孤独なアスファルト/藤村正太:第9回大賞受賞。1963年。
地元の刑事が足で解決するミステリー。
東北から就職のため東京に出てきた少年。言葉なおせず、ズーズー弁なので、あだ名がズーちゃん。本人にはそれが苦痛。もっと稼げるところに行きたい、って、定時制高校通って、コネ見つけ。
今まで大事にしてやったのに、って上司。
当時の社会情勢てんこもり。
二人の男が殺され。上司と日雇い労働者。接点がないし。そもそも関連あるのか?
上司に、息子の就職先の斡旋を頼んだ男が犯人なのだけれどね。どうしても、辻褄が合わない。
順番逆にすれば、辻褄合うのよ。先に殺されたのが日雇い労働者(交通事故)。それを見た上司は、自首を勧める。自首ムリーっと、息子の就職先斡旋依頼オヤジが殺し。
おー、すばらしい 視点を変えただけで辻褄合う。
まず、直感。そして論理。
って、新宿以降の中央線て、やっぱり都下だったんだ。って都内な事件だから、武蔵何とかとか南千住とか、昔はこうだったんだ、やっぱりね、とか新鮮。
蟻の木の下で/西東登:第10回大賞受賞。1964年。
戦争時の非道な行い。新興宗教。麻薬密輸と盛りだくさん。そして、タイの蟻の木の話は絶品。肉食蟻かぁ、すごいもんがいるもんだね。
極悪な淵上は結局殺される。
で、最後。盛りだくさんはまだまだ続く。傷痍軍人として生きてたんですか?ある意味がっかり。復習連続殺人だったのね。
って、青酸カリって、そんな簡単に手に入るもの?