泥まみれの死 (講談社文庫)

制作 : 沢田 サタ 
  • 講談社
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レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062647649

感想・レビュー・書評

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  • そこには凄惨な前線の様子が写されていて
    戦争がどういうものであるかを
    言葉以上に雄弁に物語っていた。
    鬼気迫る兵士たちの表情、ただただ絶望を感じながら逃げる現地人、
    大量に横たわる躯、硝煙と爆炎、
    ものすごく悲しい目をした人がたくさんでてくる。
    こういった痛みを僕たちはこうした写真からもっと学ぶべきだ。
    すでに沢田教一は世界中から忘れられた存在になっているらしい。
    しかし、再び世界が混沌としてきた今こそ
    沢田教一や彼と同じように戦争の痛みを捉えつづけてきた人々を
    再び見出す時がきているのではないだろうか。
    彼らは善悪の区別でなく
    そこにある惨劇のみを撮り続けた。
    そう、そこにあるのは惨劇のみなのだ。

  • (2017.07.12読了)(2009.05.10購入)(1999.12.10・第2刷)
    副題「沢田教一ベトナム写真集」

    【目次】
    戦場で取材中の沢田教一(写真)
    序文
    ・ベトナム戦争と沢田の仕事  小山昌生
    ・ベトナム戦争当時のインドシナ(地図)
    ・ベトナム戦争略年譜
    「泥まみれの死」  沢田教一
    ・沢田の眼
    ・あてのない戦い
    ・ユエ攻防
    ・絶望と逃亡
    ・つかの間の時
    ・深き憎悪の始まり
    ・兵士の報酬
    沢田が残した32キロのネガフィルム  小川卓
    沢田教一写真物語  小山昌生・鍵和田良輔
    沢田と生きるもうひとつの結婚15周年  沢田サタ
    平和なベトナムを訪ねて  沢田サタ

    ☆関連図書(既読)
    「ベトナム問題入門」ベトナム研究誌・岡倉古志郎著、新日本新書、1967..
    「ベトナム戦記」開高健著、朝日文庫、1990.10.20
    「母は枯葉剤を浴びた」中村悟郎著、新潮文庫、1983.09.25
    「女の国になったカンボジア」大石芳野著、講談社文庫、1984.10.15
    「ベトナムは、いま」大石芳野著、講談社文庫、1985.04.15
    「あの日、ベトナムに枯葉剤がふった」大石芳野著、くもん出版、1992.11.20
    (「BOOK」データベースより)amazon
    ベトナム戦争の凄惨な戦場に身を投じ、死と背中合わせで撮影を敢行した、ピュリッツアー賞カメラマン・沢田教一。“日本のロバート・キャパ”とも称されたサワダの、写真とその生涯を集大成した既刊写真集の新装版。34歳の若さで戦場に散ったサワダの写真が、今も我々に語りかけているものは何か。大沢たかお主演TVドラマ「輝ける瞬間」原作。

  • ピュリッツアー賞を受賞した沢田教一の写真集。表紙にもなっている「安全への逃避」はあまりにも有名だが、彼がその後家族達を¥のもとを訪れていたことは知らなかった。しかし、衝撃を受けたのは、表題にもなっている「泥まみれの死」という題のつけられた画像だ。戦争というもののすべてが一枚に凝縮されているように感じた。

  • [ 内容 ]
    ベトナム戦争の凄惨な戦場に身を投じ、死と背中合わせで撮影を敢行した、ピュリッツアー賞カメラマン・沢田教一。
    “日本のロバート・キャパ”とも称されたサワダの、写真とその生涯を集大成した既刊写真集の新装版。
    34歳の若さで戦場に散ったサワダの写真が、今も我々に語りかけているものは何か。
    大沢たかお主演TVドラマ「輝ける瞬間」原作。

    [ 目次 ]
    「泥まみれの死」(沢田の眼;あてのない戦い;ユエ攻防;絶望と逃亡;つかの間の時;深き憎悪の始まり;兵士の報酬)
    沢田が残した32キロのネガフィルム
    沢田教一写真物語
    沢田と生きるもうひとつの結婚15周年

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 写真集を買いたいと思うほどによかった。
    兵士の目。この目が書きたい。

  • ベトナム戦争の,戦線に行ったカメラマンのうつした世界。

  • ピュリッツァー賞受賞カメラマン沢田教一氏のベトナム戦争に関する写真を妻であるサタ氏がまとめた写真集。一頁一頁に戦場の緊迫感が伝わって来ます。特に激戦地となったグエン王朝の王都フエの破壊の凄まじさは、今の平和の状況を知っているだけに、隔世の感があります。欲を言えば、一ノ瀬泰造さんのように、ご本人の手紙等で直接見聞き感じたことが伺われればよかった。

  • 面白い

  •  沢田教一という写真家がいた。ベトナム戦争当時,凄惨な戦地に行き,あの川を渡って逃げる家族の写真「安全への逃避」を撮影した人だ。
     本書には,他にも沢田の撮影したたくさんの写真が収められている。一方で,沢田の顔が写っている写真もある。これは逆にとってもらった写真だ。そのなかには,例の「安全への逃避」に写っていた家族を探し出して,その家族と一緒に撮影した記念写真もある。沢田は,1年分の生活費と一緒に,写真を手渡したそうだ。
     教一の妻である沢田サタのあとがきなどが,味わい深い。
     ただ,文庫本の写真集というのはやはり物足りない。大きな写真を見て,いろいろと想いを馳せたいものだと思った。

  • 有名過ぎるくらい有名で、あえて僕がここで書く必要もないくらいの戦場カメラマン・沢田教一の写真集です。写っている写真の一つ一つがこれまた衝撃的なものばかりで、見る者の魂を揺さぶらずにはいられません。

    彼のことを知ったのは偶然見たNHK教育の彼の生涯を追ったドキュメンタリー番組で、これを確か、札幌でみていた気がするんですが、これにいたく僕は感銘を受けましてね。北海道大学周辺のとある古本屋のいっぱい並んでいる界隈で名前を失念してしまったが芸術性や、本当に価値のある写真集を扱っている一軒の店にこの本の初版が置かれていて、確か、一冊50.000円くらいだったので、喰うにも事欠く有様だった当時の僕は泣く泣く諦めたのが思い出です。

    後に、東京で働いていたときにとある本屋に立ち寄ったときに偶然この本の新装文庫版があったときには心の中で小躍りしたことを覚えています。その後、ここにはかけないけれど、なんだかんだあって東京を去らざるを得なくなったドサクサに、泣く泣くこの本を手放さざるを得なくなったときには、物のたとえではなく、本当に断腸の重いでした。

    内容については、歴史の教科書か何かでベトナム戦争のくだりには、必ずと言っていいほど扱われているので
    「あ、これとった人なんだ」って
    わかるはずです。万が一この写真を見て心を動かされない人間は、極端なことを言えば寺に入って何年か心の修行をされることを強くオススメします。

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