文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 9406
レビュー : 1020
  • Amazon.co.jp ・本 (1060ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062646673

作品紹介・あらすじ

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物-箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!?日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。

感想・レビュー・書評

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  •  京極堂が関口君の本の掲載順を考えて置いてあげたシーンがとても好き。
     ご無沙汰すぎるのがちょっと面白くなくて鳥口くん巻き込んで小さな意地悪をして、それでもなんだかんだで目的を達成させてあげて、物事を進展させて一人になった時関口君の忘れ物に気付いて、京極堂は聡明だからきっとその忘れ物を見て関口君の用件が鳥口くんのそれだけじゃないことに気が付いてああ悪い事をしたなあ、言えば良かったのに、いや言えなかったのかってとこまで考えて、まだ決まってないんだろうって想像して自発的に考えてあげたんだろうなあという気がしてその思いやりがとても心地よい。
     最後の関口君の本を見て大笑いしているところも好き。

  • やはり長編でした。仕事の昼休みなどの空いた時間を見つけては読んでいました。京極堂の憑き物落としのシーンは流石です。ここだけは一気に読み終えました。点在していた無数の伏線が見事につながり一本の線になる様は圧巻。あー、それでこうなるのかと!それと無駄なうんちくがまた至高!ただ、この小説はトリックを楽しむミステリとはちと違うようです。魍魎とは何なのか。気になる方は是非読んでみてください。猟奇事件に耐性がない人はキツイかもしれませんが。最後に一言。 「ほう」 私は何だか酷く、あの男が羨ましくなつてしまつた。

  • 面白かった!前作の姑獲鳥の夏は認識の話で、今回は順番の話かな、と思いました。相変わらず秋彦が喋り始めると止まらないしめっちゃ面白いし一度話し始めれば関口くんは「よよい」くらいの合いの手しか入れることができないのが面白くてしょうがなかった。バラバラだったそれぞれの怪しい事件が繋がったり離れたりしていくのや、秋彦が喋って事件解決かと思わせて、そういえば秋彦が動いてからが解決だな!と思いました。事件は前作よりもウルトラショッキングだし後味は相変わらず悪いけど面白かった!長さが気にならないくらい!

  • 5 

    振り返ると三月ばかり短編集ばかり読んでいる。読書にあまり時間が取れないせいか、取りたくないせいか、半ば無意識に長いものを避けていたようだ。世間では連休ということもあり、この機会に長編を、どうせならしばらく積んでいる文庫で千頁超の本作を、ということで手に取った。個人的には連休など無関係なのだが。

    前作を読んだときにも感じたが、ぱっと見の取っ付き難さに反して、圧倒的なリーダビリティであり、(物理的にはともかく)まるでボリュームを感じさせない。巧妙な語り口で読み手をひきつけ、頁を繰る手が止まらない。久々の没入感であった。

    個別の事件のトリックや真相は割とシンプル、読んでる端からわかってしまうので、全体のプロットも主要登場人物が出揃ったあたりでほぼ予測がつく。しかし、それで興が削がれるということはなく、むしろ、このとっ散らかった、いやとっ散らかるであろう話をどう進めるのか、どう纏めるのかという点で俄然注目させられる。そしてその点では読み手の想像など遥かに越えていた。とにかく話の持っていき方、纏め方、筋立ては見事と言って良く、何しろ登場人物に吐かせるセリフが、こんなことまで言わせるのかという意味で、これまた想像を超える。主脇含めて最高のキャラクター小説と言える。

    描かれているのは人間の様々な妄執。そしてその妄執からの解放。“憑き物落とし”の説得力。非常に濃い、十分な湿り気を含んだ、カタマリのような物語だ。ああ面白かった。

  • うーん、面白い。本書自体がミステリーの凶器になり得そうな分厚さながら、サクサク読める。映画版鑑賞済みなので、筋書きが分かっていてもグングン惹き込まれるし、これだけ様々な要素をふんだんに盛り込みながら、まるで『隙間のない【箱】』の様に収束する構成には恐れ入る。題材の【箱】に込められた複数の意味合いや、京極堂の説く犯罪の概念等、色々と興趣が尽きない。関口が京極堂に【口答え】さえしなければ、実際の3分の2程度の頁数に収まる気もするが、読了後はこの冗長さこそ必要に思えてくる。成る程、この世には不思議なことなど―。

  • 長い!けど圧倒的に面白い。小説内の猟奇的殺人は現代だと現実に起きうるから怖い。 片手で読めない分厚さ、そこだけが難点。

  • 京極堂2作目。
    箱を祀る宗教、箱詰めにされた少女たちの四肢、巨大な箱型の建物。箱に絡んだ事件にいつもの面々が絡み京極堂の元に集まる。果たして京極堂は憑物を落とせるか。

    こちらも映画を先に観てしまったので、時間をあけてから読みたかった作品です。とにかくその厚さに手がすくんだのだが、前作が面白くそのまま読み進めてしまった。
    それぞれが別々に関わりながらも、それぞれ重要部分があり、最後にはまとまるというピースのはまり具合が最高でした。京極堂の過去もあり、戦争中、戦後の混乱の中、苦労した事が描かれ感慨深い作品です。

  • 『匣に取り憑かれる』って発想が耽美すぎる!
    うっとおしくてウザい京極堂の語りはクセになり 痛快で笑いが起きてしまいそう。絶対途中でやめるもんかと半分意地になって読んでる人 多数?!
    4人のキャラ設定が何より魅力的。

    作中作品の小説、興味津々。番外編で出してほしい。

  • 姑獲鳥を読んで幾分慣れたといっても面白かった。わたしに足りないのは「救われる人間がいる限り、それはそれで良いのだ」という優しさなんだろうかと、考えたりも。

  • いつか読もうは馬鹿野郎。
    ということで、読み始めちゃえばこっちのもんよ、と埃被っていたのを引っ張り出してきました。
    読む前からわかっていたことでしたが、やはり面白い。
    小説としての完成度が恐ろしく高いんです。
    ミステリとして見ると、衆人環視での消失という謎の解は、見当がついてしまうかもしれない。しかしそれが瑕疵にならないほどに読ませる力があります。
    京極堂が言うように、一連のものに思える事件の構図は、そう見えるだけであってバラバラのものです。
    それなのに読み終わってみると、綺麗に纏まっている。物語を構築する技術が尋常ではありません。
    『姑獲鳥の夏』で見せた膨大な蘊蓄が説得力となって真相を支えるという力業も健在。
    方々で語り続けられるだけのことはある傑作です。

    それにしても、久保が書いた『匣の中の少女』の美しさよ……

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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