メルカトルと美袋のための殺人 (講談社文庫 ま 32-5)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062649513

感想・レビュー・書評

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  • メルカトルが活躍する作品は「翼ある闇」と「~かく語りき」のみ読んでいる。前者は濃厚な小難しいミステリという印象、後者は麻耶ビギナーへの洗礼でも受けているのか? と混乱する一冊だった。本書はこう言っては何だが、割と王道のミステリだと感じられた。人間性や道徳心を燃えるゴミと一緒に出してしまえば、この作品を楽しむのになんの差し障りもなくなる。どれもひねくれた一筋縄ではいかない短編だが、お気に入りは「ノスタルジア」、「彷徨える美袋」。「彷徨える美袋」の最後の一文を目にしたときは、おもわず「たまんねー!」と吹いた。

  • どんな難易度の高い事件でも現場検証もしくは事件の概要を聞いた途端に解いてしまうが故に自称"長編には向かない探偵"のメルカトル鮎が(非常に好意的な言い方をすれば)大活躍する短編集。
    密室トリックもアリバイトリックも叙述トリックもなんでもござれ。

  • 10年ぶりの再読。
    10年前、高校生だった私が初めて読んだ推理小説でした。出会いに感謝!

    長編シリーズではちょこっとしか登場しないメルカトル鮎の、活躍がたくさん読める短編集。
    麻耶さんの作品にはたくさんの探偵と助手が登場しますが、メルカトルの助手役である美袋君が一番読者に近いのではないかと思います。
    メルカトルの行動に振り回されっぱなしの美袋君と一緒に、読者もぶんぶん振り回される、それが楽しい。

  • 4- 

    美袋三条の受難。いや、苦難、災難か。
    むしろ、類は友を呼ぶ、か。
    あるいは、物部太郎と王将とジェット・ストリーム・アタック。

    総じて面白い。全体的に、ツイストを効かせたプロットは目を引くものがある。特に「瑠璃鳥」はそれが顕著で巻末の解説で傑作呼ばわりされているが、残念なことにこの話は不安定な時間軸の表現が足を引っ張る。トリックというか、真相に絡めて意図的にそうしているのかとも考え読み直してみたがそうとも思えず、むしろ更に他の拙い表現が目につくやぶへびに。単純に文法の粗なので、せめて、物語の導入部であり最重要部分に含まれる冒頭3頁だけでも、てにをはと指示代名詞に留意して書き直してもらえまいか、と願わずにはいられない。

  • メルカトル、最低過ぎ(良い意味で)
    美袋、懲りなさ過ぎ(ワトソンだから仕方ないか)

    メルの嫌さが嫌じゃなくなってくるから不思議。
    苦みいっぱいな感じ。

  • 基本的にメルカトルによる謎解きは、何重もの制約を満たすための模範回答であって、必ずしも真相とは限らない。
    (ご都合主義だったり、トンデモ科学に基づいてたり、そもそも裏付けが不十分だったり)
    なので、必要な要素が出揃ってからワトソン役と共に頭を悩ませる→探偵の謎解き場面でカタルシス という楽しみ方には向かないと思う。
    推理小説として真剣に対峙すると消化不全感でもやもやさせられる(上にメルに罵られる)ので、悪徳銘探偵メルカトルが紙上で自分勝手に動き回るのを楽しむのが一番かも。

  • マンガで何話か読んだことある。
    シベリアのヤツは、ややこしすぎてよく分かんなかった。

  • 2016年11月15日読了。
    2016年101冊目。

  • 2016.05.24

  • 翼ある闇の前に読んだので、これを終わってから翼ある闇を読んでえええ!?となった記憶が。
    最初に読んだのは高校生の時で、斬新だなぁと。
    なんて探偵出て来たんだ!と思って面白くて。
    メルカトルの唯我独尊、自分の為なら事件を動かす。そんなメルカトルのワトソン役である美袋の関係が面白い。
    なんだかんだで利害一致してるのでメルカトルについて行く美袋だけど、やっぱりあのページを開いた次の瞬間出てくる「いつか殺してやる」はたまらなく印象に残る。
    それが確定された未来だから余計に。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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