文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.01
  • (1996)
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本棚登録 : 12979
感想 : 1192
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  • Amazon.co.jp ・本 (1060ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062646673

感想・レビュー・書評

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  • 頁数の多い作品はテンションあがる。評価も高いのでわくわくしながら読んだ初の京極作品。
    読みにくいことはなかったんだけど、よくわからなかった……
    登場人物たちの執着のベクトルがいちいち理解の範疇を超えてた。
    動機が理解できない話は苦手なのかもしれない。

  • みっしりと内容が詰まっていて読み応えがあった。

    恐ろしく猟奇的な事件であった。
    気分が悪くなりそう。
    だけどこの感覚が堪らない…

    このシリーズは長い時間をかけて全て読破していきたい。

  • 長すぎる。京極堂の超能力、占い師、霊媒師、宗教の説明の件が難しすぎて意味不明で理解不能。魍魎の説明でもう読む気が失せそうになる。
    何かとウンチクを語りたがる京極堂の話は読むのが疲れる。
    小説の内容としては、少々強引に解決に導くところがあるが、伏線は回収している。
    好き嫌いが分かれる作品かな。

  • 初京極夏彦デビュー。
    もっと魑魅魍魎奇怪なお化け寄りな感じかと思いきや、ずっしりとしたミステリーで意外だった。
    出てくるキャラがどの人も個性的。
    ただ京極堂のうんちくが長くて長くて長くて…
    面白いうんちくの時はスラスラ進むけど、そうじゃ無い時はしんどくて、正直本編の話がなんだったのか忘れてしまうことも…
    でもまた機会ぎあれば他のも読んでみたい。

  • 『姑獲鳥の夏』に次いで2作目。みっちりぎっしりと詰まっているのは少女の死体…(流石に匣詰になっている少女が出てきた時は、リアルに「ヒェ」って声が出た)。ではなく文量と重さ。いや〜重すぎる、重すぎて腱鞘炎になりました!!!御巫山戯はこのくらいにしておいて、、

    本作は主に加菜子消失(木場修サイド)と連続バラバラ事件(関口くんサイド)の二つに分けられるだろう。関口くんサイドは前作の「罪状」、信用ならない語り部なので引っ張られないように頑張って呼んだが、定期的に木場修サイドが関わってくるので、半ば安心して読めた。

    まず、木場修サイドは、1作目では脇役であった刑事「木場修」こと木場が遭遇した電車の人身事故から物語が始まる。暗い性格で友達もいなかった楠本頼子は、クラス一の秀才で美少女の柚木加菜子と戸惑いつつも親睦を深める。互いに孤独だった夜、2人で最終電車に乗って湖を見に行こうと約束する。しかし加菜子はホームから線路に転落し、列車に轢かれてしまう。その現場に遭遇した木場は頼子と共に加菜子が運ばれた病院へ向かうが、状態は芳しくない。そこへ女優・美波絹子こと加菜子の姉・柚木陽子と出会い、「加菜子を救える可能性があるところを知っている」という姉の陽子の意志で、加菜子は謎の研究所に運ばれ、集中治療を受ける。事故の後も研究所に通い詰めていた木場は、陽子が脅迫文を受け取っているのを目撃した。彼女は大財閥の遺産相続者だったのだ。厳戒態勢が敷かれる中、8月31日に頼子が加菜子は黒づくめの不審な男に突き落とされたと証言。殺人未遂の可能性も浮上するが、衆人環視の中で加菜子は謎の失踪を遂げ、その研究所で働いていた須崎と呼ばれる男も何者かによって殺されていた。

    次に関口くんサイド。木原が遭遇した人身事故から半月後、小説家・関口巽は稀代の新人小説家・久保竣公と出会う。そして雑誌記者・鳥口守彦と稀譚社社員・中禅寺敦子と共に、前日に発見された少女のバラバラ死体の情報を追って道に迷い、とある「匣」のような建物と遭遇する。その建物こそ、加菜子が収容された研究所・美馬坂近代醫學研究所だった。それから2週間余りが過ぎ、バラバラ死体が連日発見されて武蔵野連続バラバラ殺人事件と呼ばれるようになったのと同じ頃、鳥口は「穢れ封じ御筥様」の調査を行っており、手に入れた信者名簿とバラバラ事件の関連性に気付く。そして関口の紹介のもと、御筥様を糾弾すべく拝み屋・京極堂に相談を持ちかける。

    この二つの事件が奇妙に交錯を始め、最終的に京極堂の「憑き物落とし」で解決…これを…?解決と呼んでいいのか…?衝撃的で救いのない秘密が暴かれた時、これに全て適応して逃げおおせた雨宮さんの壊れっぷりがすごい。誰かを狂おしいほど愛するためには、幸せになりたいなら、正気を捨てて欲求に忠実に。それを律するために理性やら、法律やらがあるけど、それはもう正気を失ってしまっているのなら、枷にはならないんだろう。後味は悪いけど、それも幸せのカタチですかね…。

  • 面白い気もするが、長い。込み入っている。

  • ちょっと京極堂にたいしてうざいなと思った。
    そんなになんでも自分一人がわかってて、疲れないかね?

    匣の中に少女をつめることによって、ちょっとだけ延命できる。必要最低限の器官を生かすだけの労力で済むから、という理屈。
    ちょうどその匣を持ち出した雨宮とおはこ様の息子が電車であい、おはこ様の息子は俺も欲しいと思って、近所の女の子を誘拐して生きたまま四肢を切断して匣に詰めようとする。

    榎木津はすっとぼけてて、でも非常に力があっていい。
    「あんたは他の宗教にはいってるから、勝手に救われなさい。でも娘は違う。だからこの亀様を信じなさい」とか。

    陽子が無傷(まあ、娘はいなくなるわ父は殺されるわで無傷ではないのかもしれないけど)なのが、ちょっと嫌だったね。

    殺人は誰でもできる。殺人できるチャンス(環境など)があれば、一線を越えてしまう。そういうものだ。
    だから理由なんてあまり関係ない。
    確かにそうだと思う。

  • 単なる犯罪じゃない、複雑に絡み合う。
    リアリティーと、人の心の中に巣食う魍魎と。
    混在しながら種が明かされていく。

    京極堂さんかっこよす。
    榎木津さんのふわふわとつかみどころのないキャラが一番すき。

    匣の発想は行き過ぎてるけど、自分の中で余分なものを削ぎ落としてシンプルに生きたい気持ちをふと思い出した。しがらみとか、面倒な感情とか。
    でもそれがなくなっちゃうと今度は余分で雑多でどろどろしたものが懐かしく、手に入れたくなっちゃうんだよね。そんなとこまでちゃんと表現されてた。
    うーんなんかじわしわくる。余韻がすごい。

    これが凶器になる本かぁー
    手が小さいので読みづらかったです笑
    この本読み終わらなきゃ夏が終わらない気がして
    一所懸命読んでましたわ。
    初、京極夏彦氏読了。


    「ほう、」

  • こんなに分厚い本を読み終えるだろうか、という不安は不要だった。
    どんどん世界に入り込んでいけた。
    途中少し読みづらい部分もあるけど、気にせず読んだ。

    ただ読了して思い返すと、ここまでのページ数が果たして必要なのかという気もした。

    初めての京極さん。
    楽しい時間だった。
    手首をやられそうになったけど。

  • 一作目の登場人物がたくさん出てきますので、
    「姑獲鳥の夏」を先に読んでおくことをお勧めします。

    本作は、刑事の木場さんを中心に話が展開しますが、
    あまり木場修さんに親しみを感じない私には、
    一作目の「姑獲鳥の夏」のほうが面白かったです。

    やはり京極堂さんの関口さんを小馬鹿にしながら、
    回りくどい蘊蓄を述べるのがツボなので、
    もっと増やして欲しいです。

著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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