魔界転生(上) 山田風太郎忍法帖(6) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (526ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645423

作品紹介・あらすじ

心をこの世に残しつつ死の際に立った男が愛する女と交る――と、1ヶ月後にその女胎を裂いて男が再誕する。妖異凄絶の忍法「魔界転生(てんしょう)」。血風の中に甦る大剣鬼は天草四郎を筆頭に、宮本武蔵、荒木又右衛門、柳生但馬守(たじまのかみ)……。背後で操る森宗意軒(そういけん)と由比正雪(しょうせつ)。紀伊大納言頼宣をそそのかして天下を大乱に導くか!?

感想・レビュー・書評

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  • せがわさんによるコミカライズ版に触発されて、久々に。
    相変わらずのテンポの良さで、上下巻と一気読み。

    主人公は、柳生十兵衛とその仲間たち。
    敵対するは、とある忍法で転生した、7人の武芸者。

    その名は、、荒木又右衛門、天草四郎、田宮坊太郎、宮本武蔵、
    宝蔵院胤舜、柳生但馬守、柳生如雲斎と、錚々たる名が連なっています。

    彼ら、史実では実現できていない武芸者たちの戦いが、
    山田さん好みの「魔人」との設定をクロスさせて描かれていきます。

    メインで戦うのは十兵衛ですが、真っ向勝負に終始しているわけではなく、
    わずかながらでもの、地の利、人の利、天の利をとって戦っていくのも、また。

    決して完全無欠の主人公として描かれてはおらず、
    物語の設定では、武蔵が最強の剣腕を持っているような感じに。

    対する十兵衛は、武蔵も含めてどのようにして勝利するのか、、
    それだけでも、ページを捲る手が止まりません。。

    初めて読んだのは中学化高校の頃でしたが、理屈抜きで面白い、
    エンターテイメントとはこういうことかとあらためて。

    これが1960年代に書かれたというのが、凄いとも。
    個人的には『甲賀忍法帖』との双璧の忍法帖です。

  • 6年前くらい前に1回と、最近また読んだ。
    深作欣二の方の映画も見た。

    タイトルは初めこれじゃなかったらしいが、こっちにして正解。
    伝奇ものはやっぱり面白いなあ!
    なんで今でも流行んないのかな?
    山風がやり過ぎちゃったのかなあ。

    歴史はさして詳しくないんですが、
    山風のおかげでちょこちょこ知れました。
    まさにエログロナンセンスの極み。
    これだけあっけらかんと女性が道具にされてるのに嫌悪感を感じないのは、
    十兵衛サイドの三女子の愛らしさでしょうね。

    正雪の怪人ぷりが良い。
    魔人が全て大人物なのも良い。
    これはほんとに面白いなあ!

  • 忍法・魔界転生により蘇った剣豪たちに
    柳生十兵衛が立ち向かう伝奇小説。

    エロティシズムの向こうにある
    男のロマンみたいなものが
    私にはまだよく分からないようで…
    「生前にできなかったことをしてみたい」
    が、それかーい!と突っ込んでしまった。

    舞台ではどう表現されるのか楽しみ。

  • 初読は映画上映1981年のころなので、40年以上前。
    映画の印象が強く、小説はあまり覚えていなかった。
    40年以上ぶりの再読、おもしろかった。

    上巻は、魔界転生衆の一人しか戦っていないが、あまり超人ではなく、対抗する十兵衛も人間技範疇なので興ざめせずに読めた。

  • 熱いバトル漫画!…じゃなくて小説。忍術ってすげー

    転生は簡単にできるものではなく、本人の転生したいという執念が必要。生きているうちに術をかけないと駄目なのか。剣豪達が服従させられたり邪悪に染まっていくというのは、強キャラを尊厳破壊する快感がちょっとある。
    格好いいですね、柳生十兵衛。上巻でまだ一人しか相手にしていないのに、彼はこの先どうなってしまうのか。

  • 時代小説を読むのは初めて。舞台化と聞いて、手に取りました。
    独特の文体が肌になじまないのか、読み進めるのに少しばかり苦労しました。
    ここまで読んだら下巻も完走したいところ…

  • 個人的には宗矩と十兵衛の決闘までの流れが一番盛り上がる所だと思っているのですが(あと魔人化していく過程)、
    宗矩を倒した後、武蔵との対決まで持ってく展開が、何度読んでも
    「なんでこの流れをスピード落とさずに進められるんだ……!?」と思う。
    おかげで荒木又右衛門がなんで出てくるのか、昔の講談物を読むまで全然訳が分かりませんでした……。
    昔は武蔵に匹敵するぐらいの剣豪扱いだったんですね。

  • 2017年12月10日に紹介されました!

  •  柳生十兵衛が、よみがえった名剣士、田宮坊太郎、宝蔵院胤舜、天草四郎、荒木又右衛門、柳生如雲斎、柳生但馬守、宮本武蔵と闘う幻想的剣豪小説です。とにかく上巻は異常な事態が起こっていく過程、十兵衛が事件にかかわる過程など、異様な迫力に満ちていてとても面白いです。

  • 一刀両断という言葉が似合う作品。一撃で決まるところが好き。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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