文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (984ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062649612

感想・レビュー・書評

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  • メインキャラクターが登場するまでが長くて、我慢強く読む必要がありました。相変わらず、事件に巻き込まれてしまう関口、独自に「歩いて調べる」刑事、木場。探偵榎さんは破天荒なのに妙に的を射た名言を連発!!最後はいつものように京極堂が憑きものを落としてくれるので、すっきりですが、…凄惨なシーン、性的な宗教儀式の描写…は、大人向けですね(汗)。無関係に見える事件がどうからんでくるのか、真相について推理する楽しさはありました。陰惨な事件ですが、伊佐間ののほほんとした個性と榎さんの明るさに救われている感があります。

  • 「魍魎の匣」の1年後に読んだ。
    連続で読んだら中毒になっちゃいそうだから。

  • 奇妙な所で繋がりを持っている数々の奇っ怪な事件が、1つの大きな物語に収斂していく様は圧巻。宗教や神話といった幻想的な要素が盛り込まれて、文章全体が独特の雰囲気に包まれている。複雑な事件が解き明かされてゆく高揚感と、物語の神秘的雰囲気との共存が本当に好き。これぞ京極作品という感じ。

  • 百鬼夜行シリーズ3作目にして一番複雑な話でした。このシリーズ、何言ってるかわからなくなるときもあるけど、最終的に腑に落ちる感じでおもしろいと思います。

  • 面白い、面白いんだけど
    内容きついなあ…
    宗教と性 っていう、個人的にこの2つが交わるとすごく気持ち悪い印象があるから、キモッていう感想…。

    民江が気の毒すぎて…
    あと年の離れた嫁を献身的に支える宇田川先生なにげに好きだったので、復讐の道具に使われて悲しい…
    民江が望むかはしらないけど、民江の兄、酷い目に合えば良いのに!!真実を知って絶望はしただろうけどね…

  • 気の毒だったなあ、悪い人ではなかったところが

  • 百鬼夜行シリーズの名作と名高い魍魎の匣の次回作。本作ではバラバラの事件について語られる。
    京極御大の構成力、民俗学への深い知識には感服した。
    常に倒錯的で物語の傍観者に置かれがちな関口の立ち位置が、読者を代弁しているような気がする。
    作者の中でも作劇の方針が固まってきているように感じた。

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    2024/02/21-- 再読(紙本:文庫)
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    2001/03/XX-- 再読(紙本:文庫)
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    1999/07/11-- 初読(紙本:ノベルズ)
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  • 訳分からんのに続きが気になる状況を作るのが作者は上手すぎる。昭和の事件にも詳しすぎる。しかし事件の前段階が入り組みまくっているので、解けるかこんなもん!となった。民江の兄は可哀想だがアホすぎて同情できない。真・朱美さんが良い人だ…。

  • 爽やかな読後感。百鬼夜行シリーズで一番好きかも。

  • 多くの人々の思惑が交差し人々の人生を狂わせていく。

    謎が解明していくなかで、記憶がごちゃごちゃしてきて、まるで己が朱美かのようだった。
    結末を知ったうえでもう一度読み返したほうがより物語を楽しめるかもしれない。また読み返したい。

  • 百鬼夜行シリーズ3作目。

    髑髏を巡る愛憎、欲望、執念⋯真相が明らかになるにつれてバラバラに思える謎がパズルのピースを当て嵌めていくように1枚の絵になる爽快感と、少し苦い後味が同時に味わえました。

    この作品に登場する″朱美さん″は、シリーズの中でも断トツでイイ女だなぁと読む度に思います。

  • 前2作と比較してしまうとついて行ききれず、最後まとめて京極堂に説明してもらったなという感じ。立川流やら髑髏本尊やらは初めて知って衝撃だったけど、いわゆる夢のトリックはな〜〜それしかないよなって思った。エノさんにいさま屋、キャラがやっぱり抜群に強いので、また次作も楽しみ!

  • 2023/11/22再読
    やっぱり伊佐間好きだ〜
    そして朱美の最後のセリフで晴れやかな気持ちになる。
    自分が自分であることとは?を考える話

  • ここがすごいポイント①
    叙述トリック
    朱美が実は二人とも生きてんのかなーとか乗り移っちゃったとかそういう系かな〜とか思ってたけどまさか朱美が二人いただったとはね〜
    まさか民江の方に朱美が宿っているとは!!!
    一柳夫妻の妻が本当の朱美だったとは!!!
    いやーまたしても京極先生にやられたね
    こんなんわかるわけねーよ

    降旗と伊佐間で朱美の精神が異常だ異常じゃないの食い違いもこれで解消されるのくそ気持ちいい!!

    ポイント②
    伏線回収
    ・妄想だと思われてた3回にわたる殺しが実はマジに起こってたこと
    ・原因の一つの顔が識別できない
    ・小説家の宇多川が「いやー酷い目にあった」このセリフの謎
    これがねー伏線回収が綺麗なんですよ
    確かに言ってたはそれーって

    あと細かいとこだと序盤の申義の内腿が傷が終盤になって伏線の役割を果たすことになったのも細部まで作り込んでないとできない芸当

    *姑獲鳥の夏、魍魎の匣とかでもそうだけど京極先生は毎回いやいやそんなことありえねーだろっていう仕掛けを用意していてそれを必ず読者が納得いく形に持って行ってくれるところがすごいよね

    ポイント③
    細部までの作り込み
    百鬼夜行シリーズは他の小説じゃやらない悔いの細かい作り込みがされている
    それは全て事件の推理パートで明らかになる
    この話の鍵を握るのは当然髑髏な分けだけど申義、立川流の人たち(鴨田一派)、武御名の骨集めてる人たちこの三者三様の髑髏の奪い合い(フットボール)が一気に解説されていくのはパズルがハマるみたいな気持ちよさがあった
    ただ複雑だけど実は中身は驚くほど簡単な仕掛けになっているのも好き←降旗の夢は子供の頃に見てただけとか

    細かいとこだと序盤の申義の内腿が傷が終盤になって伏線の役割を果たすことになったのも細部まで作り込んでないとできない芸当

    個人的に好きな推理パートだと申義のパートが特に面白かった
    なんで逃げていて〜
    実は駆け落ちじゃなくて〜
    申義を殺したのは〜
    死んだあと偽物の髑髏に〜
    みたいに複数の人物が複雑に絡み合った糸を解いていくようだった

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    ちなみに、これを書いている今私は熱があるのだけど伊佐間はよくこの状態で京極堂の話を聞けたもんだと思った

  • 百鬼夜行シリーズの中でも好きな一冊。
    朱美のキャラが好きで、事件自体は嫌な話だが、最後の彼女の一言で少しだけスッキリする。

  • これまた複雑な…
    魍魎の匣から更に訳のわからない事態が起こってしまう
    読み進めるうちに浮かび上がってくる全体像はちぐはぐで京極堂を除く登場人物たちと一緒に頭がこんがらがる

    話し手がコロコロ変わりながらも、どの話し手も同じぐらい自分の考えを私たちに披露してくれるし、物語に深く関わってくる
    浅く広くじゃないからこの長さなんだろうなあ
    色んな人間の感じ方、モノの見方を一度に味わえるので頭が混乱するけどそれが心地よくもある
    京極夏彦の頭の中を覗きたい

  • 石井警部を好きになりましたね、うい奴よ

  • 『鵼の碑』発売決定記念に再読シリーズその3

    『魍魎の匣』がバラバラの事件が総体に見える構造としたら、『狂骨の夢』は1つの事件がバラバラに見える構造と言って問題ないだろう。作中の殆どが全体像を見ようとしないからこそ、捻じれ狂った事件は起きてしまったわけだ。
    「狂骨」が”<上下する妖怪><井中の怨む妖怪><骸骨の妖怪>の三題噺になっている”ように、どれか1つだけでは構造を説明しきれない。フロイトの夢とか、民江の相貌失認症とかね。何かを説明出来ても、他の何かを説明できるとは限らない…というより出来ないことの方が遥かに多い。

    まぁ別に世界の全てを説明しきれる体系があると誤解すること自体は悪くないと思うんだけどね。宗教なんてその最たるもので、京極堂だって(信仰とは)「信じること」と言い切っている。ヌミノーゼ(非合理な聖)を否定しないのだってそういう意図でしょう。まさしく「信じるものは救われる」のだな。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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