業火 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062639378

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第九弾。
    限界。
    ここまでで読むのを終了。
    さよならスカーペッタ。

  • 凶悪な事件がはびこる世の中です。
    いつも、まっとうに生きている人や幼い子どもや善良な人が、犯人の快楽、欲望、妄想の犠牲になっている。
    あまりにも残酷で、神様はなぜそんな酷いことをするんだろう、と考えることがあります。

    物語の作者もまた、その作品の創造主であり、作品上の神といえます。
    コーンウェルは、なぜケイにこんな辛い試練を与えるんだろう。
    彼女の人生はこれからどうなっていくんだろう。

    連続放火を扱う本作は、全編、くすぶる煙にまかれている印象です。
    どす黒い醜悪な煙が早く晴れて、真っ直ぐに生きる人たちが救われますように。

  • 検死の描写や犯行現場に残された痕跡の分析、放火事件のシミュレーションの描写が細かく、へぇぇと関心。まぁこの辺りのキャラは死なんだろうなーって思ってた人が死んで(しかもかなり無残に…)ショックを受けたんだけど、とにかく犯人が強烈。自分は表舞台に現れず主人公達を追い詰める追い詰める。その辺りの描写がまた怖かった。しかしラストで犯人、表舞台に出ちゃって、個人的には影に徹して欲しかったなぁと思った。まぁ、犯人も自己顕示欲があるだろうし、仕方ないか。いやでもまた続編でこの犯人出てくるんじゃないかなぁと妄想が膨らむ。

  • キャリーグレセン再登場。冒頭大きな事件が起きて、どうキャリーと繋げるのか、収拾つけるのか気になってたらとんでもない事件が勃発した。それにしても最後、あんなに知能が高いだのこちらの数手先を言ってるだの言われてたキャリーが共犯と一緒にヘリで突っ込んできておったまげました。これで何作か後に「実はキャリーは生きてたのです!」とか言い出したら怒りますよ私は。

  • 今回は長いにもかかわらず、最後まで面白く読めた。

    連続殺人犯のテンプル・ゴールトがケイに殺されて、あっさりと舞台から退場したのに対して、相棒だったキャリー・グレセンは逮捕された後もずっと、復讐する機会を待っていた。
    精神異常者として精神医学センターに入院しながらインターネットを通じて共犯者を探し、脱走したキャリー。

    ケイたちが見つける手がかりは、全てキャリーが発見しやすいようにお膳立てしたもの。
    徐々に身近に迫ってくるキャリーの気配におびえながら、自分を奮い立たせるように仕事をするケイに、最悪の出来事が降りかかる。

    で、ここでちょっと手が止まる私。
    実はシリーズの途中の1作を最初に読んじゃったのよね。
    だからこれは何かの間違いじゃないのか?と気を取り直して読んだのだけど、間違いじゃないみたい。
    うーむむ。

    ケイにまとわりつくキャリーの不穏な気配と得体の知れなさ。
    衝撃的な出来事の真偽。

    私はケイの、すぐに腹を立てて誰にでもけんか腰になってしまうところが好きではないので、今回はルーシーともあまり喧嘩しなかったし、ベントンといちゃいちゃもあまりしなかったので、そこもポイントが高いのかもしれない。

    キャリーについては、これで解決したことになるのかどうかわからないので、次がとても気になる。

  •  スカーベッタが余りに感情的すぎる性格なのは、彼女の個性か、米国知的上流階層女性(かつ独身・離婚・子無し・愛人経験あり)に一般的なものなのか?。
     また、マリーノの自虐・毒舌・悪罵ぶりにも正直辟易してきた。
     キャラクターらには感情移入できないまま来ているのだが、この作品が米国でそれなりに共感を持たれ、ベストセラー化しているなら、それはそれで米国のある種のリアリティを感じさせるものがあるのだろう。
     そうであれば、読む意味が見出せるかもしれない。


     一方、科学捜査の有り方や説明の細やかさは、キャラとは逆に興味を感じさせる。今回は火災。そして焼死体の検視か。
     これは日頃、見ることも知ることも殆どないものだし、日本のミステリーには余りないように思うので(逆に言うと、グロさレベルは高い)。

  • 辛い。このシリーズを読んでいて一番辛い。この作者ならやりかねんという展開でもあるけど、やはり辛すぎる。

    でも、現実世界で犯罪捜査や解決に携わる人たちの間では、こうした悲劇が頻繁に起きているのかもしれません。だからと言って、主人公のケイの気持ちが和らげられるわけではないですが。

    この後の作品で、この大きすぎる喪失感と虚脱感がどう埋め合わされ、どう補われていくのか、括目して読み進めなければなりません。

  • なんとも悲しい出来事があって……そりゃあスカーペッタは強い女性だけどあまりにも酷い!
    そして類は友を呼ぶというか、こういう人たちはちゃんと仲間を見つけるものなのねと変なところで感心する。
    でもマリーノとのやり取りがほっとさせてくれるというか。マリーノ、健康に気をつけてねと思わずにいられないです。

  • 終盤の主人公へのあまりの仕打ちに「嘘でしょっ?!」って声に出してしまいました。
    何が起こるかわからないと言う意味ではリアリティのある作品なのかも。

  • マヂか。このシリーズ、衝撃的な出来事がありすぎるよ。だから人気なんだろうけど。

    一応、邪悪な凶悪犯との決着はついていることになっていますが、作者のこれ迄の作品から類推するに、犯人の最後は確認されていないですからねぇ。有りがちですが、また、出てきそうな感じがしています。

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著者プロフィール

マイアミ生まれ。警察記者、検屍局のコンピューター・アナリストを経て、1990年『検屍官』で小説デビュー。MWA・CWA最優秀処女長編賞を受賞して、一躍人気作家に。ケイ・スカーペッタが主人公の検屍官シリーズは、1990年代ミステリー界最大のベストセラー作品となった。他に、『スズメバチの巣』『サザンクロス』『女性署長ハマー』、『捜査官ガラーノ』シリーズなど。

「2015年 『標的(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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