江戸川乱歩賞全集(8)殺意の演奏 仮面法廷 (講談社文庫)

制作 : 日本推理作家協会 
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (824ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062646758

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  • 殺意の演奏/大谷羊太郎:第16回大賞受賞。1970年。
    良い大学出て、マスコミで活躍したかった男。まず志望校に入れなかったので、地元大阪の芸能ショーの司会者に。死体となって発見され、密室であったこと、遺書らしきものもみつかったことから自殺と処理。数年後、とある小説家の一文から自殺を疑った弟と友人が真相に挑む。
    ミステリーらしく、密室の謎を解く。外から錠をかける技とかね。今では使い古されちゃったけど、本格ぽいよね、こういうの。
    小説家犯人説で終わるが、死んじゃってるし、そもそも小説家が残した文章がフィクションかも、て終わる。
    当時の芸能事情が書かれてたのもよい。グループサウンズとか、フォークとか。知らんけど。

    仮面法廷/和久俊三:第18回大賞受賞。1972年。
    十億が絡む土地売買。売り手(自称代理の謎の女)の書類はすべて巧妙な偽物だった。買い手は海千山千。法の抜け穴を熟知していて、その土地にボーリング場を建設中。本来の土地持ち主は激怒するが、なすすべなし。
    仲介した男は、刑事とともに真相に挑む。そのうち、殺人事件も起きる。謎の女は誰?仲介した男の元妻も絡み、その妻が疑われる。なぜか自白する。
    謎の女、ゲイボーイだった。本来の土地持ち主。そこにゲイバーをつくりたかったが、父が生きてる間は自由にできないから。
    ここの殺人も密室なので、トリック暴きが出てくる。前日に仕込んでおいた青酸カリで死んだんだけどね。
    ゲイが出てきてからの展開が早く、あれよあれよと真相が。

    密室とか、いいね。本格ぽくて。王道だよね。王道でいけたんだよね、この時代。

  • 水準の高い受賞作2つ。お得感半端ない。

    和久峻三さんの方がお堅い法廷ものかと思いきや、メロドラマ要素をうまく絡めていて、ぐいぐい話を引っ張っていくのが意表を付かれた。ラストの余韻がいい。
    最終候補に残ったのが、他に山村美紗、皆川博子、中町信、井口泰子って豪華すぎィ! 山村美紗「黒の環状線」だけ読んだことあるけど、普通にアイディアや仕掛けが面白かった。キャラ描写や小説としては受賞作の方が勝ちかな。

    大谷羊太郎さんの方は作者の考えたラストの正しい解釈が良く分からない…。謎解き要素やお遊び要素は盛りだくさんなのだけれど。

    この頃の乱歩賞はやっぱりレベルが高いと思いました。

  • 江戸川乱歩賞
    (収録作品)「殺意の演奏」大谷羊太郎(1970/16回)/「仮面法廷」和久峻三(1972/18回)

  • 「仮面法廷」も「殺意の演奏」もお勧めです。

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