朽ちた樹々の枝の下で (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (656ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645058

作品紹介・あらすじ

妻を事故で失い札幌を離れ森林作業員となった男が、自衛隊演習場と隣接する夜明け前の森で救出した女性は、謎を残し病院から逃亡する。女性を捜し真実を突き止めることに己れの再起をかけ調査を始めた直後、落とし穴などの罠が仲間を襲う……。北海道を舞台に独り闘う男の葛藤と勇姿を描くサスペンス大作。

感想・レビュー・書評

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  • ハッピーエンド、ではないな…
    医師氏が良いキャラ

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    妻を事故で失い札幌を離れ森林作業員となった男が、自衛隊演習場と隣接する夜明け前の森で救出した女性は、謎を残し病院から逃亡する。女性を捜し真実を突き止めることに己れの再起をかけ調査を始めた直後、落とし穴などの罠が仲間を襲う…。北海道を舞台に独り闘う男の葛藤と勇姿を描くサスペンス大作。

  • 自衛隊員が主人公。
    本作で初めて「自衛隊」を意識するようになった。

  • 真実を伝えること、知ることによって失うものもあること

  • 妻を亡くし、逃げるようにして上富良野の森林作業員として働き始めた尾高は、早朝の森の中で泥だらけの女と出会う。保護した先の病院から逃げ出した女は何者だったのか。
    素性を追いかけていくうちに、尾高はひとつの事件に隠された闇に近づく・・・というミステリーなんだけど、なんていうか全体的に説得力がない。
    ただの元サラリーマンがなんでこんな簡単に真相に近づけるのかとか、別れた男に対してここまでやる女がいるだろうかとか、森林作業員になんでそんなに簡単に話をしちゃうのとか、突っ込みどころがありすぎる。
    単行本自体はもう20年近く前に出版されたものらしいし、時代といったらそれまでかもしれないけど。

  • 真保さんの小説、初めて読みました。
    (ホワイトアウトは挫折したので、もう一度チャレンジしようかな。)

  • いやあ、面白かったです。
    600ページを超えるこの作品を読み終わったとき、すぐに立ち上がることができませんでした。
    解説を読みながら寝ちゃったから…。
    ものすごく緊張しながら読んでいたんです。先が気になって。
    だから本編を読み終わったときに緊張が解けて、睡魔に付け込まれたと…。
    そう言うことです。きっと。いや、絶対。
    久しぶりに1時間100ページペースで読みました。

    主人公の尾高健夫は、森林組合で作業員をしている30過ぎの男。
    1年前に妻が事故死したため、今はひとり暮らしである。
    ある時山の中でけがをした女性を助けたのだが、彼女は一言も話をすることなく姿を消した。
    なぜ夜明け前の時間に山の中に女性が一人でいたのか。どこから来たのか。自殺でもするつもりなのか。
    そして国有林の伐採に反対する市民団体の仕業と思われる事故が多発する作業現場。

    妻の死をも含めた3つの謎が、同時進行で尾高に降りかかる。

    女性の謎を追う動機。これが如何せん弱すぎる。
    しかし、それでも妻の死で傷つき、周囲の人たちとのかかわりを拒み続けていた尾高には、立ち直るきっかけが必要だったのだろう。

    3つの謎のどれもが一筋縄ではいかず、事件が解決しても爽快感は得られない。
    解決してスッキリというのは、ある意味自己満足なのかもしれない。
    妻の死からこっち、自分の殻に閉じこもっていた尾高は、謎を追うことによって人とのつながりを取り戻し始める。
    友だちができ、他人を思いやることができるようになる。

    人生の中で、人の生死にかかわるような謎が3つも降りかかってくることはほぼないだろうけれど、大なり小なりの出来事の中で人は変わっていく。成長できる。
    どんなに傷ついても、傷が癒される時は来る。

    なんて結末はまあ、おいといて。
    孤独な主人公が、ストイックに謎を追い求めていく姿は上質のハードボイルドで、たとえ泥まみれの作業服でも、かっこいいのでありました。

  • 051206

  •  物語の内容的には、妻を事故で失ってしまい、札幌を離れ森林作業員となった男、尾高健夫が、自衛隊演習場の隣の夜明けの森で救出し、その後逃げ出した女性を追いかける……という展開で物語は始まります。

     まぁ、結局のところその女の人を追いかけるミステリーなのですが、でも、その追いかける過程でも、結局のところの結末でも、見えてくるのは人間の悲しさだけ……。
     ただ、逃げた女の人のバイタリティーがいったいどこから出てくるのか? が、ちょっと疑問の余地の残るところでもあるんだけどね……。

     まぁ、悪くはなかった。ドキドキできた。
     物語読んでて、嫌な気分にはならなかった。(それは後に読んだやつよりも、私にとって遠く感じるからなのかもしれないけど)
     なんか、この人の話って、結構問題提起的なものももしかしたらあるのかもしれない。
     それを中心に書いてはいないから、そういうのを押し付けがましく感じることはないけれど。
     難しいなー。

  • 北海道が舞台のお話。
    自衛隊の駐屯地近くで行き倒れた女性を助けたことから謎解きを始める。
    終わり方がすっきりしない。

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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