻完結。(講談社文庫)


嘗邑(しょうゆう)を与えられた孟嘗君・田文(でんぶん)は、「天下万民のための宰相たれ」との孫びんの遺言で斉を出る。魏に乞われて宰相となり、斉にもどって宰相をつとめ、更に秦に赴くが、そこで生涯最大の危機を鶏鳴狗盗(けいめいくとう)で切りぬける。激しい争乱の世と、人間を愛して生きた戦国の名宰相を描ききった、感動の歴史ロマン。全5巻完結。

感想・レビュー・書評

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  • 宮城谷昌光氏の『孟嘗君』全5巻読了。

    ずいぶん経った後の再読だった。
    当時の自分が、宮城谷氏の一連の春秋戦国時代物を貪るように読んだ時のことを思い出していた。
    「歴史」は人が作る。
    歴史として現れている事がらに、人の思いを載せて作る物語が、読む人の心を打ち、明日の勇気を得たこと。

    〈好物〉としか言いようがない読書経験をいただき、幸せとしか言いようがない。

    さて「孟嘗君」は「戦国四君」では「鶏鳴狗盗」のエピソードもあり最も有名だが、そこまでに至る生い立ちに焦点をあてつつ、戦国末期の様相を鮮やかに浮き立たせたところが、大長編にも関わらず一物語に没入することができたのだろう。

    この物語に登場した他の人たちの物語へつないでいくと、また独特の世界観を味わうことになる。

    他の物語もこれから再読のお世話になるだろう。

  • 孟嘗君は食客に恵まれ、人に恵まれた。斉、魏、秦の宰相として大きな力をふるったのは人生の中年を過ぎた頃、と大器晩成の宰相として本当に人から評価されるようになったのは若い頃養父と実父に育てられ、いろんな人に会うことで人を見る目を養ったからだろう。

  • 孟嘗君だけでなく、白圭のような大人のかっこよさ。一つ目指していくべき指標だと感じた。
    孟嘗君の食客への接し方は現代の組織にも通ずるところがあると思う。
    人によって態度を変えない。月並みな言葉だが実行し続けるのはなかなか難しい

  • ◯助けてくれた人に礼をいうより、助けてあげた人に礼をいうものだ。(292p)

    ◯戍よ、長生きせよ。人が生きることはたいへんなことだ。そのたいへんさがわかって生きることは貴い(293p)

    ◯今日つくったいのちも明日にはこわれる。それゆえ、いのちは日々産みだすものであろう(293p)

    ★色々なことが凝縮された5巻。最後に思いがけない回収があった。

    ★それにしてもこの小説は、風洪(白圭)の魅力が際立った。

  • 宮城谷作品のベスト1。司馬遼太郎を読んで龍馬に憧れ、宮城谷昌光を読んで白圭に憧れる。田文ではなく。

  • 自分に全く馴染みのない戦国時代の話だったが、文章が非常に読みやすく、一気読み。
    難しい読みの名前や地名に、必ずページの最初に出てくる難読漢字にはルビが振ってるのが親切。

  • 白圭、田文といった登場人物が魅力的で一気読み。戦国の世で、仁義や調和を信念とした孟嘗君がとても魅力的だった。

  • 全5巻

  • 斉の君主の家に生まれながら、魏の宰相となり、斉の宰相となり、秦の宰相となる中庸の人田文。
    最後に出てきた馮緩が田文と洛芭の子だと暗示されるのもそうだけど、登場人物が濃密に関わり過ぎなところが、吉川英治っぽいなと思う。それは非現実的ではあるけど、フィクションとして面白い。

    五巻まで読んで、やっと少しずつ国と人が結び付けられるようになった。
    魏にいたのが龐涓や恵王や公子緩で、鄭両がいたのもここ。
    秦は最初に風洪が風麗たちを連れて行ったところで、孝公が公孫鞅に律令を作らせ、徹底的な法治政治が行われた。が、人情に欠ける国になり、宰相の孟嘗君を追って鶏鳴狗盗の故事を生んだのもここ。
    楚は他国と一線を画している感じ。秦に絶対的に敵視されている。詐りが多く信頼がない。
    周はかつての中心。白圭が商売で成功するのはここ。
    楚の屈原や、宋王に追われて田嬰と田文に守られた孟子、趙の胡服騎射など、国語や世界史で聞いたことのあるワードもちらほら。 

  • 請われて各国の宰相を歴任、という人物もさりながら、それを許容する国の懐の深さに驚かされる。
    COOやCEOがライバル企業にポンポン転職するようなもんだけど、世界目線だと、日本が異質なのかな〜、と考えさせられる。
    ついでに、5月5日生まれの子供は親殺し、という冒頭のエピソードは特にフックにならないんだー、という物語全体への素朴な驚きも。そして不思議と読了が5月5日。

  • 大国・小国が入り乱れる戦国時代を仁義をもって駆け抜けた孟嘗君。孟嘗君のような政治家は今の世の中に現れないものか。

  • おもしろい

  • 全巻読破。最後までしっかり楽しめた。
    師・孫臏の「天下万民のための宰相たれ」という遺言で魏・斉・秦の宰相をつとめる孟嘗君・田文。
    白圭から受け継いだ「仁愛」の精神で施政を行い、孫臏から学んだ知略と食客たちの助力により困難を切り抜けていく。
    激しい戦乱の時代ながら物語全体を通して実に爽快でスケールが大きく登場人物たちが生き生きと描かれている。
    特に前半は白圭の人間性、後半は田文の成長していく姿にすっかり引き込まれてしまった。覇道・栄達を目指す時代の中で全く異なるスケールの大きさと魅力を持った親子だ。
    今まで中国ものの歴史小説は北方謙三ばかり読んできたが、これからは宮城谷昌光も選択肢に入れるようにしなければ。

  • 白圭、田文を主人公にした長編小説で長さを感じさせない面白さ。
    基本的に主人公は清らかな心の持ち主で、勧善懲悪の要素も少なからずあるので読んでいて悪い気分にならない。

  • 今まで読んだ、宮城谷昌光の中ではナンバーワン。それは、キングダムを読んだ影響からかもしれないが笑
    戦国のなんでもありのルールの中で仁を貫く主人公。しかしやはりかっこいいのは白圭であろう。商売の神様みたいなのだが、周りの中国人にきいても知らないのが悲しい。

  • ようやく読み終わりました。
    第5巻の最後も最後にしっとりとした感動があって、読後感がとても心地よかったです。

    さて本作は全5巻の大作歴史小説ですが、文章は平易で、その時代の情勢なども作中で解説されるというスタンスになっているため、とても読みやすいです。
    ストーリーもドラマチックで面白い。
    そしてこの作品でもっとも優れているのは、そんな魅力的なストーリーを彩る登場人物たちでしょうか。
    歴史小説で登場人物にこれほど感情移入した作品はなかったですね。
    出てくる人がかなり多いですが、それぞれに印象に残るほどの個性が与えられていて、愛着が湧いてしまいます。
    読後感が心地よいと言いましたが、魅力的なキャラクターたちとお別れするのは寂しいですね。

    この作品は純粋に小説としても楽しめますが、中国史初心者が戦国時代について見識を深めることにも一躍買いうると思います。
    魏や斉、秦といった諸国がそれぞれ大陸のどこに位置していたかなどは読んでいるうちに覚えてしまいます。
    かなりの脚色はあると思いますが、孫臏や商鞅など、有名な人物が行ったことを大まかに知ることもできます。
    歴史の教科書を読むより断然面白いでしょうし、上述のような歴史上の人物に愛着が湧くことは必然と言えるでしょう。

  • 終わった。 田文、孟嘗君は斉の国に仕えず、育ての親の白圭のように天に仕えようと食客を連れて放浪する。しかし、人は見放さず、魏の宰相に推挙され、国力を回復させる。その後故郷の斉の宰相に。最後王に疎まれ、秦の宰相にされてしまうが、内部抗争で殺されそうになり、脱出。そのときの話が鶏鳴狗盗。 なるほどね。話の中のうち田文が主人公は本当に4巻、5巻のみ。3巻まではその前の関係者の話であったが、後書きを見るとあまり史記にも孟嘗君という人なりが残っておらず、作者が苦労したようだ。 でもそのため、話のあらすじが非常に旨く流れて孟嘗君、田文の成り立ちが良く掛けており、無いようもおもしろく読める。結構中国の春秋戦国時代を知りたい人にはお勧め。 と言うか、宮城谷の本は全てこんな感じかな。でもこの頃の話は全ておもしろいと思います。

  • ※感想は1巻にまとめて

  • 全5巻は、内容も量も読み応えばっちりだった。
    話の中で唐突感があるのが残念といえば残念。
    しかしおもしろかった!

  • 波瀾万丈の田文の人生もついに完。全巻を通して一番魅力的な人物はやっぱり白圭。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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