マネー・ハッキング (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062647106

感想・レビュー・書評

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  • まぁまぁ面白いが、内容は古い。そうか、10年以上前の本だった。

    ハッキングをして、トレーディングをして楽しむ。
    誰にも迷惑は掛かっていないという物語。
    それはそれで面白いのだが、
    どうしても私が突っ込んでしまうのは、
    ギャンブルの件である。

    p.192
    後藤が、長峰に
    いい目がでるか、悪い目がでるか、
    ギャンブラーの心境ですね。

    と言った時に、

    長峰が、ディーラーとギャンブラーは全く違うというのです。
    ディーラーは可能な限りの情報を収集し、
    分析し、理論を構築し、戦略をたて、市場に臨むのがディーラーだというのです。
    一か八かのギャンブラーとは根本的に違うと、
    ギャンブラーは軽蔑する人種だと。

    後藤は重ねます、
    いくら完璧に思える予想でも、
    最後はカードを開けてみるまでわからないでしょう?と。

    私は人生そのものがカードを開けてみるまでわからないと思っています。
    カードを開けてみるまでわからないことですが、
    もちろん情報を収集し、分析し、理論を構築し、戦略をたてて場に臨んでいます。

    それはどんなことでも同じではないでしょうか、
    私はカジノに行きますが、真剣です。
    それを一か八かのギャンブルだと言われて否定できませんが、
    同様に、人生だって一か八かでしょう。

    そのことにたいしていかようにのぞむのかということです。

    カジノはとても効率のよいゲームです(笑)
    ただ、とても負ける人間がおおいのも事実です、
    それはカジノをゲーム場ではなく賭場だと捉えるからです。

    まぁ遊び方はひとそれぞれだけどね。

  • 再読。
    「インタンジブル・ゲーム」(1996年) 改題。
    インターネットを使って、外銀ディーラー、女性銀行員、青年ハッカーの3人がマネーゲームを始めた。

    25年前の小説とは思えない、面白かった。
    ハッカーをするとはいえそれぞれに事情を抱え、女性銀行員に感情移入しながら読んだ。

  • やはり幸田真音氏はstorytellingが抜群に巧い。IT関連のとこは、ん?となった所もあったけれども、あくまでspiceとしてのものなので問題なし。題名は、元の「インタンジブル・ゲーム」の方が切れ味が良いと思うな。

  • インターネットを使つて、外銀ディーラー、女性銀行員、青年ハッカーの三人が、恐るべきマネーゲームを始めた!銀行の決算業務、デリバティヴ、債券市場の仕組みを巧妙に操り、瞬く間に数億円を稼ぎ出す。世界を舞台にするオプション取引の凄い手口とは?

  • 一昔前のハッキング技術だね。
    ストーリーとしては面白い

  •  弱小銀行のディーラーが自分の実力をはかるために、他社外銀ディーラーになりすますって意味不明なお話し。途中のドタバタも意味不明、日々のトレードでリスクリワードを考えるディーラーがすることじゃない。現実感ゼロ(笑 だから小説なのか~

  • インターネットの普及がまだまだの頃に書かれた本ってのが信じられないほど、よく出来ていると思いました。
    先物とか、オプションとか、リーブオーダーとか、ディーラーとか、決済事務とか、相変わらずの金融知識の解説も丁寧で、最後まで一気に読みました。面白かったです。

  • 「よい材料の噂が出たときに買っておいて、その噂が事実だと確認された時点で売り抜けるということだよ。」

    パソコン、金融オペレーション、外債、3つの分野のスペシャリストが協力し、オプション取引で利益を上げようとする作品。問題は、それが自分たちの金ではなく銀行の金である点だ。

    本書は1999年に出版された。当時はまだインターネットなど今のように普及されていなかっただろう。にもかかわらず、インターネット(電話回線)を利用した犯罪が書かれているのはすごい。

    オペレーション部門は会社のコストセンターであり、まっさきに縮小される話は勉強になる。しっかりした営業のためにもオペレーションは大事にしないといけない。それがわかっていても切られてしまう。営業に比べ、業務は報われない。

  • ちょうど初めてのパソコン購入した時期。その頃読んでたら衝撃的だっただろうなと思う。
    15年で女性の立場も大きく変化。
    面白かった。

  • 外資系投資銀行で早期退社プログラムを勧められた主人公の女性がバー?で声をかけられた男性とその仲間の3人で自分の銀行にハッキングをかける話。


    ラストでは主人公は自分の犯罪(いくら銀行に損害は与えておらず、自分達の利益を慈善団体に寄付してたとしても)について、棚に上げすぎだと思った。

    あといくらピッタリの人がいたからって、初めて会った人に犯罪の協力を頼むのはどうかと思う。。

    もう少し慎重に人選すべきじゃね?なんて突っ込みたかった。

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著者プロフィール

1951年生まれ。米国系投資銀行等で債券ディーラー、外国債券セールスを経て、1995年『小説ヘッジファンド』で作家に。2000年に発表した『日本国債』は日本の財政問題に警鐘を鳴らす作品としてベストセラーになり、多くの海外メディアからも注目される。2014年『天佑なり 高橋是清・百年前の日本国債』で第33回新田次郎文学賞を受賞。主な著書は『日銀券』『あきんど 絹屋半兵衛』『バイアウト 企業買収』『ランウェイ』『スケープゴート』『この日のために 池田勇人・東京五輪への軌跡』『大暴落 ガラ』『ナナフシ』『天稟(てんぴん)』のほか、『マネー・ハッキング』『Hello, CEO.』『あなたの余命教えます ビッグデータの罠』など、時代に先駆けてITの世界をテーマにした作品も多い。

「2022年 『人工知能』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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