殺人喜劇の13人 (講談社文庫 あ 78-1)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062639231

感想・レビュー・書評

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  • 2015.11.20 初読

    2018.7.31【再読】
    この本は大学のサークルで課題本になって読みました。語り手が途中で殺されるというショッキングな部分だけ覚えてました。

    犯人は全く記憶になく、誰が殺されるのかも覚えてなくて初読のように読めた!犯人含め10人くらい退場するんですが、警察に危機感がなさすぎる笑

    全体的に手記ということもあって読みにくく状況が分かりにくい部分も多いが、荒削りでいっぱいに詰め込めたギミックが逆に本格への熱意を感じる。

    若かりし森江さんが終盤で戻ってきて探偵始めるのが熱い。そして余韻の残る終幕。

  • 「人間が描けていない」という紋切り型の批判がまさにぴたっとあてはまる紋切り型の新本格。
    が、いいのである。僕はそんなの好き。数多く仕掛けられている仕掛けには素直に驚かされた。著者の本はぜんぜん読んでなかったけど、これからちょっと読んでいこうと思わされる。

  • しっかり読んだつもりだったけどなんか頭にきちんと残らない作品だった…。
    彼がこだわる13文字の謎は面白かった。

  • ミステリのミニコミ誌(同人誌?)をつくる大学サークルでの連続殺人。まさに『殺人喜劇』というにふさわしい狂想曲の舞台が、いま幕を開ける。

    時代背景は1980年代だろうか、ミステリおたく(?)が集まるサークルらしく、ミステリはもちろん、映画、お笑い、マンガ等の小ネタ蘊蓄がたくさん盛り込まれています。ギミックの方も密室に始まり、アリバイ崩しにアレやコレやソレや盛りだくさん。しかも小ネタや蘊蓄が事件に関わったり、関わらなかったりで油断できない。
    登場人物たちもマニアばかりなので推理し合ったり裏をかかれたり、的を射ていたり大ハズシだったり。
    ミステリ初心者の僕にはわからないネタもたくさんありましたが、丁寧に拾っていくと味わい深いのかもしれません。

    もちろん産みの苦しみはあったでしょうが、作者がミステリが好きで楽しんで書いたことが感じられる一作。デビュー作らしいです。
    終盤、「あっ」という驚きもありました。

  •  なんというドタバタ。素人っぽさというかありえなさというか清涼院流水かと思ってしまった。ひいき目にみればサービス満点の連続密室殺人学園ミステリというところだが、こうも次々に事件が起こるとそんなにうまくいくかいと呆れるしかない。寝台列車内の遠隔殺人(これは笑える)とかとってつけたような誘拐事件とかここまでてんこもりにしなくても。アナグラムとか叙述トリックとか全体を通じた伏線とか、あまりの混乱と13人ものキャラの錯綜とかを大目に見れば、圧倒的な作り物としては楽しめないこともないけど、これが鮎川哲也賞ねえ。

  • 芦辺拓のデビュー作にして、第一回鮎川哲也賞に輝いた本格長編推理。

    作品の文体が自分に合わなかったのか、しばらくは読むのが辛かった。しかしそれも慣れてしまえば問題はない。

    登場人物は国外ミステリ並に多く、覚えるまでが一苦労。それでも、きちんとゆっくり読んでいけば把握するのは比較的簡単。

    この作品の面白いところは、いろいろなトリック休む間もなく使われている点。ミステリ好きにはたまらないだろう。

    ストーリー上、大きな分かれ目があるのだが、そこで不覚にも少し泣きそうになってしまった。なかなか感情移入しまったようだ。

    人によって文章には難ありかもしれないが、トリックの多用さは随一。一つの作品にこれまでのトリックが使われているとは驚いてしまった。これも鮎川哲也賞を受賞した所以の1つなのかもしれない。

  • とにかく読みにくい文章でした。トリックだけでなく登場人物の一挙手一投足までもがまどろっこしい文章のせいで想像しにくい。トリックもごちゃごちゃしてて分かりにくい。登場人物の行動もよく理解できないものが多いです。共同住宅で何人も次々と殺されているのに誰も怖がりもせず呑気に生活してます。クローズドサークルでも何でもないのだから普通だったら逃げ出したくなるものだと思うけど。終始ノリが軽く緊迫感というものが感じられません。だらだら人が殺されていくだけといった感じ。

  • 前半とても読みにくい。前半を乗り切れば後半はとてもさくさく読めた。謎が散りばめられてて読み応えがあったかな

  • 第1回鮎川哲也賞受賞。
    古びたアパート「泥濘荘」に住む大学生13人とその仲間が次々殺されていく。
    トリック満載すぎて、はいりこめない。
    何より文体が読みづらかった。
    唯一良かったのは、京都のD大学、母校を舞台としていることぐらい。
    (図書館)

  • 3-
    独特な読み難さも相まって、てんこ盛りな謎一つひとつにいまいち入り込み難い。故に、終盤、次々に真相が明かされても「はぁ、そうですか」と傍観者気分。取り立てて粗があるわけでもなく、つまらないというわけではないが、とっ散らかった印象で、物足りない。

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著者プロフィール

一九五八年大阪市生まれ。同志社大学法学部卒業。
一九八六年、「異類五種」が第2回幻想文学新人賞に佳作入選。
一九九〇年、『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞受賞。
代表的探偵「森江春策」シリーズを中心に、その作風はSF、歴史、法廷もの、冒険、幻想、パスティーシュなど非常に多岐にわたる。主な作品に『十三番目の陪審員』、『グラン・ギニョール城』、『紅楼夢の殺人』、『綺想宮殺人事件』など多数。近著に『大鞠家殺人事件』(第75回日本推理作家協会賞・長編および連作短編集部門、ならびに第22回本格ミステリ大賞・小説部門受賞)。

「2022年 『森江春策の災難』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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