封印再度 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 6284
レビュー : 545
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062647991

作品紹介・あらすじ

50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。

    このタイトル、秀悦。
    このシリーズの中で、一番好きなタイトルだ。
    封印再度 Who Inside
    読み終わって気づく。
    このタイトルが物語の全てを一言で表現しているということに。

    「天地の瓢」「無我の匣」もその名の通り!
    パズラーが出てくるお話だが、作者こそ、言葉のパズルの天才だと思う。

    この作品で、犀川先生と萌絵の関係が少し変わる。
    犀川先生は、あらためて、自分の気持ちに気づく。
    そのキッカケとなる萌絵の手段は、すごいとしか言えない。
    万が一、自分がそれにひっかかったら、自分は、怒るだろうが、すごく安堵すると思う。
    犀川先生も、そうだったのではないかな。
    犀川先生の行動に、ちょっとニヤっとしてしまうのは、萌絵の長い年月をかけた行動が報われてほしいから。という、女性目線。

    「なりたいものになれない人はいない」「なれないのは、真剣に望んでいないだけのことだ。自分で諦めてしまっているからなんだよ。人間、真剣に望めば、実現しないことはない」犀川創平
    この言葉は、ドキッとした。
    自分は、何度となく、真剣に望まず、それを手放してきた。
    その結果がいま。
    別に大きな後悔はないけれど、それを望んでいた当時、この言葉を聞いていたら、変わっていたのだろうなと思う。
    そして、今でも遅いわけではない。
    別のものを望んだなら、それを真剣にやれば良いと思う。
    そんな積み重ねが、人生最後に何かわかるんだろうな。

  • ミステリー、よりも萌絵と犀川の関係の方が気になる展開。徐々に関係が深まっていくが今作で進展したな。エイプリルフールはやりすぎ、と思いつつ自分だったら悪夢から目覚めたような安堵感で一杯になるだろうな。たちまち機嫌を直しますカードって、、、欲しい

  • 少しずつ人間味を増す犀川先生と、自由奔放に見えて実はナイーブであることが判明する萌絵が、まるで実在の人物のように生き生きと動き出し、シリーズ物であることの魅力を余すことなく堪能することができます。

    『すべてがFになる』『冷たい密室と博士たち』『笑わない数学者』『詩的私的ジャック』では、比較的早い段階で謎が発生したような記憶がありますが、この『封印再度(Who Inside)では、背景の説明に時間をかけて、謎が出てきそうで中々出てこないですねぇ~ また、大胆な萌絵と煮え切らない犀川との会話も洒落ています。このシリーズが愛され続けている理由が分かりますね。

     2ヵ月ぶりに読んだS&Mシリーズの5作目は、「すべてのトリックに隙が無い」とは言えないですけれども、バランスの取れた物語でした。森博嗣さんの文章は短期間で読みやすく進化しており、少しずつ人間味を増す犀川と、自由奔放に見えて実はナイーブであることが判明する萌絵が、まるで実在の人物のように生き生きと動き出し、シリーズ物であることの魅力を余すことなく堪能することができます。多くの読者が自分が犀川研に属している学生のような臨場感も味わい感情移入することでしょう。森博嗣さんが犀川の台詞を借りて語る哲学的な言葉も興味深いです。

    若い作家さんが精一杯背伸びして書いたような作品も悪くないけど、作家が感じているプレッシャーまで伝わってくる感じが重苦しい時ってありますよね。それに比べると森博嗣さんの作品は、イチローみたいな選手が、バッティングピッチャーのボールを打っているような余裕を感じて心地よいですぅ

    森博嗣さんの作品は、良くも悪くも純粋にフィクションとして楽しめる感じがありますね。

  • シリーズ折り返しの5作目です!

    毎度、タイトルに何か意味が込められてるのかしら?と考えてみるのですが、今回は読み終わった後に気付きました。
    封印(密室)が繰り返すという意味の「封印再度」と、密室だったとき、部屋にいたのは一体だれか?という意味の「Who inside?」がかかっているのですね!
    なんとも秀逸なタイトルです。

    お話が途中で停滞気味になるのが読んでいてもしんどかったです‥。風采の事件からマリモの自殺騒動までがちょっと間が空いて勢いがだれてしまったかなあと。
    凶器のトリックももう少しロマンがほしかった(笑)

    それら以上にビックリ!というかギョッとしたのはやはり萌絵のついた嘘でしょう。
    犀川先生も驚いたと思いますが、読んでいるこちらも衝撃でした。
    まだシリーズは続くのに余命短いってどういうこと?!とか最後は萌絵の死で終わるのかしら?!とかいろいろ考えてしまいました。
    ショックで悲痛な気持ちで読んでいたのに嘘だったなんて…萌絵はちょっとやりすぎです!(たちまち機嫌を直しますカード10枚ぽっちではききません)

    犀川先生が萌絵にあてられて?どんどん普通の人間みたいになっていってますね。
    閃きモードもあまり出てこなくなってしまったのがちょっと寂しいです。
    でもその分(?)意味なしジョークが絶好調で何度もくすっとなりました。

    実は最初から好きだったのですが、いよいよ国枝先生のファンになってしまいました。

  • 犀川先生と萌絵の
    S&Mシリーズの第5作目。

    香山家に代々伝わる家宝と
    持ち主の不可解な死という設定に惹かれたのですが

    風采と林水の死の動機が凡人の私には理解出来ず、、。
    消化不良といった感じです。

    謎解きの過程も中弛み感を感じました。

    また推理小説というよりは
    犀川先生と萌絵の恋愛要素の方が多い気がしました。

    シリーズものとは知らずに借りてきてしまったので
    一作目から読んでいたら、、、
    二人のやり取りも微笑ましく感じられたり
    推理小説とは違った角度から作品を楽しめたのかもしれません。

  • 作品名からして洒落が効いてて、しっかり内容に沿っているのが素敵。
    犀川の新たな一面が見れた半面、萌絵の暴挙に大分我慢出来なくなって来ている。こんなことを言ったら身も蓋も無いが、もう少し大人しくしていてもらえないものか。

  • S&Mシリーズ5作目。「封印再度 WHO INSIDE」タイトルが大きなヒントとなっている大胆さ。でも考えてみれば「すべてがFになる」の時もヒントをタイトルで出している訳で(「すべてがFになる」の方はヒントって分かっても気付けることはないと思うが…)。
    萌絵の存在が犀川にとってどういう存在であるのかが分かる。

    毎回密室というジャンルでありながら違った思考をしないといけない。密室っていうジャンルがこんなに幅の広いものだったとは!!と思います。(読んでて飽きないですね!)
    残り5作ではどういった密室が出るのか楽しみです。

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    再読

  • 再読。

  • 率直にいって、謎解きを言われたらなぁんだ…って解答なんだけど、全然わかりませんでしたf^_^;素直になるほどなぁ…です。 わたし個人としては、ミステリを読むというよりも、犀川先生と萌絵のラブストーリーのほうが楽しみだったりします☆ それから文系のわたしにはまったく縁のない理系の世界観も大好きです。 萌絵には厳しい意見も多いようですが、わたしは好きです☆若いころって似たような感じのこと、ありますよ、わたしはものすごい我慢しぃだったからないけどf^_^;萌絵ちゃんもっと攻めるんだ‼(笑)

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著者プロフィール

森 博嗣(もり ひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家、元研究者。名古屋大学工学部建築学科、同大学大学院修士課程修了を経て、三重大学工学部助手、名古屋大学助教授。名古屋大学で工学博士を取得し、2005年退職。学会で数々の受賞歴がある。
作家として、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、同作で作家デビュー。S&Mシリーズとして代表作の一つに。『スカイ・クロラ』シリーズは本人も認める代表作で、2008年アニメ映画化された。その他にも非常に多くの著作がある。

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