まどろみ消去 (講談社文庫)

  • 講談社 (2000年7月14日発売)
3.29
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  • 本 ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062649360

作品紹介・あらすじ

大学のミステリィ研究会が「ミステリィツアー」を企画した。参加者は、屋上で踊る30人のインディアンを目撃する。現場に行ってみると、そこには誰もいなかった。屋上への出入り口に立てられた見張りは、何も見なかったと証言するが……。(「誰もいなくなった」)ほか美しく洗練され、時に冷徹な11の短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 森博嗣さんの長編は何度も読んでいるが短編集は初めて読む。いつもの森先生らしさも残しつつ、短編ではあまりはっきりしない結末で終わる短編が多かった印象。ミステリアスな雰囲気を纏った話が多かった。どんでん返しとまではいかないが、こうだと思っていたものが一文でひっくり返されることが何度があり、不思議な感覚に陥った。
    S&Mシリーズの西之園さんが出ている短編も2作あり、それらの作品を読むことが本来の目的であったが、その他の短編も面白く読むことができた。西之園さんはS&Mシリーズのときよりは落ち着いていた様子であった。
    「キシマ先生の静かな生活」と「真夜中の悲鳴」が特に印象に残った短編であった。

  • S&Mシリーズの途中短編集。それぞれの登場人物はすべてがS&Mシリーズに関係している人ばかりではない。

  • 萌絵と犀川が出てくるということで読んだのだが出てきたのはほんのちょっぴりだったぞなもし。

    最後のキシマ先生の話が一番好きだなぁ。

  • 理系ミステリーだけでなく世にも奇妙な物語のようなファンタジー的な作品もあり意外な一面が楽しめた。
    「真夜中の悲鳴」の結末がオシャレ。

  • S&Mシリーズを読み終わったのでVシリーズに行く前にのひと休み。短編集を読むのは初めて。S&Mコンビが出ててにんまりしました˙ᴥ˙
    虚空の黙祷者、誰もいなくなった、キシマ先生の静かな生活、が好みでした。

  • 今まで長編は沢山読んできましたが短編集は初めてでした。
    あの長編の感じから短編が全く想像つかなかったのでどんな感じなんだろう?とワクワクしながらページを捲ってみたのですが……まぁ面白すぎて一気読みでした。

    今までのキャラクター達だけでもあんなに個性豊かなのにまだこんなに沢山個性的なキャラクターが出てくるんだ!?という気持ちとストーリー展開がとにかくぶっ飛んでる話が多くて(いい意味で)、「最後はどういう風に着地するんだろう?」なんて考えながら読んでいたらあっという間でしたね。

    個人的に好きだったのは「優しい恋人へ僕から」だったんですが、それ以外にもいい話が沢山ありすぎて……「虚空の黙禱者」の静かな狂気も好きだったし「ミステリィ対戦の前夜」とかは完全にコメディだったしドラクエを思い出す話もあったし……「彼女の迷宮」は何かホラーっぽくて終わり方怖かったですね、世にも奇妙な物語とかでありそう。


    そして全てを読み終わって思うのは「あー私やっぱり犀川先生が好きだなー!」ですね。
    ほんの少しの登場であんなインパクトを与えていくなんて凄すぎない?
    何だかまた犀川先生に会いたくなってきてしまいました。

  • 「これはミステリー作品だ」

    2作品目を読み終えたあたりで、この本の志向と楽しみ方がわかり、物語に流されていく中で一生懸命、どんな真実が隠されているのかを考えた。なるほどねって時もあれば、やっぱりって時もあって、なぜだか宿題で算数ドリルをやっている時のことを思い出した。(自分の答えに自信がなくて、最後のページで答えをカンニングする感じって伝わるのかな)

    久しぶりに森博嗣の短編小説を読んで、やっぱり好きだな。って思った。一つひとつが重たくて、主人公一人ひとりが活き活きしていて、自分の中の反響や余韻を楽しみながらゆっくり読んだ。忘れたころにまた読みたい。

  • ミステリィというより、不思議さとホラー、奇妙さと怖さがブレンドされた後味。
    長編「喜嶋先生の静かな世界」を読む予定の方は、要注意!

    S&Mシリーズの短編2作を含む11本の短編集。

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    ラストの短編「キシマ先生の静かな生活」は、長編「喜嶋先生の静かな世界」より前に書かれたもののようですが、長編を先に読んだ者からすると、長編の重要な要素をぎゅっと凝縮した“あらすじ短編”のように思えました。
    この短編を読むと長編「喜嶋先生の静かな世界」の話の流れやラストすらわかってしまうため、長編をまだ未読の方は要注意です。

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    ミステリィかホラーかといった単純な区分わけができないお話ばかりで、ラストを読むことで奇妙さが勝ったものもあれば、ぞっとする怖さが襲ってきたものもありました。
    ただ、「何をするためにきたのか」と「心の法則」の2本だけは、読み終えたあとも意味がわからず、ポカーンとしてしまいました。
    この2本に関しては解説求ム!という感じです。

    そんな中、S&Mシリーズの短編2作は、もともとの世界観がわかっていることもあってか、安心して読めました。
    ただ、いつも超分厚い長編作品であるS&Mシリーズを読んでいたので、この短編2本は短くて物足りなく感じました。

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    この短編集は、個人的に☆4つのものから☆1つのものまで差が激しかったです。
    そのため、総合的な☆をいくつにするかで悩みましたが、オチの予測がつかない☆4つ短編が多かったことを加味し、ブクログの評価は☆4つにしました。

    タイトルが「まどろみ消去」となっていますが、同タイトルの短編は収録されていませんでした。
    でも、ほとんどのお話に共通していたのは、「軽くうとうとした気持ちを、ラストでバシーンとたたき起こされる衝撃」の感覚でしたので、とても納得の本タイトルでした。

  • どの物語も短いのに不思議な雰囲気で、何となくじんわり心に残るような感じがした。
    S&Mシリーズの2話は、萌絵や犀川先生の頭脳戦が楽しくて、ミステリー好きにはワクワクする感じがあった。
    数学や科学の要素がチラッと出てくるのも森博嗣の作品らしくて面白いが、もちろん、自分のような数学的な知識がない人でも楽しく読めるような短編集だった。

  • 森さんの本は何冊か読んでいたけど、
    久しぶりに森さんの小説を読みたくなりまして。

    読む順番をネットで検索したときに、
    S&Mシリーズの間?終わってから?(記憶曖昧。笑)に読むと良いという本書。

    リハビリがてらの短編として選びました!

    感想…おおおお、久しぶりの森さん!!笑
    が第一でした。笑

    そして萌絵ちゃんとも再会できてうれしかった。

    印象的だったのは、
    「虚空の黙祷者」「真夜中の悲鳴」「悩める刑事」
    の三篇です。
    あれ、萌絵ちゃんいない。笑

    ちょっと怖くて奇妙でぞわぞわする感じでした。
    ここから私の森さん読書が再スタートです!笑

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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