- Amazon.co.jp ・本 (984ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062649612
感想・レビュー・書評
-
3作目にして東洋から西洋宗教、キリスト教へ。
京極夏彦を初めて読んだとき小栗を思い出したが、今作ではやはり同タイプの人だと感じた。(ただし衒学さは無し)
ストーリーはずっと別々の登場人物の近しい人生が断片的に語られて進んでいき、クライマックスで全てが繋が利、自分の推理力は凡人レベルであると再認識した。
#読了
#京極夏彦詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読本。
本の裏表紙のあらすじを読んでも内容を思い出さず。
50ページほど読み進めてようやくおぼろげに思い出される。
何とも信用できない私の記憶。
何度も同じ人物を殺し続けているという作家の妻。
結末はぼんやりと覚えているので、過程をじっくり楽しむことにしよう。 -
面白かった。人物が多い。特に終盤に。
-
たぶん今回で3回目の読了。
3回目にして漸く全てが繋がったと思う。
金色髑髏、集団自決、殺して首を切っても現れる死霊。
兎に角、登場人物がみんな個性的。
最後はズルイ落ちだけど、途中までまったく先が読めない面白さ。 -
京極堂シリーズ第三作。「魍魎の匣」で止まってたのだが今回実に10年ぶりに京極作品を読んでみた。前半では元精神科医の夢分析、フロイトの話など、後半になると真言立川流という宗教の話が出てきて意外な展開を見せ、どういう形で話が収束するんだろうという気がしていたのだがちゃんと着地できたような感じである。それにしても京極堂の博覧強記ぶりはすさまじい。詳細→
http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou3304.html -
前作は箱で今作は[髑髏] いくつかの物語(事件?)がそれぞれ展開していって、徐々に関連していく。 相変わらずおどろおどろしい感じ。 背表紙を見て、ああこれは妖怪小説というのかと納得
-
骨と夢のお話。
一見関係なさそうな一つ一つの事件が、同じ事件の布石だった的な。
ついでに神道、仏教、キリスト教も大集合でした。
関口先生、コミュ障で他人とおしゃべりあんまりできないから、語り部じゃないと影薄くて寂しい。
丁度京極堂が現れたところから最後まで一気読みしたので、読み終わったころにはほぼ朝でした。
切り通しってやつがわからなくて、調べたけどどうもイメージし辛かったです。 -
京極堂シリーズの中で、唯一読み返すのを躊躇う一冊(一瞬だけね)。
なにせフロイトだからなあ‥。
読むの辛くなるのよね。
京極堂が出てきてからは、すいすい読める。
私の憑物も落としてほしいなあ。
京極夏彦はフェミニストだなあと思う。
朱美さんは魅力的よね。
そう言えば降旗さんは後から出てくるけど、白丘さんは出てこないね。存在感が薄いのか? -
出版とリアルタイムで読んでいたわけではないのだが、『姑獲鳥の夏』『魍魎の函』『狂骨の夢』は4カ月間隔で発売されていたのだ。すげーな。
狂骨とは井戸から出てくる白骨の妖怪で、大変な恨みを持っているらしい。骨と怨念がモティーフだ。
冒頭の一人称は関口巽ではなく、朱美という女の独白。今は怪奇小説家の内縁の妻に収まっているこの薄幸の女性は、他人の記憶に悩まされている。
そして、いさま屋。『魍魎の函』にちょっと登場した伊佐間は旅館いさま屋の御曹司だが、戦争で旅館は焼けて、残った生け簀を釣り堀にして暮らしている。仕事をしているようなしていないような、そんな瓢箪鯰であるが、榎木津の友人だ。ぶらぶら釣りなどして歩いているいさま屋は逗子で朱美と知り合う。朱美の郷里ではご本尊として髑髏を代々受け継いでいるという。
次に降旗という男が登場する。精神分析を学び精神神経科医となったが半年も持たずに、教会の居候をしている。彼は、炎の中、山積みの髑髏の前で交接する男女の夢を幼い頃から見ていて、何だか骨にこだわっている。しかも、木場の幼なじみで、榎木津ともそのころ付き合いがある。
降旗は今は牧師の白丘にいわれて、信者の懺悔を聴いたりしている。そこに朱美が相談に来るのだ。
朱美の前の夫は結婚すると1週間ばかりで出征。しかし兵役から逃げ、しかも首なし死体で発見されているのだ。そしてそれから8年後の現在。死んだはずのその前夫が朱美のもとにやってきたので、彼女はそれを殺し、首を切る。しかしまた前夫は生き返って来訪するので、彼女はまた殺し、首を切る。そしてまた夫が……
この謎に、逗子の海で発見される黄金の髑髏、二子山の集団自殺にかかわって刑事・木場も登場。他方、朱美の小説家の夫は朱美の不思議な体験について関口と敦子に相談する。探偵の紹介を頼まれて、超探偵・榎木津。
京極堂の登場はようよう600ページ過ぎ。『魍魎の函』では連続した事件ではないと釘を刺した京極堂、この事件はすべてを関連づけていく。その力業が本書の読みどころ、そして読者をだます罠も。