冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 7925
レビュー : 749
  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645607

作品紹介・あらすじ

同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園萌絵。だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女二名の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!?人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが…。究極の森ミステリィ第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 一作目が予想以上に面白かったので、続けて読んでしまいました。
    ドラマではこれが1話だったのですね。

    前作に引き続き、密室殺人です。
    これは密室殺人シリーズなのでしょうか‥?
    前作の舞台となった研究棟は頭の中で想像できたので、理解しながら読み進められましたが、今作は見取図がついているにも関わらず、想像の難しい建物でした。
    ほぼよくわからないまま読み進めたように思います。
    (見取図に記載されている「床レベル」ってなんだよ…)
    つくりがよくわからないことが純粋に楽しむことの妨げになっていたように思いますが、この部屋は中からしか開けられないとか、シャッターは人の目があるから出られない、とか位置関係を無視して考えると理解が進みました。

    前作でも思いましたが、犀川の頭が冴え出してから答えを教えてくれるまで、その説明の過程はちょっともったいぶりすぎというか引っ張るなあと思いました。
    説明も思わせぶりというか、いいから早く結論を!とじれったくなった部分がありました。
    これは犀川というよりは作者の性格?でしょうか。

    密室のトリックは面白かったです。殺人を行うための手順もなるほど、と思いました。
    それに比べ動機がちょっと軽いかもしれないですね。
    もっと木熊教授の自己犠牲による(歪んだ?)親子愛が強調されていると狂気があって私好みでした。
    この辺は登場人物が理系というところも関係しているのかもですね(理系=人及びその感情に興味がないというわたしの偏見です)

    実験室に閉じ込められた萌絵がPCを立ち上げ、暖をとりつつ、助けを求めるというシーンが好きです。
    助けを求めるのはともかく、暖をとるというのがわたしには全く思いつかなかったので、ははあ、頭がキレるというはこういうことか…と感心しました。
    わたしにとっては萌絵というキャラクターを表す重要なエピソードなので、ドラマでは確かこのシーンがなかったのが惜しいです。
    (犀川が神通力で助けにきた‥みたいになっていたような)

    他の小説や映画などでもありますが、犯人の一人称(とそれに近いもの)で観客を導くのはどうかと思います。
    "推理"小説と銘打っているのに、そのようにいくらでも隠したい部分を隠せる演出をしてしまうと、観客が"推理"できないですよね。
    そうする以外に技術がなかったのかしら‥?とも思えます。
    この小説だと、それまで犀川と萌絵の描写だったのが、突然市ノ瀬の描写になったところがヒントだったのかもしれませんが(確かにおや?と思いました。)

    前作ではフロッピーが登場して、おお、懐かしいと思ったのですが、今作ではカセットテープも出てきたではありませんか!
    shikaのメールを読むところ、95年とあって時代を感じました。

  • リンク友のページから刺激を受けて手を出したのに、第一巻​『すべてがFになる』​だけ​読み​、その後の「S&Mシリーズ本」が2冊ほど積読になっていたもの。今頃?と言われそうだが、謎解き本に賞味期限はあるようでないから。
    大げさに言えば、ドイル、クリスティーでもわたしの好きな松本清張にしても古くてもいものはいい。ミステリー小道具の変遷も妙味にになる。
    例えばこの『冷たい密室と博士たち』初版は、1996年だからWindows発売故に爆発的にコンピューターが一般化し始めた時期で、ネットワークへ入り込むのやハッカー存在なども新しかったはず。それを思い出すのも楽しく、それに悪いけど密室の謎も手垢にまみれていが、ストーリー展開が面白いミステリーには賞味の期限はないということ。

  • シリーズ2巻目。犀川先生と、もえちゃんのコンビにますますはまっちゃった。

  • "学問の虚しさを知ることが、学問の第一歩"
    これは学生時代に読みたかった…

  • 森博嗣のデビュー作『すべてがFになる』に続く
    犀川助教&西之園萌絵のシリーズ第2弾。
     
    デビュー作が『0xF』という『数字』を
    ただ単に使いたかっただけなんだな、
    という感じの強引な展開が目立ったのに比べて、
    本作は現役工学助教の本領発揮といった感じで
    論理的に進められており前作よりもおもしろいと
    感じました。
     
    本格ミステリー好きからすると、
    なんだよそれ、という感じかもしれませんが
    他の作品にはない理系人間の集まりを観察したい
    方におすすめできる作品です。


  • 心を遠くに置いて、頭をカラッポにして、



    ひたすら頁をめくる。



    頭が熱くなるのを感じながら、終盤一気に読み切る。



    最高に気持ちがいい。

  • 2つの密室に2人の死体。本来はS&Mシリーズの1作目なこともあってか、割とオーソドックス。真相に肉薄できそうで、させてくれない森ミステリィ。動機については、珍しく真面目な考察が書かれている。西澤保彦の解説まで読んで欲しい。

  • 【ゆるいミステリー】
    小説です。
    Fほどのスピード感はありませんが、これが本当の第一作目と思うと感慨深いです。

  • 10年ぶりに読みました。
    10年経つと忘れてるものだなぁ。ミステリィというジャンルは一回読めば十分、と思ってたけど。
    たとえば、国枝先生はこの時結婚したのか!とか。あれ、萌絵って漫研も入ってたっけ?とか。

    あと、犀川先生が若いと感じた(笑)

    Gシリーズあたりから森さんの文体とストーリィの趣向が変わって違和感を感じたものだけど、今はS&Mシリーズの説明多い文に違和感感じるなぁ。でも軸はブレてないんだよ。そして、冒頭が会議嫌いな話から入っているところは、Wシリーズのハギリ博士と一緒だ(笑)

  • ちゃんと初めの見取り図と見比べながら読み進めないと、部屋の構造が非常に想像しにくい作品。
    トリックはわかりやすく、納得。
    正直、トリックうんぬんより、文体やセリフ回し、散りばめられた専門知識などがとても楽しい。
    展開も引き込まれます。探偵役が狙われるのは普通なのに、このお嬢様には先生がついてるし何もないと思い込んでました。

    部屋の構造をわりとぼんやりにしたまま読み進めたので、密室を暴けませんでしたが、見取り図を見つつ犯人になったつもりで考えれば、暴けたのかもしれません。
    解けてスッキリをあじわうもよし、犀川先生に講義してもらってスッキリするもよし。

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著者プロフィール

森 博嗣(もり ひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家、元研究者。名古屋大学工学部建築学科、同大学大学院修士課程修了を経て、三重大学工学部助手、名古屋大学助教授。名古屋大学で工学博士を取得し、2005年退職。学会で数々の受賞歴がある。
作家として、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、同作で作家デビュー。S&Mシリーズとして代表作の一つに。『スカイ・クロラ』シリーズは本人も認める代表作で、2008年アニメ映画化された。その他にも非常に多くの著作がある。

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