奪取(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2570
感想 : 181
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062646314

作品紹介・あらすじ

武器はニセ1万円札。復讐に挑む男の情熱。
友人のために始めた偽札づくり。涙と笑い、友情と闘いを描く傑作。

ヤクザの追跡を辛うじて逃れた道郎は、名前を変え復讐に挑む。だがその矛先は、さらなる強大な敵へと向かい、より完璧な1万円札に執念の炎を燃やす。コンピュータ社会の裏をつき、偽札造りに立ち向かう男たちの友情と闘いを、ユーモアあふれる筆緻で描いた傑作長編。予想もできない結末に思わず息をのむ!!

感想・レビュー・書評

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  • ラストが迫るにつれ、うまくいかないんだろうなぁと頭の片隅に思いながらも応援してしまいました。
    最後のオチは少し予測できたけど、なかなか面白い作品でした。

  • 話が進むにつれて、どんどんスピードアップ!
    目が離せなくなり、1日で一気読み。

    チームワークが何より爽快だった(*^^*)

    こんな結末が!!まさか(^_^;)という感じだったが、それでも面白い読み物だった!


    この本を読んで一番思ったのが、納期って大事ねってこと(笑)

  • ハラハラさせられて、上巻と合わせるとかなりの長編だったのにあっという間に読めました。
    著者さん、お金についてすごく調べているなあ。
    偽札を作っていく内容も面白いし、登場人物1人1人もキャラが立っていてとてもよかった。

  • 技術的な説明の部分を相当量読み飛ばしてしまった。偽札作りへの執念が凄まじい。ここまで押し込んで最後にアレを仕掛けて、スカッとした演出のつもりだろうが、個人的にはがっかりしてしまった。

  • 主人公たちが仕掛ける騙しの手口が見事で、ストーリー展開も波乱に富み、アクション場面も派手で、手に汗握るエンターテイメント性抜群の作品だった。
    登場人物がそれぞれ個性的でバイタリティーに溢れていて、特に水田の爺さんのスーパーマンぶりが凄すぎる。
    作品中に書かれている贋札作りの作業は試行錯誤の連続であり、膨大な時間、手間、経費がかかりそうで、よくこんなことをしようとする気力が起こるなと感心した。
    主人公のコンピューターに関する知識、度胸等もすばらしく、落ちこぼれではないし、贋札作りではなく、もっと健全で有意義なことにその能力を活かすべきだと思った。
    印刷、製紙などの技術的な説明がかなりの部分を占めているのだが、正直、読むだけでは理解できず、その部分に関しては字面を追うだけの苦しい読書になった。
    最後の三段のオチも、この作品の締めくくりに相応しいすばらしいものであった。

  • 上巻の1/3までは面白く、本の世界観に引き込まれていきましたが、「じじい」登場から人物や物語の設定にリアリティがなくなり、フィクション前提の話になってしまった。また、印刷のマニアックな話が長く、途中読み飛ばしでしまうことも…
    まあ飛ばし飛ばしであれば読めなくもないので、星3です。

  • ドキドキハラハラさせられる展開で一気に読み進めることができた!またかなり意外なラストでしたが、それがまた面白さを増していると思った!とっても良い作品\(^o^)/

  • かなりの長編でした。
    読みごたえがあります。
    始めはちょっとしたきっかけだったのに
    人生が変わってしまった・・・。
    始めと最後では5年以上が経っているし
    内容もかなり込み入ってます。
    今までは、悪いことをしてる主人公は最後は
    死んでしまって終わり、というパターンのものが
    多かったので、今回はそうでなく終わってよかった。
    しかしさいごの「真保裕一」というペンネームの
    件まで含めて、ホントにここまで考えられるって
    すごいなと思いました。
    偽札作りの工程まで、下調べもすごかったんだろうな。

  • 全体的には概ね面白く読めたが、印刷、製紙関連のウンチクが長過ぎ。特に印刷の方は用語や作業が理解できず、主人公たちが何やら苦労しているのは伝わったが、その場面が絵として全くイメージできなかった。
    それと、「本物と寸分違わない偽札は最早偽札ではなく本物と同じ」という信念で、それを目指して偽札を作っていたはずなのに最終的には「ヤクザと銀行に偽札を掴ませてやる」って感じに話がすり替わっているのが気になった。
    本物と違わないなら、何もヤクザに偽札を渡して本物に換金するなんてことしなくていいはず。
    終わり方もあんまり好みではなく。
    ルパン3世みたいな、憎めないヤツら感を出したかったのかな、と思った。
    でも、結構な長編にも関わらず、それなりに楽しんで読めた感じはあったので、なんだかんだで星3つ。

  • レビューにはこう書こう、と考えていた文章を、エピローグで禁じ手にされてしまった。これでは何を書いてもネタバレになってしまう・・・。

    偽札を作ることが人生の最大の夢だとして、それが叶う瞬間にはどんなにワクワクするだろう?人それぞれどんな夢であっても、夢の中で心は興奮と幸福感に満たされ、時間はあっという間に過ぎるだろう。この小説の中には、そんな人生の絶頂とも言うべき時間と、同じ偽札作りでも永遠のように時間が長く、やりたくない、やりきれない作業もあるのだという表現がある。同じ作業でも、感じ方が違う。これが面白い。人は何に夢を見て、何に興奮と幸福を感じるのか、読んで確かめるといいと思う。

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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