家族シネマ (講談社文庫)

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レビュー : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062646680

感想・レビュー・書評

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  • 風景描写の巧みさに舌を巻く。鋭い観察眼とそれを見事に表現する語彙と文体。すっげえと思いながら読んでた。

  • 家族シネマ
    真夏
    潮合い

  • 初めて読む柳美里。
    10代のころに「石に泳ぐ魚」のあれこれで知った名前で、そういや小説読んだことないな…と思ったら面白いじゃん…もっと早く読めばよかった…
    読んだ後に知ったけど、これも私小説に近いのかな?
    いやらしくない陰鬱さで、女ーーーーって感じで、よかったな。

  • 1999年(底本97年)刊行。家族シネマ/真夏/潮合いの3篇。幻想的というか、オーロラを見ているようで、人としての実在感を感じさせなかった。文体なのかなぁ、受け手(つまり私)の問題なのかなぁ?あるところで心情を描いていたと思えば、場面が急転して、ついて行きにくい。

  • 表題の家族シネマはビジュアルに斬新さを感じたが、訳のわからない家族の行動や会話に苛立ちを感じた、しかも長い。
    真夏は良かった。日常のほんの一時に、回想シーンも含め、主人公の内面を描写する構成が好きかもしれない。
    潮合いはいじめをテーマにして、子供たちの内面を淡々と描いた短編。
    家族シネマは映画化されたよう、どう映画にしたのか気になる。面白くなさそうだが

  • 3編の話が収録されていて「家族シネマ」は自分の家族をモデルにした話だろう。

    所々に実際のエピソードもあるのかもしれない。

    「真夏」はわからない。そんなにぐっと来るところなくさらっと読んだ。

    「潮合い」が小学校高学年女子の感じが感情をざわつかせる。

    あの年頃の女子のグループの陰湿さ、異端を認めない狭量さ。

    懐かしくも思い出したくない感情を思い起こさせた。

    彼女の書く話は事実だけを突きつけてくる。

  • 家族シネマは芥川賞受賞作品。他2つの短編ありです。
    暗いって感想が多いけど、僕は柳美里の作品が大好き。この救われない感じと。
    怒りとか憎悪とか悲しみとかそういう感情が飛び交っていて、それをひっくるめると“狂気”になるよーみたいな構図(主観)。通奏低音のように響く狂気、読んでいてぞくぞくします。

    柳美里はうつ病の症状が激しいみたいなので、僕が好きになる理由もわかりますね(;´Д`)
    なににせよ常人では到達し得ない感性の持ち主であることはかわりないです。
    鋭利なんですよね、トゲトゲ。ウニ\(^o^)/

  •  崩壊した家族が映画を撮るために再び結集するという物語。
     家族の壊れ方がすごい。
     特に母親の欲が深くて、はっきりいって、救いようがない。胸にシリコンを注入する手術をおこなった母の姿がなんだか欲のかたまりみたいで象徴的だ。
     力作ではあると思いますが、全体として、私も細部のストーリーが繋がっていかないような印象はうけました。

    * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
     
    にゃんくの本『果てしなく暗い闇と黄金にかがやく満月の物語』より
    (あらすじ)

     七歳になるリーベリの元に、或る日、継母のケイとその娘ミミがやって来ます。継母に虐められ、リーベリは学校にも通えず、幼い頃から働かされ、友達すらいなくなります。
     リーベリの心の拠り所は、亡くなったママ・ジュリアが遺してくれた魔法の教科書だけ。リーベリは毎日魔法の勉強をし、早く大人になり自由な生活を送れる日が来ることを夢見る毎日です。
     成長したリーベリの唯一の仲間はぬいぐるみやカラスだけです。
     或る日、そんなリーベリは、海岸にひとり男が倒れているのを見つけますが……。


    ↓ここから本を試し読みできます

    http://p.booklog.jp/users/nyanku

  • 芥川賞受賞の表題作は、崩壊している家族の物語。他2篇収録。
    柳美里は、「命」シリーズ以外はもう読むまいと思ったのに、また読んでしまい、後悔している。彼女は人にまで絶望を押し付けている気がして、耐えられない。救われたいから書いているわけではないにしても、こんな小説を書いている限り、本当に一生救われない。

  • 1996年度下期芥川賞受賞作。表題の通りに、家族を描くが、それは物語の冒頭からもはや完全に崩壊している。あるいは見方を変えれば、それぞれのエゴを際立たせるために、ことさらに家族の再構築が図られているかのようでもある。彼らが元は1つの家族であったことは、シネマの虚構の世界においてのみ、かろうじて接合されるのである。彼らのアイデンティティは、当然家族の内にはないが、では何処にあるのかと言えば、それ以外の何処にもないのだ。つまり家族の全員がデラシネ状態であり、とうとうそれは最後まで打開されることはなかった。

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著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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