家族シネマ (講談社文庫 ゆ 4-1)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062646680

感想・レビュー・書評

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  • 芥川賞受賞の表題作は、崩壊している家族の物語。他2篇収録。
    柳美里は、「命」シリーズ以外はもう読むまいと思ったのに、また読んでしまい、後悔している。彼女は人にまで絶望を押し付けている気がして、耐えられない。救われたいから書いているわけではないにしても、こんな小説を書いている限り、本当に一生救われない。

  • 登場人物たちの気持ちにいまいち入り込めない部分が多かったが、それでも人間の業の深さや複雑さなどがよくわかった。

  •  
    ── 柳 美里《家族シネマ 1996‥‥ 19990901 講談社文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4062646684
     
    (20231128)

  • 「シヌわけがない」印象に残るなぁ、これ。

  • 芥川賞受賞作。柳美里の若き才能溢れる本。
    書き出しも素晴らしい。これほど表現力が豊かな作家もそうはいないだろう。また、硬質な心理描写もいい。人間の心の内面を描くとすれば、女性作家としては高村薫よりうまいんではないかと思う。
    表題の他、2編の短編を収録しているが、どれもいい。特に表題作はお勧め。見事に作者が意図する“家族”と“シネマ”のつくりものの滑稽さと、もろくも崩れる不安定なバランス感覚がマッチして、絶妙な一つのテーマが融合されている。

  • 風景描写の巧みさに舌を巻く。鋭い観察眼とそれを見事に表現する語彙と文体。すっげえと思いながら読んでた。

  • 初めて読む柳美里。
    10代のころに「石に泳ぐ魚」のあれこれで知った名前で、そういや小説読んだことないな…と思ったら面白いじゃん…もっと早く読めばよかった…
    読んだ後に知ったけど、これも私小説に近いのかな?
    いやらしくない陰鬱さで、女ーーーーって感じで、よかったな。

  • 1999年(底本97年)刊行。家族シネマ/真夏/潮合いの3篇。幻想的というか、オーロラを見ているようで、人としての実在感を感じさせなかった。文体なのかなぁ、受け手(つまり私)の問題なのかなぁ?あるところで心情を描いていたと思えば、場面が急転して、ついて行きにくい。

  • 表題の家族シネマはビジュアルに斬新さを感じたが、訳のわからない家族の行動や会話に苛立ちを感じた、しかも長い。
    真夏は良かった。日常のほんの一時に、回想シーンも含め、主人公の内面を描写する構成が好きかもしれない。
    潮合いはいじめをテーマにして、子供たちの内面を淡々と描いた短編。
    家族シネマは映画化されたよう、どう映画にしたのか気になる。面白くなさそうだが

  • 3編の話が収録されていて「家族シネマ」は自分の家族をモデルにした話だろう。

    所々に実際のエピソードもあるのかもしれない。

    「真夏」はわからない。そんなにぐっと来るところなくさらっと読んだ。

    「潮合い」が小学校高学年女子の感じが感情をざわつかせる。

    あの年頃の女子のグループの陰湿さ、異端を認めない狭量さ。

    懐かしくも思い出したくない感情を思い起こさせた。

    彼女の書く話は事実だけを突きつけてくる。

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著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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