- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062645591
感想・レビュー・書評
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大阪城落城寸前、秀頼の子を宿すよう命じられた5人の女忍者+徳川家を憎悪する千姫VS家康の命によりその腹の子を狙う伊賀忍者5人の死闘。
徳川VS豊臣、伊賀忍者VS真田くノ一という政治的な争いの中にあって、それ以上に強く描かれているのが女VS男です。
女を操る恐ろしい忍法を駆使する伊賀忍者、同じように男を惑わす忍法を操るくノ一。そして女の一生を利用した権力の男・徳川家康と、それを恨む千姫。
千姫一行は「妊婦」という最大に女の特徴を表しており、大きな腹を抱えた女達が、揃って凄惨な戦いを繰り広げていく姿には戦慄します。
女達の愛情と怨念にまみれた腹の子がだんだんと大きくなっていく様には、わたしも同じ女でありながらちょっと怖っかたです。
この女VS男の強烈な対立の構図に、女を道具にする女阿福や、千姫を慕う頼宜、愛する男を追った初音などの人物もあり、物語が複雑になっていきます。
この複雑さと長期戦で途中ちょっとだれましたが、「丸橋」の強烈なキャラクターはものすごく楽しめました。
最期の落とし方も素晴らしい!
ちょっとネタバレ・・・・・・・・・・・・
全員とはいかないまでも、無事に子を産んだお由比。千姫は初音を許したのかどうか……。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
相変わらず、すごい物語だ。
さすがにこの齢になると、このくノ一たちの描写だけでは勃たないけど・・・。
なまら、色っぽい、命の保証があるなら忍法にかかってみたくなる。 -
豊臣秀頼に嫁いだ、徳川家康の孫娘千姫。大坂の陣で豊臣を滅ぼした家康だが、千姫に対しては複雑な愛情を抱いていた。一方豊臣方の真田幸村は、信濃忍群のくノ一に命じて、秀頼の子胤を宿し、その血を繋ぐことを画策。秀頼を愛した千姫もそれを是認し、自らの庇護の下においた。家康は甲賀鍔隠れの里の精鋭五人に、真田のくノ一と秀頼の子の抹殺を指令し、かくて性の秘儀を尽くした妖艶な忍法合戦が幕を開けた。
風太郎忍法帖の一冊。相変わらず奇想天外な忍法勝負が繰り広げられ、科学的な仕組みとかそういう無粋なことを思い出す間もなく引き込まれてしまう。楽しい。 -
千姫と家康の攻防戦が楽しめる作品。忍術バトルも面白かったけど、その裏で暗躍されたこの二人のおじいと孫の喧嘩(?)が好きです。ラストが思わずニヤリとする。
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千姫様が出てくる話。うん、これはエロかった…。
あと家康様ざまあみろってなった。ごめんなさい。 -
大阪夏の陣、落城前夜に救出された千姫とその侍女たち。智将・真田幸村はその中に秀頼の落とし胤を身籠る5人の女忍者を潜ませていた。それを知った家康は、「子が生まれる前に始末せよ」と密命を伊賀忍者に下す。子を宿しながら迎え討つ、くノ一5人衆。果たして秀頼の血を残したいという千姫の願いは叶うのか。
『甲賀忍法帖』に圧倒されて数冊購入した山田風太郎作品。間にミステリを挟んでの、忍法帖シリーズ2冊目だが、やはりミステリよりも、本書のような忍者が出てくる話の方が面白いように思う。
『甲賀忍法帖』ほどの驚きと感動はなかったものの、妊婦忍者たちが活躍する様は妖しく美しく、壮絶だ。そして、匂い立つよつな日本のエロス。忍法がいちいちエロチックなのだ。それが謎めいていてとても良い。 -
荒唐無稽な山田風太郎の世界を堪能!
エロ忍法にいちいち科学的解説がついているのが
面白い。
なにげに家康の腹黒いかんじが好きです。 -
山田風太郎作品は初めてだったが、友人に貸してもらったので読んでみました。内容的には「くの一」ものと聞くと、いやらしい描写のイメージが強かったのですが、確かに性的な描写も数多く出てきますが、イコール忍法ということで、それほどいやらしさは感じず普通に時代劇の娯楽作品として楽しめました。
ストーリーも豊臣家の女残党(くの一等)に戦々恐々の徳川家康が服部半蔵率いる伊賀忍者を擁して、くの一を抹殺しようとする話ですが、豊臣家と徳川家の確執が話の中心に置かれている内容も良いですし、春日局など実際の歴史上の人物もストーリーに重要に関わっているところが引き込まれます。
山田風太郎の世界観に嵌りそうな今日この頃です! -
人が次々死んでいく話
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なるほど、名作と評されるのもわかる。忍法羅生門、すごい。最後の1行のインパクトはなかなか。