すべてがFになる (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.85
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本棚登録 : 22953
感想 : 2652
  • Amazon.co.jp ・本 (524ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062639248

作品紹介・あらすじ

2014年にドラマにもなったサスペンス小説です。天才的頭脳を持った主人公が難解な密室殺人のトリックを暴いて行きます。すべてがFになる。のFとは何か?様々な伏線が最後にひとつの答えにつながる。森博嗣さんの描く世界観が普通のサスペンスとは違った魅力を引き出しています。個性的なキャラクター、難解な密室トリック、謎解きに引き込まれてしまう作品です。

感想・レビュー・書評

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  •  本書の魅力は天才を具現化した人物が登場する事だと私は考えます。その人物が真賀田四季博士です。四季博士は物語の中では天才であったが、親を殺した理解不能な女性として語られています。しかし、本書を読み進めていくと四季博士は天才でもなく、異常者でもなく、神に近い存在であるかのような錯覚に陥りました。実際物語の中でも四季博士と隣り合わせで会話をした人物は「触れる事ができる距離なのに無限に遠いような気がする」と書かれています。  
     本書は推理小説であり、仰天するようなトリックももちろん楽しめますが、四季博士が語る言葉はどれも深みがあり、啓発書のような楽しみ方もおまけとして付いてきます。私が特に気に入っているのは四季博士が死を恐れない根拠として、人は意識を保ち続けると眠りたくなる。つまり意識を失いたがっている。眠っているのに起こされると不快になる。よって人は死を望んでいる。と言った内容を語るシーンです。  

     そして私は本書が何年に書かれたものか知らずに読み切りましたが、最後に1996年に発表されたものと知りおどろきました。デボラという人工知能に施設を管理させVR空間にゴーグルをして潜る。今でこそ主流ですが、これを20年以上前に執筆していたという点から、筆者の森博嗣さんも天才なのだと感じました。

  • 理系ミステリーというジャンルを未読、さらにあの高名な森博嗣さんの作品も読んだことが無いという己の無知を恥じて読むことにした。無知は罪である。食わず嫌いは嫌いだ!

    読んだ第一の感想はさすが理系大学教授、悔しいが難しい。高校受験の時から思っていたがどうやら自分は空間把握能力が低いらしい。僕の目の前にも浮かぶディスプレイで建物の立体図を見せてくれと研究所のコンピュータに願わざるを得ない。
    謎解きのトリックがどうとか言うつもりは毛頭ない。それはこの作品の魅力はそんなところにあるのではないと思うからだ。天才女史が凡人の我々(皆を巻き込んですまない)に示唆した、身の回りにすでに謎が存在するという事実こそこの作品の面白いところだと自分は思った。
    今でこそ人との接触をできるだけ避け、オンラインミーティングとかいうものが蔓延っているが、果たして感染が収まったとして無駄なエネルギーを消費して人と触れ合う必要があるのか。自分は妃真加島にある研究所のような生活に憧れた。厄介な人間関係に頭を悩ませる日々は嫌だからだ。悩むほど関係のある人間もいないが。

    ともあれ、天才という生き物は羨ましい。だって凡人ではないから。僕の中に天才が眠っていないかと期待するばかりである。きっといるはずである!

  • 「すべてがFになる」の意味が分かった時に、自分にない分野の才能を感じられて楽しかった。「有限の微小とパン」へ続く序章

  • 面白かった〜!

    離島にある研究施設での密室殺人事件。
    まったく内容を知らずに読んだので、大胆な殺人事件とトリックがとても好みでした。
    アニメやドラマ化もされていたのですね、、、映画だと思っていました。

    主人公の犀川は大学の建築学科の教師なのだが、とてもクールで、理系キャラ独特の変わった思考が魅力的。
    同じく主人公の西之園萌絵は、超お金持ちのお嬢様。計算が早く、とても賢いミステリー好きの女の子です。

    内容知らないで読んだ方が面白いと思うので、あまり書けません。笑

    2人の出てくるS&Mシリーズ、全部読みたいです。

  • すごく面白かった!
    これが20年以上前に書かれたものとは信じられない。
    今読んでも違和感ない技術がたくさん登場してて、理系ミステリーと言うだけあって専門用語も多い。
    だけど、とても読みやすくてスラスラ読めた。
    個人を掘り下げた心情やくどい情景描写などはなく、全体的にあっさりしてる。

    登場人物は基本的にみんな頭が良い。もちろん犯人も言わずもがな。
    どれほど緻密な計画を立てたのかとゾッとするし、それに挑戦した犀川先生もすごい。

    犀川先生と萌絵がダブル主人公だけど、他の作品でよく見るような片方が片方のアシスタントをしているという訳ではなく、双方が自立して考えているのが良かった。
    続きのシリーズも読みたい。

  • 孤島のハイテク研究所のゴリゴリの密室にウエディングドレスをまとい両手両足が切断された死体が現れた!密室ミステリー作品の名作!
    第1回メフィスト賞受賞作で森博嗣先生のS&Mシリーズの第1作目!!

    なんか久々にS &Mシリーズを読みたくなってきて読み返してみたけど面白すぎるでしょ!!久々すぎるくらい久々に読んだので程よく内容を忘れてて初読?ってくらい楽しんで読んでしまった!!!

    ハイテクゴリゴリミステリー  ★★★★★
    ドラマ版の綾野剛が素敵    ★★★★★
    というか主要キャラが素敵   ★★★★★

  • 複数のお気に入りさんの推薦本。自分なりに犯人をロックオンして読み進めていきましたが、外れた~!っていうか、今回の犯人及びその真相について、分かるわけないじゃないかい!でも、犀川と萌絵のコンビのプラトニック的男女の関係性は好感を持った。最初にクローズドサークル・十角館の殺人を彷彿とさせるミステリーを読むようで、最後まで手に汗握る展開。また、森さんの理系的知識のてんこ盛りに中々ついていけない部分もあったが、それはそれでよいスパイスでした。詳しくネタバレはできないが、真賀田四季の半生は気の毒としか言えない。

  • 森博嗣さんのデビュー作であり、本格ミステリーと評される本作。
    残り100ページ辺りまで、まったくトリックが分からなかったが、それが明かされた際には辺りを掠めていた靄が一気に取り除かれるような爽快感があった。
    「全てがFになる。」の謎のメッセージのトリックも工学博士である森博嗣さんならではのもので、とても分かりやすい内容でした。
    それにしても作中に登場するデボラ(AI?)やVRなど、現代では当たり前のような技術は読んでいて全く違和感がなかったのだが、登場人物の女性のファッションがどうも時代錯誤だなぁと調べたら、本作は1996年に出版されたものだと聞いて非常に驚いた。当時はまだOSがwindows95の時代。その頃からAIやVRといった技術は予想はされてはいたであろうが、ここまでのボリュームに仕上げて、なお現代の技術に近しく見えるのは、まさに森博嗣さんの先見の眼といったところだろうか。
    2014年に武井咲さんと綾野剛さん主演でドラマ化されていたので、その脳内キャストでも楽しめた。同じS&Mシリーズもこれから楽しみです。

  • 言わずと知れた森博嗣先生のデビュー作。
    今さら感満載ですが、拝読させていただきました。
    僕が今まで読んだことのある森先生の作品は「キルドレ」と呼ばれる戦闘機のパイロット達が繰り広げる戦闘機の空中戦を描いた『スカイ・クロラ』シリーズ、孤高の侍・ゼンを主人公とした剣客小説『ヴォイド・シェイパ』シリーズ、そして最近シリーズが終了したウォーカロンと呼ばれる人造人間をテーマとした未来社会を描く「Wシリーズ」と見事に最近のものに偏っています。
    このような順番の読み方をしている自称・森博嗣ファンの僕などは真の森博嗣信者から異端審問にかけられ焚刑に処せられてもなにも文句は言えないので、あえてそこは黙っていようと思いましたが、おっと、うっかり書いてしまいました(笑)。

    それにしても、これがデビュー作って凄いな。
    小説の完成度が半端ないし、全く古さは感じない。(一点だけ、主人公の犀川先生が煙草吸い過ぎなのは気になったw)
    本書は密室殺人をテーマにしたミステリー小説なんだけど、理系ミステリーの元祖と言われるだけあってそっち系のトリックが面白い。
    やはり森先生自身が工学博士であり、その方面の専門家というところが大きく影響しているんだろうね。

    でも一番衝撃が大きかったのが主人公の犀川先生でも西之園萌絵でもなく、やはり真賀田四季博士の存在感だよね。
    真賀田四季はWシリーズにも『伝説の研究者』ということで出てくるから存在は知っていたけど、デビュー作からここまで大きな存在感を持って登場しているとは思わなかった。

    真賀田四季博士は、天才プログラマーであり、幼少のころから天才の名を欲しいままにしてきた女性。そして15年前のある事件以来、孤島にある研究所に彼女が監禁状態になっているところからこの『すべてがFになる』は始まる。

    真賀田四季博士の外見の美しさ、独特な考え方、生死を超越した価値観、天才的な才能、そして、そこはかとなく漂う不気味さ、いずれもこの本を読む者に対して圧倒的なイメージを植え付ける。
    そして、彼女の放つセリフがそれぞれ、深い。
     「眠りたいって思うでしょう?
      眠ることの心地よさって不思議です。
      何故、私たちの意識は、意識を失うことを望むのでしょう?
      意識がなくなることが、正常だからではないですか?
      眠っているのを起こされるのって不快ではありませんか?
      覚醒は本能的に不快なものです」

     「死を恐れている人はいません。
      死にいたる生を恐れているのよ。
      苦しまないで死ねるなら、誰も死を恐れないでしょう?
      そもそも、生きていることの方が異常なのです」

    いや~、深すぎて。もう、この本を読みながら「いつ死んでも悔い無し」って心境に到達してしまう(笑)。
    森博嗣先生にとって『真賀田四季』とはどのような存在なのだろうとふと考えてみる。
    このデビュー作からその後、数々のシリーズに彼女は登場する。現在から数百年後を描いているWシリーズにですら『マガタ・シキ』として、もはや神に近い研究者のような形で姿を現す。

    森先生の自己の投影?理想の女性?人間が到達すべき完全体?神であり、あるいは悪魔かもしれない存在?

    この命題は、いちおう読書人の端くれとして自らの人生をかけて取り組む価値のあるテーマだと、今、確信しました。(真顔)
    この『すべてがFになる』が発表されたのは1996年。今から23年前、森先生が39歳の時の作品。それ以後、数々の小説が発表され、シリーズものの小説だけで72冊(最新の『それでもデミアンは一人なのか?』まで含め)もの小説が刊行されている。この20数年でこれだけの森ワールドが築かれ、真賀田四季博士はそれぞれのシリーズでキーパーソンとして機能している。

    真賀田四季の犯した『罪』を絶対に許せない、精神的に受け付けられないという読者もいるだろうし、そこは当然森先生も認識しているんだろう。しかし、あえて『真賀田四季博士にその『罪』を犯させたこと』についても、研究すべき対象となるはず。

    次作からは、先ほど掲げたテーマを念頭に置きつつ、しっかりと順番通り読んでいこう。
    という訳で、S&Mシリーズの第2作は『冷たい密室と博士たち』だね!
    あ、でもWシリーズの直接の続編であるWWシーリズの『それでもデミアンは一人なのか?』が発表されてしまったので、この本は先に読んじゃうと思います☆
    ウグイとハギリ博士は結局どうなったのかな~?

  • すべてがFになるとは…?

    とにかく事件のトリックが気になり、この分厚い文庫本を夢中で読んだ。が、ついにそのFが明らかになる時、凡人の私には何を言っているかほとんどわからなかったが、ふむふむ。とわかった気にだけなり読了。

    なるほど、これが「理系ミステリー」といわれてるジャンルなのですね。トリックは難しかったが、楽しめました。

    真賀田四季博士の台詞をもっと聞きたくなる。
    犀川と真賀田四季博士の会話がカッコよくて、天才って素敵!と凡人は魅了されました。

    アニメとドラマ化がされているらしい。
    アニメも見てみようかな。

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著者プロフィール

森博嗣

作家、工学博士。一九五七年、愛知県生まれ。一九九六年に『すべてがFになる』(講談社)で第一回メフィスト賞を受賞しデビュー。以後、続々と作品を発表し、人気を博している。小説に、「スカイ・クロラ」シリーズ、「ヴォイド・シェイパ」シリーズ、『イデアの影』(以上、中央公論新社)、S&Mシリーズ、Vシリーズ、Gシリーズ、Xシリーズ、M&Rシリーズ、Wシリーズ(以上、講談社)、『暗闇・キッス・それだけで』(集英社)など。小説のほかに、クリームシリーズ、日々シリーズ(以上、講談社)など多数の著書がある。

「2022年 『新装版 スカイ・クロラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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