密やかな結晶 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2369
レビュー : 315
  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645690

感想・レビュー・書評

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  • 静かだが、緊迫した物語だった。アンネの日記の設定を色濃く感じたが、伝わってきたものは、似ても似つかないものだった。消滅という名の老いや衰え。死へと進んでいくが、そこに生がある。死を思う自分にとっては痺れるお話でした。

  • 設定としては王道なディストピア風なんだけど、そこで「消失」に焦点を当てて書くのが小川氏流って感じでしょうか。タイプライターの話怖いなあ、と思ったら本編も怖かった。自分を食べる蛸、みたいな読後感。

  • 読み始め...09.2.15
    読み終わり...09.4.25 

  • ひと、とは。
    どのような定義を持って構成されているものなのか。

  • さすがの完成度。失われていくことの止められなさ、恐ろしさ、切なさを静かに徹底的に描いている作品。ただ世界観は他の作品に比べると好みでは無かった

  • 帰郷時に買ってきた本。かなり好き。読み終わった後、現実世界に戻ってくるのに半日かかった…。恐るべし小川小説。ただ、R氏の奥さんと子供が可哀想過ぎる…。R氏も色々覚悟出来てたのに、あんな形になってむしろ残酷な気が。でもそこが小川さんぽくていい。

  • 2回読みました。不思議だけど切ない。夢中で読んでしまった本。

  • 今年の最後は小川作品にしようと決めていた。儚くも美しい物語でした。大満足!!
    あらすじ(背表紙より)
    記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島の生活。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。何かをなくした小説ばかり書いているわたしも、言葉を、自分自身を確実に失っていった。有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、現代の消滅、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。

  • 私が今まで読んだ小川文学の中で「博士の愛した数式」かこの作品か。というくらい、どちらが良いかを迷う秀作です。

    もしかしたら、自分が人を助けようとしている事で、その人の良さを殺すような事をしているのかもしれない。とさえ、人との関わり方を改めて考えさせられた作品でもあります。

    また上品な感じの皮肉がある事も私がこの作品が好きな理由です。

    ただ一つ言えるのは、過去の事は忘れたとしても消せない。ということです。

  • 初読。タイトル通り密やかで静かな物語。解説は結末に上昇という語を使ってるけど、自分には上昇よりも沈殿していくような下方向の印象が強い。タイピストの物語と「わたし」は途中までは対称的でも、最終的には男に女が閉じ込められるという同一方向になった。身近な部分はひどく濃やかな描写がある一方で、漠然とした感じもあった。個人的には消滅のメカニズムや秘密警察についてのもう少し詳細な説明が欲しかった。

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著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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