侵入者ゲーム (講談社文庫)

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  • 講談社 (1999年8月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (442ページ) / ISBN・EAN: 9784062646772

感想・レビュー・書評

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  • どの物語も当事者ならば「えっ、あの人が?」と思うような立ち位置にいる人が犯人だった。
    それは母親だったり妻だったり、信頼すべき大家だったりおとなしそうな家政婦だったり。
    「月光仮面を知ってるかい」は、母親の愛情の凄まじさを描いた物語。
    人目を気にしつつ、文字を刻んでいる姿を想像すると切なさと狂気を感じてしまう。
    「ラヴァーズ・レーンの恋人たち」の空気感がけっこう好きだった。
    絶対に知られてはならない秘密。罪の意識に押し潰されそうな日々。
    それでも笑顔で過ごしてきた時間。
    年に一度だけの悔恨の花束。
    これからこの二人はこれまでとおりの生活が続けられるのだろうか。
    何も知らなかったときには戻れないのだから。
    タイトルにある「侵入者ゲーム」が、人間の醜い欲望を動機としていて一番怖かったし気味が悪かった。
    欲望には際限がない。
    徐々にエスカレートし、より過激なものを、刺激的なものを求めるようになる。
    やがて取り返しのつかない結末に行き着くまでそれは止まらない。
    悪意のある傍観者として他人の人生を弄ぶのはもちろん許せない。
    でも、何よりも悪意を持つようになった動機が理解できなかった。
    身勝手すぎる、としか言いようがない。
    命を弄びたいならば、どうか自分の命を弄んでくれと言いたくなってしまった。
    それぞれの時代背景も込みで読んでいて飽きないし疲れない。
    面白い物語だった。

  • 2014.1.14処分

    その時代だからこそ成立したと言える殺人事件を集めた短編集。
    「月光仮面を知ってるかい」43歳の男性が、偶然再会した小学校の同級生と話すうちに、殺された同級生の真犯人に思い至ってしまうという話。
    「ラヴァーズ・レーンの恋人たち」大学時代に、学生運動の仲間でもあった彼女を殺された男性が、毎年供えられている花束の花言葉をきっかけに20年後犯人に行き着いてしまう話。
    「侵入者ゲーム」奇妙な人ばかりが住むアパートに暮らす彼女を密室殺人の状況で喪った男性が、テレビとラジオの同時視聴という現場の状況から真犯人に至る話。鍵の謎。
    「泡の記憶」豪邸の浴室で4年前に起こった殺人事件について、現住人である奥さん宛に隣人が出した手紙で告げるという内容。手紙を出した理由のオチはすぐ分かるし、手紙の書き方が気持ち悪く、バスジェルのバブルにまみれた死体とバブル時代をかけた言い回しが何度も出てくるのが、読んでいて不快だった。
    一昔前の時代に思いを馳せるのが好きな人には面白い設定かもしれないが、個人的にはイマイチ。
    題名と表紙の絵から、サバイバル的な話を期待しただけにがっかりだった。

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著者プロフィール

東京生まれ。一橋大学卒業後、ニッポン放送ディレクター、編成プロデューサー、 扶桑社書籍編集長を経て1990年より専業作家。
1986年扶桑社在籍中に執筆した『Kの悲劇』でデビュー。2009年10月発売の『蛍坂』が200冊目の著作。
2011年9月ライフワークの『魔界百物語』がスタート。100本の書き下ろしミステリーに挑む。

「2012年 『幻影城の奇術師』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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