皆月 (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062647816

感想・レビュー・書評

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  • 花村萬月氏が描く女性は真に女神だ。
    こんな女性が身近にいれば惚れきってしまうだろう。
    また、女神の母性に触れたくなったらこの著者の作品に手を伸ばそう。

    女性が読んだらこの女性像をどう思うのだろうか?

  • 性や暴力の描写が多い小説ですが、描いている世界やテーマはとても美しいと感じました。
    エロやグロにより、返って小説自体の美しさが際だっているような気がします。
    欲望や暴力性といった負の部分を認める事で初めてこの小説にあるように、人は月ではなく太陽になれるのかもしれません。

  • 面白かった。
    単体としては王国記より味わい深い。
    人物がコミカルだが皆、筋を通している。

  • ホントに遅ればせながら萬月氏初読。暴力とエロスのようなイメージだったので避けていたのだが、損した気分になりました。もっと早く読んでおくべきでした。読後の何と清々しいことでしょう。少し書き過ぎな部分や会話が弱い点もあるが、人物描写の力強さでそんなことは些末なことに感じました。阿刀田高氏の文庫本解説の冒頭の通り「よい小説は、よい」でした。

  • 初読の作家さん。最後まで読んで、ぶっ飛んだ…。意味深な置手紙を残して消えた妻の、秘密とか真実をいろいろ勘ぐって読んでいたのだが、入り組んだ事情などは何にもなかった…。登場人物誰一人、まともな人がいないのも凄い。終始アキラに振り回されて終わった…。それでストーリー成立するんだから、アキラのキャラクター付けは凄い。ジェットコースターか。酔うわ。

    • ひとしさん
      皆月読まれたんですね!
      アキラすごいけれど、なんか憎めなくて引き込まれません?
      なんか、花村萬月が描く小説は破壊的というか、破滅的という...
      皆月読まれたんですね!
      アキラすごいけれど、なんか憎めなくて引き込まれません?
      なんか、花村萬月が描く小説は破壊的というか、破滅的というか。
      でも、なんか魅力的なんですよね(^_^;)
      2017/03/08
    • ひとしさん
      chie0305さんの解釈で完璧だと思いますよ。アキラは単に破天荒な奴ってだけの位置づけではなく、それなりにきちんとした考えも持っているとこ...
      chie0305さんの解釈で完璧だと思いますよ。アキラは単に破天荒な奴ってだけの位置づけではなく、それなりにきちんとした考えも持っているところもありますからね!
      2017/03/08
  • 評価は3。

    内容(BOOKデーターベース)
    諏訪徳雄は、コンピュータおたくの四十男。ある日突然、妻の沙夜子がコツコツ貯めた1千万円の貯金とともに蒸発してしまった。人生に躓き挫折した夫、妻も仕事も金も希望も、すべて失った中年男を救うのは、ヤクザ者の義弟とソープ嬢!? 胸を打ち、魂を震わせる「再生」の物語。吉川英治文学新人賞受賞作品。(講談社文庫)

    非常に評価の良い作品なのだが個人的には今ひとつ。
    最後まで諏訪が魅力的に思えなかった。
    元ソープ譲の彼女や、アウトローでやんちゃなアキラが入れ込むほどの懐の大きさも見えず、かといって情けない男性から出る守ってあげたいオーラも感じられず・・・妻が出て行った「私の周囲の人は皆月だ。」の理由も全く理解出来ず。人騒がせにも程があるわ!

  • 最高!何が最高って上手く説明ができないけれど、とにかく良い小説だった。
    内容はそんなことあり得るか?ってくらい陳腐なのだが、人物描写が上手く、登場人物がイキイキしている。特にアキラ。最初は厄介な存在だなぁと思っていたのだが(その時点で物語に入り込み、主人公の視点になっていた)、途中からは、ヤクザでさえ手に余るアキラの凶暴さながらにも徳雄に心を許していく様や、実は物事をよく考えていて、突飛な行動の裏にある優しさとかがたまらなく良い。物語が終わりに近づくにつれ、アキラとはもう会えないのかと寂しくなったほどだ。
    さて、物語は実直なおっさんである徳雄が『みんな、月でした。がまんの限界です。さようなら』という意味深なメモを残し蒸発してしまった妻を、妻の弟であるアキラとソープ嬢と一緒に探すという話なのだが、初めは、みんな月ってどういう意味だろう?と、その答えを知りたくて読み進めていたが、途中からはそんなことを忘れ、登場人物たちに入り込んでいた。
    ラストも良く、素敵な小説を読んだなぁという実感だけが強く残った。

    • chie0305さん
      手近にあったので、まずはこちらを読んでみました。…ぶっ飛びました。妻の失踪についてもいろいろ予想していたのですが…。むしろ頭を空っぽにして娯...
      手近にあったので、まずはこちらを読んでみました。…ぶっ飛びました。妻の失踪についてもいろいろ予想していたのですが…。むしろ頭を空っぽにして娯楽小説のようにして読むほうが良いのかも?とにかくアキラが凄すぎる…。
      2017/03/08
    • chie0305さん
      そう…ですね。アキラに対してはアダルトチルドレン的要素を感じました。徳雄(とくに魅力もない40過ぎたただのオッサンという解釈をしたのですが、...
      そう…ですね。アキラに対してはアダルトチルドレン的要素を感じました。徳雄(とくに魅力もない40過ぎたただのオッサンという解釈をしたのですが、合ってますか?まあ、情に厚い、というか、そここそがアキラが彼に惹かれた理由なのだろうと思いますが)に対して実の姉以上に愛情を感じているように感じました。家庭環境に恵まれず、人格形成が不十分なまま大人になってしまったのかな、とか。でも、深読みしすぎても違うような気もするし…。面白い奴だな!と思う方が正しいのかな。
      2017/03/08
  • 河原でいたすシーンめっちゃすき

  • 奥さんに貯金を持ち逃げされたコンピュータおたくのダンナが、なぜかヤクザ者の義弟とソープ嬢とともに奥さんを捜すドタバタのような小説。おもしろかった。

  • 諏訪は、いつか妻の沙夜子とマイホームを購入する為コツコツと貯蓄に勤しんできた。さしたる遊びもせず趣味といえば仕事の橋梁強度計算に関係するパソコンいじりのみ。自分には似合わない美しい妻は倹約に励みとうとう一千万の大台に乗った。
    ある日身体を交わした日、妻は涙を流したが、その涙の意味は分からなかった。
    「晩御飯をおでんよ」
    その夜帰宅すると部屋の空気は冷え切っていて、貯めた一千万の入った通帳と共に妻は失踪していた。「みな月でした 限界です さようなら」という手紙を置いて。

    妻の弟でヤクザのアキラは頭は切れるが一般的な思考が通用しない動物のような男だ。ヤクザ達も持て余している。ところが諏訪には懐いているようだった。
    そんな諏訪を慰めるため、アキラはソープランドへ彼を誘う。その店でであった由美という女と出会い、お互いに惹かれ合い同棲を始める。
    由美は千葉の養鶏業者に騙され多額の借金を負っていた、3人は悪徳業者から金を取り戻す為に千葉の養鶏場で業者と対峙するが、アキラは突発的に男を殴り殺してしまう。

    肥溜めに沈めた男が発見され、事件が明るみになるといずれ警察がアキラへ辿り着くのではないかと思い悩む諏訪。いつか捕まってしまうかもしれないアキラと一緒に過ごす為由美を伴い3人で妻、沙夜子の行方を追う旅に出る事にした。

    彼ら3人何かが足りずいつも孤独を感じていた。彼ら3人寄り添っているうちにかけがえのない存在となって行く。別れと出会い、そして再生の物語。


    あまりに好き過ぎて通算3回目の読了となりました。
    最近ではすっかり疎遠になってしまった花村萬月。まさにエロとバイオレンスの権化のような作家さんですが、この本はとてもエロくでとても清浄で、優しくて切ない物語です。
    アキラは諏訪を兄貴と呼び慕い、諏訪に訪れるトラブルには狂犬のような怒りを露わにし、由美は諏訪をおっさんと読んで全身全霊でぶつかり愛してくれる。由美とアキラもお互いを兄妹のように想い合い、諏訪を中心に家族のような温かい感情が流れる。

    昔、何かいい本無い?と言われたのでこれを勧めたのですが、読み終わった後に「とっても面白かったけど、女性に勧める本では無いんじゃないか?」と言われた事が思い出されます。

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著者プロフィール

花村萬月(はなむら まんげつ)
1955年、東京生まれ。1989年、『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。1998年、『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、同年『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞、2017年、『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。

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