隼小僧異聞 物書同心居眠り紋蔵 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062646598

作品紹介・あらすじ

砂糖問屋橘屋から十両が消えた。奉公人の持ち物改めの末、手代の文吉が疑われて店を追われた。おりから市中を騒がせていた盗賊、“隼小僧”が捕まり、橘屋の件もその仕業と判明したのだが、紋蔵には合点がいかないものがある。表題作「隼小僧異聞」を始め8編を収録する、「物書同心居眠り紋蔵シリーズ」第2弾! (講談社文庫)


人生の哀歓をつづる“窓ぎわ同心”捕物帳!不慮の死をとげた父に替り南御番所に配属された藤木紋蔵は所かまわず居眠りする奇病の持ち主。内勤の例繰方に移ったものの次から次へ事件に巻きこまれるのだが。

感想・レビュー・書評

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  • 紋蔵に難問の仕事が次々と任される。
    紋蔵の人柄を知る上司や元締めらが影から助ける。

    人探しから、大名の借金まで今回も控えめながら大活躍。

  • 目次
    ・落ちた玉いくつウ
    ・沢瀉文様(おもだかもんよう)べっ甲蒔絵櫛(まきえぐし)
    ・紋蔵の初手柄
    ・罪作り
    ・積善の家
    ・隼小僧異聞
    ・島帰り
    ・女心と秋の空

    5人の子供のうち、一人は嫁に行き、一人は婿養子に行ったため、少し寂しくなった紋蔵家。←展開早っ

    時と場所を問わず寝てしまう奇病のせいで出世もままならない紋蔵だが、今回はいくつかのお手柄が続き、いよいよ出世コースに乗るかと思われたが。
    何も考えずに法律に照らして処置すれば問題はない。
    けれどそれは、誰かを幸せにするだろうか?
    悪人だけが得をしていないだろうか?

    こういうことを考えて、悲しい事件の被害者のような犯人を見逃したりするから紋蔵は出世できない。
    こういう人情的解決は割と時代小説には多いけど。

    好きなのは「積善の家」。
    ”思えば、役所に勤めはじめてからの三十年。一つとして碌なことがなかった。捨吉はつきというが、なに積善の家の余慶が、まとめて訪れてきただけなのだ。けっしてつきなどではない。
     なにか開き直るような気持ちで、紋蔵はそう考えた。”

    誰に評価されるわけではなくても、実直に仕事を続けてきた。
    つまり、そういうことだ。

  • 物書同心居眠り紋蔵シリーズ第二巻。
    居眠りという奇病を持ち窓際族の紋蔵だが、どこか毅然とした風格があります。法に照らせば問題だが人情的には許したい、そういった事件を窓際という自分の立場を上手く利用して解決(真相を知りつつもウヤムヤに)していきます。その為に出世も出来ないのですが

  • ・落ちた玉いくつウ
    ・沢瀉文様べっ甲蒔絵櫛
    ・紋蔵の初手柄
    ・罪作り
    ・積善の家
    ・隼小僧異聞
    ・島帰り
    ・女心と秋の空

    手柄を立てたり、助けられなかったことを失敗したりと普通の人と同じように失敗したり後悔したりしながらの日常の中で長女の縁談がまとまったり役が変わったりと少しずつ変化していく。一つ一つの出来事の積み重ねて昨日から今日、今日から明日へと着実に生きている生活感のある進み具合がとても良い。

  • やる気があるのか無いのか、それでも厄介事が紋蔵へ舞い込んでしまう。白黒はっきりさせることが最良ではないという解決の仕方に、現実を感じます。紋蔵の立場だからそれが許されるのかもしれませんね。

  • 始終ぼやいているような主人公が妙に味がある。特に「積善の家」は話が妙な方向に結びついてハッピーエンドというのが面白かった。前作はずっと昔に読んだだけだったが「恵比寿屋喜兵衛手控え」と同作者だったとは。

  • この巻は切ない話が多かった。ずっとこんな感じなのかな?

  • 3巻1巻2巻(これ)の順番に読んだが2巻が一番つまらんかった。話が浅いというかタマタマが多すぎる。1間から順に読んでると3巻は読まなかった。

  • 物書同心居眠り紋蔵 第二弾

  • 初版本

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著者プロフィール

佐藤 雅美(さとう・まさよし)
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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