- Amazon.co.jp ・本 (599ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062646260
作品紹介・あらすじ
江戸時代から遊廓を営んでいた旧家にもたらされた殺人予告。かつて狂死した遊女の怨霊祓いの夜、果たして起きた二つの殺人事件。折しも乱舞する雪は、二十四年前の惨劇にも似て…。名探偵・二階堂蘭子が解きあかす「密室」そして「足跡なき殺人」の謎。美しき三姉妹を弄ぶ滅びの運命とは!?本格長編推理。
感想・レビュー・書評
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吸血の家
《血吸い姫》の話
第1の血 白い魔術
第1章 雪の中の予言
第2章 蘭子登場
第3章 警部の来訪
第4章 毒殺魔
第5章 足跡のない殺人
第6章 過去なる亡霊
第7章 奇跡の講義
第2の血 呪縛浄霊
第8章 眠れる女
第9章 血を吸うもの
第10章 教祖の笑い
第11章 死を刻む時
第12章 闇の中の浄霊会
第13章 日本刀の殺人
第14章 窓の影の魔
第15章 呪詛復活
第16章 毒に至る病
第3の血 吸血の家
第17章 姿なき殺人
第18章 脅える巫女
第19章 洋画の秘密
第20章 殺人鬼
第21章 殺人の解明
第22章 恐るべき真相
第23章 吸血の家
立風書房「吸血の家」 1992年10月
解説 鷹城宏
文士の親指 -
再読。舞台は昭和44年。蘭子たちは大学生になっています。殺人予告に始まり足跡なき殺人に密室殺人、24年前にも未解決の惨劇があり…。王道のしっかりとしたミステリですが相変わらず有名ミステリに言及する部分が多いので直接トリックに触れていなくても読んでいない本が出てくるとハラハラします。ほとんど覚えていなかったので初読のように楽しめたのですがトリックや伏線を探っている時に24年前と現在が混じってしまい混乱してしまいました。横溝正史を彷彿とさせる世界。最後の最後まで世界は白黒。でもこの雰囲気は好きですね。
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ー こうして、この奇怪な殺人事件は、私たちが愛読するジョン・ディクスン・カーの『三つの棺』の冒頭の章とよく似た出来事で幕をあけた。しかもこれは、数々の凶悪犯罪を解決に導いた名探偵二階堂蘭子の事件簿の中でも、特に《足跡のない殺人》という謎に真っ向から挑戦した異色のものになった。
一般的に言って、不可能犯罪には、《鍵のかかった部屋》とか、《人間や物体の消失》とか、《不可解な死》とか、あるいは《姿なき殺人者》といった困難極まる謎が存在する。その中でも、柔らかい砂の上やまっさらな雪の上に足跡を一つも残さずに殺人を犯していく者の話は、現象が単純できわめて明確なだけに、かえって我々をひどく困惑させる。 ー
二階堂黎人の実質的な初長編ミステリー。
ミステリー好きの為のミステリー。
一族への呪い、美しい三姉妹、病弱な娘、霊媒師、雪の足跡、泥濘の足跡、密室、日本刀、そして名探偵!素晴らしいガジェット!
横溝正史的世界観の探偵小説。
25年前の作品でもはや古典だが、懐かしくて面白かった。 -
初二階堂作品。
足跡のない殺人や、密室殺人など不可能犯罪に真正面から取り組んでいる。足跡〜のほうのトリックは見事だ。 -
2010.12.04
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二階堂蘭子シリーズ二作目。
とても読み応えのある本格ミステリー。
過去の殺人が一番好き!!
ジョン・ディクスン・カーの『テニスコートの謎』読んでみたいな。 -
最初の事件のことを思うと犯人の心理が、せつない。この犯人はサイコパスではなく、他者により作られた人格による犯行だったんだ。トリックは相変わらず本格しててよかったです。でも長いから、続編もゆっくり読んでいこう。
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美人姉妹に旧家での惨劇…横溝作品を彷彿させる妖しさに冒頭から惹き込まれます。
『足跡なき殺人』が2つ、密室殺人が1つと内容が盛り沢山ですし、物語の作り込みが丁寧で好感が持てました。
24年前の『足跡なき殺人』はシンプル且つ虚を突いたトリックで感心しましたが、テニスコートの『足跡なき殺人』は微妙でした。巧く盲点を突いてはいますが、よくよく考えると、地面の状態を見ればバレバレだと思います。旧家でテニスコートというのも若干浮いているので、なくても良い気がしました。
その他、蘭子のネタバレつきの推理小説批評にが鼻につきましたが、総合的に見ると良作な推理小説だと思います。