ウィーンの密使―フランス革命秘話 (講談社文庫)

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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645621

感想・レビュー・書評

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  • やっぱり大好きすぎる。
    ルークがかっこよすぎる。
    前回、読んだときは、ロベスピエールだダントンだ、の流れが長くて、ちょっと斜め読みしてしまったけれど、「聖戦ヴァンデ」を読んだ後に読むと、すんなり。
    ルークが一人孤軍奮闘しすぎていて、読んでいて一緒につかれてしまうけど、たぶんもう10回は読んだけど、やっぱり面白い。
    そして、フェルゼンがばかすぎる。あの人、大っ嫌い。
    あと、ルイ16世はもうちょっと小さい国の王様だったらよかったのにね・・・と常々思うし、ヴァレンヌに逃げさえしなければ・・・ともいつも思うけど、今回改めて、この本を読んで、「自分は神から選ばれて国王になったのに、その神の代理人である法王を敵に回せと要求する国民のことはもう愛せない」という彼の気持ちにすごく納得。
    確かに、自分のアイデンティティを失うってことだもんね・・・。
    しかし、つくづくマリー・アントワネットもダメな女性だな。
    とも思うけど、これはマリア・テレジアにも責任があるよね。
    あと、藤本さんの作品は悲しい結末が多い。
    悲しいだけではなく、救いがあるようには書かれてるけども・・・だけども・・・ていう。
    はぁ・・・ルーク。
    でも、面白かった。

  • オーストリアのルーカスは、密命を受けて、フランスへ向かう。そこで出会ったのは一癖も二癖もある革命家や貴族、そして幼馴染みのトワネットことマリー・アントワネットだった。

    結局最後は当然のことながら革命を防ぐことが出来ず、命を狙われて逃げ帰ることになるのですが、いつまで経ってもお姫様気質が抜けず、現実的ではない恋愛にのめり込むマリー・アントワネットが段々哀れになってきました。だからこそあんな悲劇が起きたともいえるんですけどね。

    ルーカスの異母兄弟のアンリは若いのにしっかりしていて好感が持てました。兄を起こすために水ぶっかけるなんて面白い事するじゃん。好きよ、そういう人。

  • フランス革命の話としては、今まで読んだのとは違った切り口で面白かった。主人公がルーカスという貴族で、そのルーカスの視点で書かれているので、今まで読んできたものとは違った印象を受けた。アントワネットもフェルセンもイメージとは違う描かれ方だし、ラファイエット、ロベスピエールもかな。少し淡々とした感じかな。

  • マリー・アントワネットの人格形成に多大に影響を与えた、貴族の青年が主人公。少女時代の彼女と二年間を共に過ごし、非常に要領のいい我儘娘に仕立て上げたという負い目を抱えている。物語の時期は、バスティーユ要塞襲撃から、三頭派がジャコバン・クラブから抜けるまで。佐藤賢一「小説 フランス革命」シリーズと比べると、どうしても軽く感じる。ラファイエットやロベスピエールが好意的に描かれているのに対し、ミラボーやデムーランの扱いがよくない。革命の有名人が、ちょこちょこ登場し、ルーカスからの視点で描かれる。

  •  フランス革命を背景に、アントワネットの幼馴染が彼女を「救う」ために活躍する話。時代背景がとても好きだし、楽しみに読んだけど、当たり前だが「ベルサイユのバラ」とはずいぶん趣が違う。

     主人公が「密使」であるという時点でちょっと変化球になっていく。なんかさわやかでないのだ。その感じは、いかにも唐突で中途半端に感じたラストで最高潮になった。作者が作った船に乗って気持ちよく航海していて、とつぜん海に投げ出されたような気分である。

     フェルゼンの描き方が一番意外性があり、一番面白かった。あとはロビスピエールだろうか。登場人物はそれぞれに癖があり、主人公を含め全面的に感情移入させてもらえたないのが、かえって面白かった。

     立場を変えた続編があれば読んでみたい。
    2005/12/30

  •  オーストリアから使わされた主人公が、マリー・アントワネットの側からフランス革命を見る話。
     この主人公が魅力的。頭がよくて、行動力もあって、女にだらしない(笑) このバランスが絶妙で、途中のくすっと笑わせてるような部分が効果的になっている。
     結局、時代を読めず、自己を変えるということに思いいたることが出来なかったアントワネットの悲劇が、主人公の臍を噛む思いとシンクロさせている辺りは、上手いなぁと思う。
     しかし、ここで終りですか??
     なんか、途中でぶちきったような終り方してるんですけど…。
     そこんところは、すごい不満です。うん。

  • タイトルの通り。
    史実のアントワットに魅力を感じない、その上で、冷静に彼女を捕らえた話なので面白みには欠ける。

  • 去年フランスに行き「ヴェルサイユ宮殿」を見て以来、興味をもった「フランス革命」。
    大御所、ベルバラも読んでしまいましたが、こちらは「大人の」ベルバラ?という感じ。
    オスカルは主人公で・・・、などと妄想しながら読んでしまいました。

    最初に、予備知識に軽めのフランス革命の本を読んでおくと登場人物がわかりやすいかもなという印象。
    この主人公、実際にいたら「惚れます」。
    が、最後主人公がそうなってしまうとは・・・の結末に少し淋しくなってしまいました。

    ここで、内容について少し。
    フランスで市民からの暴動が起こり、このままではヨーロッパ全土の王権制度が危機に陥ると悟ったマリーアントワネットの祖国、オーストリア。
    オーストリアの威厳を守る為、密使を使いマリーアントワネットまたはルイに旧習の考えを改めさせようと、あれこれ手をつくすも、まったく別の方向へ向かってしまう。
    正直、典型的なお金持ちのお嬢様、おぼっちゃまが国王、王妃になっちゃったという印象。
    あってもまだまだ欲しがり、自分の欲望の事しか考えていない。
    少なからず、こういう人っているもんだと思うのですが、、、、。
    今まで「フランス革命」にこんな事を考えた事もなかったのですが、誰も本気で怒る、注意する人がいないという事の悲劇だったんだなと考えてしまいました。

    割と厚い類いなので最後まで読み切れるか不安だったものの、サクサク読める一冊でした。

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著者プロフィール

藤本 ひとみ(ふじもと ひとみ)
1951年、長野県生まれの作家。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説で脚光をあびる。フランス政府観光局親善大使。
国家公務員として厚生省に勤務し、その後は地方公務員に。兼業で少年・少女漫画の原作を手がけて、1984年集英社第4回コバルト・ノベル大賞を受賞。1992年に西洋史、犯罪を主題とした小説を描き始める。『侯爵サド』『ジャンヌダルク暗殺』で第19回および第23回吉川英治文学新人賞の最終候補。
ほかの代表作に、『新・三銃士』『皇妃エリザベート』『ハプスブルクの宝剣』『王妃マリー・アントワネット 華やかな悲劇のすべて』など多数。

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