消えたタンカ- (講談社文庫)

著者 : 西村京太郎
  • 講談社 (1999年2月12日発売)
3.90
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062639835

消えたタンカ- (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 〇 評価
     サプライズ ★★☆☆☆
     熱中度   ★★★★☆
     インパクト ★★★★☆
     キャラクター★★☆☆☆
     読後感   ★☆☆☆☆
     希少価値  ★★☆☆☆
     総合評価  ★★★☆☆

     西村京太郎の作品のベスト10などを見ると,隠れた名作として紹介されている作品。第一日本丸の生き残りの5人を赤松淳一という,もう一人の生き残りが復習のために殺害していくサスペンスと見せかけて,第一日本丸の乗組員32人がタンカーに積んでいた石油を南アフリカ共和国に売りつけるという犯罪が描かれる。
     日本に戻った6人は,家族がいたので一度帰国した。そして,期限までにブラジルに移住しなかった5人を殺害していたのは,雇われた殺し屋だった。
     面白いといえば面白いんだけど,まぁ…バカミスだろう。第一日本丸がインド洋で見つかるというラストはインパクトがある。ストーリーも何というか,1975年(43年前!)の作品なので仕方がない部分もあると思うけど,ぶっとんでいる。5億トンのタンカーに積んでいる石油を南アフリカ共和国の石油会社に売って,ブラジルに移住するとか,殺し屋を雇って期限までに移住しなかった5人を殺害するとか,休暇中に十津川警部が南アフリカ共和国に行き,真犯人に撃たれるとか,インパクト抜群過ぎる。
     前半部分が警察対犯罪者の対決で,サスペンス風のノリ。一転して,後半部分は前提となる第一日本丸の沈没すら否定する謎解きと構成は面白い。ダイナミック過ぎてリアリティは皆無…もはやファンタジーと思えるほどのトンデモ展開。とはいえ,バカミスだから面白くないというわけではなく,むしろバカミスだけどそれなりに面白い作品。傑作というほどではないが,★3で。

    〇 メモ
     インド洋で,第五白川丸が,タンカー火災に遭遇するシーンから始まる。第五白川丸は,救命ボートに乗っていた第一日本丸の宮本船長達6人を救出する。また,インド洋上の小さな島で,一人の男が漂着し,最終的に日本に帰国する。その男は,「赤松淳一」の船員手帳を持っていた。
     1週間後,第一日本丸の生存者の1人である宮本船長の死体が発見される。遊歩道の側の崖からの転落死だった。警察には,第一日本丸の生存者を皆殺しにするという殺人予告の手紙が届き,十津川警部補が捜査を始める。宮本船長は,ブラジルについての本を何冊か隠し持っていた。
     第一日本丸の生存者の1人である船医の竹田良宏はブラジルに移住する。
     一等航海士の佐藤洋介が家族と車に乗っているときに銃(M16)で撃たれ死亡する。
     事務長の辻芳夫とその妻の絹代が長野県の野沢温泉で射殺される。M16という銃を所持していた吉田孝夫という男が捕まるが,車にM16を入れられただけであり,犯人ではなかった。
     ブラジルで,捜査一課長の依頼を受け,日高京助という記者が竹田船医のことを調べる。
     二等航海士の河野哲夫が,強化プラスチック爆弾によりクルーザーを爆破され,死亡する。
     水夫長の小島史郎は,1か月の休暇を取って沖縄旅行をする。
     十津川は,第一日本丸の6人の生存者以外の26人のうちの1人が,復讐のために生き残った者を殺害していると考える。銃の扱いに慣れているなどの条件から,「赤松淳一」を容疑者として挙げる。
     「犯人」は,観光客を殺害し,M16ライフルを積んだカローラに乗せて海に落とす。警察が発見する。車の持ち主は望月英夫。免許証は若松和之のもので,いずれも赤松淳一のものではなかった。車の持ち主の望月英夫はアメリカに行っており,その弟の望月俊夫が使っていた。車は盗まれたという(ただし,20万円がのこされていた。)。
     十津川警部補達の必死の警護にもかかわらず,水夫長の小島史郎とその妻が射殺される。
     その後,赤松淳一が自殺したと思われる姿で,死体で発見される。
     脅迫状は,筆跡から小島水夫長が書いたものと分かった。しかし,十津川は事件はまだ終わっていないと考える。犯人は死体で見つかった赤松淳一ではないと考えていた。
     まず,十津川は,第一日本丸のタンカー火災が5時間ほどで燃え終わったことに疑問を抱く。第一日本丸に積んでいた石油は108億円。32人の乗組員の頭数で割っても一人3億4000万円。この金が動機になると考えた。これらから,十津川は第一日本丸は沈没しておらず,船員によって石油が売却されたのではないかと推理する。
     十津川は,日本に戻った6人はいずれも結婚していて,家庭を持っていたことに気付く。残りの26人は独身だった。十津川は,ブラジルに渡った26人が,殺し屋を雇い,期限内にブラジルに移住しなかった5人を殺害したと推理する。赤松淳一は,その殺人の協力者として日本に戻っていただけだと。
     十津川は第一日本丸は沈没していないと推理する。では,第五白川丸が目撃した船の沈没は何だったのか。別の船だったのだ。宮本船長達は,スクラップとして売却されたセント・カルザス号を沈めていた。3000万円で屑鉄として購入していた。十津川は,第一日本丸から石油を買ったのは南アフリカ共和国だと推理する。
     十津川は南アフリカ共和国に行く。そして,第一日本丸の船員連続殺人事件の真犯人と会う。真犯人は望月英夫だった。望月は,アメリカで特殊部隊としての訓練を受け,いくつもの戦場で戦争に参加していた。そして,赤松淳一達の依頼を受けて第一日本丸の生き残りの船員である5人を殺害した。十津川は望月に撃たれる。望月は戦死した。
     そして,沈没を免れた第一日本丸がインド洋で見つかるシーンで終わる。

     

     

  • 読みごたえあり。昔に読了したけど、黒幕忘れてた。

  • 最後は外国まで赴いて話が展開して面白い。
    この時期の十津川警部ものは良く練って作られていると思う。

    最初の設定だと独身で身長163cmだったのか。

  • インド洋で重油を積んだ巨大タンカーが沈没します。その後生還を果たした数名の乗組員が次々に殺されて行くというストーリーです。
    この連続殺人が大多数を占めていて、タンカー沈没の真相は終盤になってからようやくクローズアップされます。イメージとは違った方向へ流れてしまいやや残念に思いました。
    しかし、謎の提示と、それを追跡する十津川の推理がうまい具合に絡み合い、意外な真相に辿り着く過程は楽しめました。著者の代表作に数えられる作品だと思います。

  • 1999.2.15 1刷 648
    インド洋上で原油を満載したマンモスタンカーが炎上沈没した。船長以下六名が脱出、残り二六名の生死、原因は不明のまま捜査は打ち切られた。だが、その船長が怪死し、十津川のもとに一通の挑戦状が届く。そして捜査の裏をかくように生存する乗組員が次々に殺されていった。十津川、敗北か?傑作長編推理。

  • 確か、高校時代に読んだ。ミーハーだなんだ言われるが、これはオモシロかった!ドキドキした!

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