地下鉄に乗って (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.58
  • (426)
  • (781)
  • (1215)
  • (124)
  • (16)
本棚登録 : 5104
レビュー : 679
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645973

作品紹介・あらすじ

永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは三十年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された"過去"に行ったため…。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 渋いなぁ。内容全然知らずに読んで、あらすじからしたらSFみたいになりそうなのに、ノスタルジーというか何というか。終始独特の雰囲気があり、最後まで昔の映画を見ているような気持ちになれた。やっぱり渋い。

  • 永田町の地下鉄駅の階段を上がると、そこは三十年前の風景。ワンマンな父に反発し自殺した兄が現れた。さらに満州に出征する父を目撃し、また戦後闇市で精力的に商いに励む父に出会う。だが封印された“過去”に行ったため…。思わず涙がこぼれ落ちる感動の浅田ワールド。吉川英治文学新人賞に輝く名作。

  • 『大人の童話作家』浅田次郎の初期作品。地下鉄という“地の中を走る電車”は景色も大きな変化のない、ある種の不思議な雰囲気を上手に使って現在と過去を繋ぐタイムマシンとして扱っている点が興味を引く。主人公は反目する父親の過去をタイムスリップを繰り返しながら知ることで時代と富こそ違え、父と全く同じ生方をしていることを思い知らされる。主人公の愛人であるみち子の存在と、彼女の“決意”こそは妻子ある主人公が父から受け継いだ血故の『引き継いだ業であり罪』ならば、それを残酷と言えるのだろうか。まさに大人の男の説話といえる。

  • タイムトラベ専門書店utoutoさんで購入した作品。傑作が多い吉川英治文学新人賞ということで少し期待しすぎた感はあるけど、タイムスリップをうまく使ってる話だと思います。

  • うーん、うーん…

    「キングダム」実写化の流れから、私の大沢たかおさん欲発動中。
    「メトロに乗って」ちゃんと見てないって事で原作を手に取る。

    親父と息子のよくわからない関係を、何かでスッキリさせたお話なのであろう。
    きっと時代とか生きてきた環境のせいなのであろう。
    そう思うことにした。

    私は、確信犯かそうでないかは置いといて佐吉や真次のような人をなぎ倒して行くタイプのエネルギーの使い方をする方々が非常に苦手である。
    他にやり方、言い方があるだろうに…と思ってしまう。

    昭和のおじさんだから仕方ないと昭和のおばさんは思うのであった。

    • moboyokohamaかわぞえさん
      私は浅田次郎さんのこの手の作品が大好きです。
      SFの様な、時として怪談のような。
      時としてどころかほとんどの作品が霊がかっていますよね。
      が...
      私は浅田次郎さんのこの手の作品が大好きです。
      SFの様な、時として怪談のような。
      時としてどころかほとんどの作品が霊がかっていますよね。
      が、そういうものと色合いの違う「ラブレター」、これ好きですね〜
      泣いちゃいましたよ。
      2019/09/26
    • mah33さん
      「ラブレター」巡り会えたら読んでみますね
      「ラブレター」巡り会えたら読んでみますね
      2019/10/07
  • 巻末の解説に関して、
    本作を父と子の物語として捉えた吉野仁氏の解説は非常に良い文章なのだが、みち子に対する言及が殆ど無かったのが気になった。

    個人的に、
    「本作を読み終えた読者は、どこかすがすがしい思いを抱いたのではないだろうか」
    という解説中における氏の一文にはあまり同意出来ない。

    具体的には、本編における下記一文が今でも心の中でもやもやと残ったままだからだ。

    --みち子が彼女自身の存在と引きかえたものは、いったい何だったのだろうと、

  •  タイムスリップというと、SFチックな物語を想像してしまいがちだが、浅田次郎さんという類まれな作家の手にかかると、渋い邦画のような味わいを醸し出すから不思議だ… 

     冒頭の掴みから、常に予想すらさせない展開で、タイムスリップのメカニズムに疑問を感じる余地が与えられなかった。このような設定でしが描けない世界観があり、私が大好きな池井戸潤さんの『BT’63』は、この作品のオマージュとして書かれたのでは?と思う程であった。

     物語をじっくり味わいたいという気持ちと、早く結末を知りたいという衝動を、常に闘わせながら読まなければならなかった。優れた作品は、読んで楽しいだけではなく、読者に人生を問いかけてきたり、示唆を与えてくれたりするところがある。この『地下鉄に乗って』は、まるで「あなたにとって人生とは、家族とは何ですか」と訊いてきているようだった。

     主人公である真次の人生は波乱に満ちており、多くの読者の人生とは隔たりがあると思うが、読了後は、自分の過ぎ去った人生と父、母、妻との関係とをメトロに乗って確かめに行きたくなることだろう。

     続いて『鉄道員』を読み始めたが、これもいいなぁ~

  • なんで、不倫していることが、堂々としていて
    まかり通っているのだろうか。。
    もう、こういうのは刑事罰にしてほしい。
    と思う、私の個人的な気持ちは抜きにして・・・・

    タイムトリップをしながら父を知る。
    ファンタジーなお話と言えばいいのだろうけれど
    戦争というのは
    どの人にとっても、悪でしかない。
    結局、誰も幸せにならないじゃないか!という気がした。

    女は添えもので、女は意志を持たず、
    女の気持ちは男が左右する、というこの時代が
    とても哀しい。
    そして、つくづく女は強く、男は女々しい。
    結局、暴力でしか自己を主張できないなんて。

    男の人には非常に都合のいい話だったと思う。
    書き手の年齢を思うと頷ける気もするけれど。

    みち子が消えてしまうのなら、
    その代わりにと言ってはいけないのかもしれないけれど
    お兄さんに生きていてほしかった。

    敢えての個人的な気持ちは、戦争の話が絡むのは、ダメだぁ。
    つらかったぁ。

  • 一体何という本なのだろう。色々な要素が塩梅良く練り込まれ、次頁が気になるが一行一行を味わってしまう。
    読後はホンワカ芯が温まる。惜しむべきは次郎さんの本は好きだけど残らないんだよなー!

  • アムールが父だったことには流石、と思わず感心してしまった。流石浅田と言うべきか、物語へ入り込めた。過去と現在を行き来する真次やみち子、その話を聞かされる家族の困惑や好奇心がひしひしと伝わってくる。
    しかしながら、まさかの終着点、事実には呆然。いくらなんでも悲しい、寂しすぎる。
    忘れられるとかの話ではなく、存在の抹消。誰も知らない存在。それはあまりにも。
    結局誰が幸せになれたんだろう、誰か幸せになれたのだろうか。
    シュールでロマンティックで非現実的で切ない、そんな物語だ。

全679件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。2018年12月15日、『輪違屋糸里』が藤野涼子、溝端淳平、松井玲奈らの出演で映画化。

地下鉄に乗って (講談社文庫)のその他の作品

浅田次郎の作品

地下鉄に乗って (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする