甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖(1) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062639446

作品紹介・あらすじ

家康の秘命をうけ、徳川三代将軍の座をかけて争う、甲賀・伊賀の精鋭忍者各十名。官能の極致で男を殺す忍者あり、美肉で男をからめとる吸血くの一あり。四百年の禁制を解き放たれた甲賀・伊賀の忍者が死を賭し、秘術の限りを尽し、戦慄の死闘をくり展げる艶なる地獄相。恐るべし風太郎忍法、空前絶後の面白さ。

感想・レビュー・書評

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  • 数ある山風忍法帖の中でも,1.2を争う一冊だと思う。
    選ばれた双方の精鋭各10人。思いもよらない忍法の数々。どこからそんなアイデアが湧き出てくるのか。脱帽です。
    史実から、勝つのはどちらか最初から判ってるのですが、最後の一文まで見逃せません。

  • 2019年10月22日、読み始め。
    2019年11月1日、読了。

    今回読んだ作品は、たまたま図書館で手にしたものだが、この作品を原作にしたアニメもあるとのこと。それなりに楽しく読めたので、まあ良しとします。

    • やまさん
      seiyan36さん、おはようございます。
      いいね!有難うございます。
      「甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖」は、私も読みたいです。
      文字の...
      seiyan36さん、おはようございます。
      いいね!有難うございます。
      「甲賀忍法帖 山田風太郎忍法帖」は、私も読みたいです。
      文字の大きさはどうでしょうか、小さい字は読めません。
      よろしくお願いいたします。
      2019/11/04
    • seiyan36さん
      やまさん、コメントありがとうございます。今から伺います。
      やまさん、コメントありがとうございます。今から伺います。
      2019/11/05
  • 説明不要の極上エンタメ作品。
    伊賀、甲賀の忍者20人全てが違う術を使い、
    様々な戦い方をする。

    私が好きだったのは陽炎。
    男と契り情欲が湧くとその息で相手を殺してしまうのだ。
    なんと切ない技なのか。

  • 久しぶりに、こんなに面白く、強烈なインパクトと余韻を残す本に出会った。

    何より、キャラクター設定が良い。能力や関係性、和製ロミオとジュリエット。脇役たちもみなそれぞれに魅力がある。異形の忍者たちと、忍法そのもののアイデアに、まずは驚かされる。

    対決の組み合わせの妙もよく考えられている。
    たとえば、薬師寺天膳VS.地虫十兵衛。
    あるいは、蓑念鬼VS.お胡夷。
    相手が違えば勝敗は変わっていたはず。

    甲賀方は奇襲向きの一撃必殺の忍法が多いのに対し、伊賀方はその身体能力と戦闘能力の高さが際立ち、その対比も面白い。こうした能力の特性と、その組み合わせによる勝負の面白さは、現代の少年漫画に通じるものがある。1958年に書かれた小説だなんて、信じられないくらい、今読んでも斬新だ。

    和解の一歩手前で、政争に巻き込まれて強制的に殺し合いをさせられる点、またその理由を知らされないままに戦いに巻き込まれる忍の運命が悲しい。

    読者の誰もが、「その瞳同士で戦ったらどうなるのか」と想像しながら読み進めるであろう主人公同士の戦いが、物語の最後を飾る。瞳同士では争わないという結末。甲賀弦之介の目が開く前に朧は自害し、弦之介もまた、伊賀の勝利を人別帖に書き記して後を追う。ふたりが互いに姿を見たのは、弦之介が鍔隠れを発つ、あの悲しい別れの場面が最後だったことになる。

    最後は愛を貫いた朧の気持ちが伊賀を勝たせたのだろう。朧というキャラクターが個人的にはあまり好きになれないのだが(恋人への愛は素晴らしいものの、伊賀の頭領としては失格だろう。味方に与えた損害が大きすぎる)、このラストはいつまでも、胸に突き刺さって大きな余韻を残す。

  • 話も面白いんだけど、一文一文が時に艶やかであり時に悲しさがあり、時に妖しさがあり…どの文を取っても声に出して読みたい日本語‼︎という感じだった。
    私が一番心に残った文章はこちら。

    「その悲恋の屍が、青い月明の駿河灘へ、黒髪をもつれさせつつ漂い出したとき──そこまで悲しげに追ってきた鷹は、反転して北へとび去った。足につかんだ巻物に、甲賀伊賀の精鋭二十人の名は、すべてなかった。」

  • サブカルチャーで一大ジャンルを成している『異能力バトル』は、ここからはじまったと言ってもよいでしょう。
    アニメもおもしろかったなあ。

    ちなみに同作者の、偉人を蘇らせて戦う『魔界転生』は、元祖『Fate』ですね。(パクリだと言っているわけじゃないので、誤解なきよう)
    敬意を表して、FGOは山田風太郎を英霊にしてはいかがでしょうか?

  • この作品は、山田風太郎さんの忍法帖シリーズの記念すべき第一作であり、漫画化やアニメ化や実写映画化もされています。一読の価値がある素晴しい作品だと思いますので、是非お読みください。

  • 家康の跡継ぎ問題~かと思えばバリバリのエンターテイメント!楽しく一気読み。
    あり得ない忍術使い伊賀甲賀に分かれての死闘!

  • 2014年7月25日読了。山田風太郎の「忍法帖シリーズ」第1作。徳川三代目の世継を決める内部抗争は、伊賀・甲賀の選ばれた十名の忍者たちのどちらが生き残るか、死闘の結果に託された・・・!20名の忍者たちの特殊能力のバリエーションの面白さがまずあり、忍者同士の対決を描くことにより「ある能力が発揮されるときは、別の能力が敗れるとき」という状況を作り出し、これが組み合わせの面白さと相まって実に読み応えがある!ジョジョのスタンドバトルのごときは、風太郎氏が50年以上も前に生み出していたのか・・・脱帽。家康・服部半蔵ら史実に登場する人物や日本史のうねりにフィクションの忍者たちが絡んでいく面白さ、忍者の苛烈な掟と男女の悲恋など、とにかく面白さてんこ盛りのエンターテイメント作品。他の作品も読み進めるのが楽しみだ!

  • 甲賀と伊賀に、互いに憎しみを抱く忍者の里在り。孫の竹千代と国千代のどちらを三代将軍の座につけるのか、迷いあぐねた徳川家康は、それぞれの一族から選ばせた十人づつを闘わせ、どちらが生き残るかによって後継者を決めようとする。折りしも甲賀と伊賀の棟梁の孫である弦之介と朧は、愛し合い、因縁を断ち切ろうとしていた。しかし運命に押し流されるように、血で血を洗う死闘が始まる。

    次々と繰り広げられる奇想天外の忍法。なんじゃこりゃ、と思う間もなく、ストーリーに絡め取られて夢中になって読んでしまう。一種のSFだと思えば良いのかも知れない。読み物としてはかなり楽しめた。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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