英国庭園の謎 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.36
  • (84)
  • (188)
  • (643)
  • (17)
  • (2)
本棚登録 : 2115
レビュー : 170
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062648912

作品紹介・あらすじ

資産家の人知れぬ楽しみが、取り返しのつかない悲劇を招く表題作。日本中に大パニックを起こそうとする"怪物"「ジャバウォッキー」。巧妙に偽造された遺書の、アッと驚く唯一の瑕疵を描いた「完璧な遺書」-おなじみ有栖川・火村の絶妙コンビが活躍する傑作ミステリ全六篇。待望の国名シリーズ第4弾。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 短編にも進出
    推理小説を読むときの頭の使い方
    昔よりも謎以外の部分をちゃんと読むようになれたので、おもしろい。

  • ジャパウォッキーは島田荘司の糸鋸とジグザグを思い出す。
    英国庭園は犯人に激しく同情。どうしようもなく悪い人に殺される薄幸の被害者とか、本来善人なのに悪人の手にかかったり偶然の采配で加害者になってしまう人のお話は読むのも見るのも辛いですね。

  • 20191013 再読
    ずいぶん昔に読んだけれども、覚えているものだなぁ。

    「雨天決行」これを火村先生が解く、ってのがさすがは名探偵という感じ。出版関係者がかかわる事件だと、「アリス!しっかり!!」っておもっちゃう笑
    あとがきにもあったけれど、「敬意を払われるべきは『ちゃんとした大人』」という著者の考え方がとても好きで、作中毒舌エッセイにも共感した。ほんと、ここら辺のバランス感覚が好きで読んでいるところがある。

    「竜胆紅一の疑惑」さみしいご老人だけどこの解決を見て、ご家族と仲良くなれるといいな…なんて思ったりして。

    「三つの日付」こちら、この前に書かれている「海のある奈良に死す」読了後に読むのをおすすめ。写真に写ってる人間のうち半数が亡くなっている、というのは、アリスくらいの年齢ではまだキツイよなあと思う。今、年が変わらないので。永遠の34歳氏と。

    「完璧な遺書」倒叙もの。作家アリスの倒叙ものは、たんに倒叙でスリルを感じる以上に犯人視点での火村とアリスの描写が面白くてワクワクしてしまう。犯人詰めが甘いなと思ってしまった。「てんさい」で「有栖川有栖」ってやってたアリスかわいい。可愛いおじさんだよ。

    「ジャバウォッキー」あとがき読んで笑ってしまった。あとがきまで絶対読むべし!アリスめちゃくちゃ怒られたろうね…。再読にあたり大阪市内の地図を見てたけど、どんだけ飛ばしてもさすがに無理なような笑 本筋とは関係ないし、アリスは運転技術高そうだ。

    「英国庭園の謎」表題作。被害者が卑劣すぎて犯人にめちゃくちゃ同情してしまった。ここでは犯人を諭す、というか自首を促すのがアリスじゃなくて火村先生なのが、意外なようなそうでもないような。


    とにかく、有栖川有栖の作品はあとがきまでじっくり読みたい。特に短編集。あーーーー、好き……ってなるので、読後感とてもよし!



  • 「雨天決行」「竜胆紅一の疑惑」「完璧な遺書」の3作品が面白かった。

    「雨天決行」
    タイトルとも関係する被害者の電話での会話内容の謎は専門的知識のない読者には推理困難だが、そのヒントが被害者の原稿の中にさりげなく示されている点や、火村がそのことに気づく切っ掛けが面白い。また、現場の痕跡からの目撃者の割り出しや、被害者の所持品からのロジックがすばらしい。被害者の原稿の中で、無頼派作家は無頼ではないと批判しているところも面白かった。

    「竜胆紅一の疑惑」
    火村が指摘した犯人は何となく予想しやすいが、火村が犯人を推定したロジック、犯行動機は中々の優れもの。

    「三つの日付」
    3年前に起きたラブホテルでの殺人事件のアリバイ確認に有栖自身が証言を求められる話。カメラと色紙の3つの日付に関するアリバイは凝ってはいるが、からくり自体は平凡。

    「完璧な遺書」
    自分が愛した女を誤って縊死させてしまった男。女の持っていたワープロを使って、完璧な遺書を作成し、自殺に偽装する話。遺書をワープロで打ったのが被害者でない証拠として火村が指摘した事項が面白い。

    「ジャヴウォッキー」
    独特の言語感覚を持ち、神経症を患って、過去に傷害事件を起こした人物からの電話の会話内容を火村とアリスで解読する話。

    「英国庭園の謎」
    隠居した富豪が英国庭園を持つ自宅に人を集めて、企画した宝探しゲーム。その最中に富豪が殺された事件。宝探しのヒントとなっている詩の暗号は、難解すぎて読者が解読できるようなものではないが、犯人が宝物を回収できなかった理由が面白い。

  • 作家アリス〈国名シリーズ〉第四弾。久々にアリス、火村両先生コンビの掛け合いを楽しみました^^ 個人的に「竜胆紅一の疑惑」と「英国庭園の謎」が好き。

  • 雨の日の公園で、ひとりの女性エッセイストが殺された。彼女は死の間際に、「赦してあげて」と呟いたという。(『雨天決行』)、片桐の頼みで、家族に殺されると疑心暗鬼になっている大作家の悩みを火村と聞きに行くことになったアリス。果たして家族の真意は……(『竜胆紅一の疑惑』)愛する女を殺してしまった男が書き上げた一通の完璧な遺書。しかしある一点に綻びがあり……(『完璧な遺書』)ある資産家の趣向を凝らした見事な英国庭園で、謎解きゲームが開催される。しかしその最中に資産家が死体で発見され……(『英国庭園の謎』)、他『ジャバウォッキー』含む6編収録。作家アリスの国名シリーズ第四弾。

    完璧な遺書と竜胆のやつが好き。

  • 短編集
    雨天決行
    竜胆紅一の疑惑
    三つの日付
    完璧な遺書
    ジャバウォッキー
    英国庭園の謎

  • ノベルス版を既読。確かめてみたら、表題作と「ジャバウォッキー」を角川ルビー文庫でも4年ほど前に再読していた。「ジャバ~」のスピード感が気に入っている。21年も前に出た短編集ではあるが、小さなヒントを繊細に積み上げていくスタイルは昨今となにも変わらない。解説をなぞらえてコメントすれば、謎に翻弄されるために読むミステリのなんと楽しいことだろう(なんだこの解説、と笑った)。どうにも微笑ましかったのは、苦笑気味に「うちの婆ちゃん喜ぶかな」と火村先生が言うところ。アリスがいれば名探偵も柔らかいところを見せてくれる。

  • 相変わらずの安定感。
    お馴染みの登場人物に大分親近感も出てきたので、火村シリーズは読み進めるごとに自分の中の評価が上がっていってる感じ。
    今回の短編集は、パターンから外れたストーリーが多く、それも楽しめた要因かな。
    火村はクールでカッコイイ。

    ・「雨天決行」…専門用語は知らなかったけど、ウテンの謎解きは面白かった。でも一番ツボったのは、被害者がエッセイで中学時代からの友人のことを「本当に信頼できる友」と書いていて嬉しかった、とその友人が証言した時のアリスの反応。
    「心暖まるいい話ではないか。私と火村の間にはないことだ。」
    いやいや、そういう言葉で確かめる必要のない信頼感があなたたちの関係性の良さであってだね…と諭したくなった。

    ・「竜胆紅一の疑惑」…警察沙汰じゃない珍しいパターン。ファンって過激にもなるよね…。完成した長編を出版社に預けておいて出版するなと命じる気持ちが全く理解できなかった(笑)。

    ・「三つの日付」…アリスが重要参考人(容疑者のアリバイ証人)になるっていう、なかなか無い趣向。ちょっと都合良すぎるかなぁ、とは思ったけど、楽しめた。ていうか手帳の「カナリアを返す」ってメモが妙にリアルで笑った。有栖川さん実際に手帳を日記代わりにしてるのかしら。

    ・「完璧な遺書」…倒叙ミステリ形式は火村シリーズを読んできた中で初めてで新鮮だった。偽装するほどにボロも出やすくなるからやめなよ…と思っちゃいました。

    ・「ジャバウォッキー」…事件を未然に防ぐ、っていうこれもなかなか見られないパターン。犯人との間の妙な信頼感が良かった。火村優しい。教育者でもあるからね彼は。
    なんかよく分からないけど火村に言われるままに無茶するアリス、なんなの?(褒めてる)

    ・「英国庭園の謎」…暗号モノ。本書の中ではオーソドックスなストーリー展開。暗号解く気は更々なかったけど、火村シリーズでは珍しく真っ当な暗号だった。よく作ったなぁ…と思ったけど、別に各文字の使用回数は一度きりってルールじゃなかった。なんだ。
    被害者がクソだった。


    それにしても本当にアリスの推理は毎度毎度かすりもしない。

  • 火村英生×有栖川有栖シリーズ7作目で国名シリーズ4作目です。全6編の短編集です。背表紙に全部アタリと書いてあるとおり、短編とは思えない構成で楽しめます。ただ、5話目の「ジャバウォッキー」面白いなぁ、と思って読んでたら突然終わり。え、ここで終わりなのかぁという感じでした。個人的には4話目の「完璧な遺書」が、殺人犯の目線から描かれる、有栖川シリーズには珍しい書き方が新鮮で良かったです。

全170件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

有栖川 有栖(ありすがわ ありす)
1959年、大阪市東住吉区生まれの小説家・推理作家。有栖川有栖・創作塾の塾長。
同志社大学法学部法律学科卒業後に書店へ就職。それまでも学生時代から新人賞や雑誌への投稿を繰り返していたが、1989年江戸川乱歩賞に投稿した『月光ゲーム Yの悲劇 '88』が東京創元社編集長の目に止まり、大幅に改稿した上で刊行し、単行本デビューとなった。1994年、書店を退職して作家専業となる。1996年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞。1999年から綾辻行人と共作でテレビ番組『安楽椅子探偵』シリーズ原作を担当する。
2003年、第56回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した『マレー鉄道の謎』、2007年発表作で「本格ミステリ・ベスト10」で第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」で第3位、「黄金の本格ミステリー」に選出と高く評価された『女王国の城』など、多くの作品がミステリ賞で高く評価されている。
2000年11月より2005年6月まで、本格ミステリ作家クラブ初代会長を務める。

英国庭園の謎 (講談社文庫)のその他の作品

有栖川有栖の作品

英国庭園の謎 (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする