風の万里 黎明の空(上)十二国記 (講談社文庫)

著者 : 小野不由美
  • 講談社 (2000年10月12日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062649988

作品紹介

天命により慶の国、景王となった陽子は民の実情を知るために街へ出た。目前で両親を殺され芳国公主の座を奪われた祥瓊は、父王の非道を知り自らを恥じていた。蓬莱から才国に流されてきた鈴は華軒に轢き殺された友・清秀の仇討を誓った。それぞれの苦難を抱いて三少女はやがて運命の邂逅の時を迎える-。

風の万里 黎明の空(上)十二国記 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 再読。

    今回も始まりから終わりまで陰々滅々。
    そんな中でも楽俊が重苦しい雰囲気を救ってくれる。


    ささ、下巻へ。

  • 最初はバラバラの国のそれぞれの物語で始まって、だんだんひとところに集結していく流れ。で、上巻はいよいよキャラが出そろって、キーとなる事件が起こって、さてここからどう動いていく、ってところまでが描かれる。テーマは不幸な自分、ってところでしょうか。そう思い込んでいる者たちが、いかにその呪縛から解き放たれていくのか。

  • この物語の中で KiKi にとって一番興味深かった登場人物は陽子でも鈴でも祥瓊(しょうけい)でもなかったりします。  一番興味深かったのは祥瓊(しょうけい)を一時的に預かり、彼女を徹底的に無視した恭の国の王の珠晶(しゅしょう)という女の子です。  設定からするとまだまだ幼女のはずなのに何ともカッコいい(笑)

    「あなたの身柄を引き受けたのは、あなたが芳(祥瓊の母国。  彼女はその国の公女だった。)にいては国のためにならないから。  決してあなたに対する慈悲ではないことを、覚えておいて。」

    「あたしは王になったけど、聖人君子になったつもりなんかないわ。  そんなの御免だもの。  -  そしてあなたはあたしの下僕なの。  そうでしょ。  国を治めるのって本当に大変なんだから。  それをさぼって遊んで暮らして、父親を窘める分別も持てなかった愚者を哀れむ慈悲なんて持ち合わせがないの。  麒麟とは違ってね。」

    「この事態を招いたのは仲韃(ちゅうたつ; 祥瓊の父、先代の芳王)だわ。  仲韃自身と、その周囲にいて王を諌めることができなかったぼんくらたちのせいよ。  だから祥瓊は嫌い。 - それがそのお涙で一杯の水樽みたいな頭にも理解できたら、鞜(くつ)を拾ってきて履かせてちょうだい。」

    「そりゃあ、祥瓊は腹立たしかったでしょうとも。  あんなに気位が高くっちゃあ、奚(げじょ)の暮らしは侮辱だと感じるでしょうよ?  そうでなきゃ、意味がないわ。  だってあたしは祥瓊をいじめてやりたかったんだもの。  一国の王族よりも豊かな暮らしをしてる人間なんていないの。  あたしが奚(げじょ)より恵まれた暮らしをしてるのは、奚(げじょ)たちより重い責任を担っているから。  だからあたしが絹にくるまれて生活してても、奚(げじょ)たちは許してくれるの。  頭を下げてくれるのよ。  そうでなかったら、たちまち峯王みたいに首を落とされてるわ。  違う?  祥瓊はその責任に気づかなかった。  その責任を果たさなかった。  野良仕事は辛い、掃除は辛い、嫌だ嫌だって駄々をこねて逃げ出す人間を許すことはね、そういう仕事を果たしている人に対する侮辱なの。  同じように朝から晩まで働いて、盗みも逃げ出しもしなかった人と同じように扱ったら、まっとうな人たちの誠意はどこへ行けばいいの?」

    (平伏している他の奚に向かって)
    「顔を上げてちょうだい。  -  あなたたちの務めがとっても誘惑の多いものだってことがよく分かったわ。  魔が差しそうになったこともあったでしょうに、よくこらえてくれたわね。」

    まだまだ若い(というよりは幼い)女の子だったら可愛らしくていい子で優しい子を演じたい年頃だろうに、ここまではっきりと「聖人君子になるのは御免」「嫌い」と言い切れる覚悟の強さ、そして本当の意味での「平等」をしっかりと認識できる知性、更には一見気が強い生意気そうな発言が多いようにも感じられるけれど、本当に優しさを示すべき相手を間違わずに、タイムリーにそこをフォローできる臨機応変さ。  彼女自身のセリフを借りるなら、こういうことができることこそが「王の責任を自覚する」ことの第一歩だけど、大したものです。

    (全文はブログにて)

  • 景王となった陽子は、自信のなさから官僚の言うがままに操られている。
    苛政を敷き反乱で殺された芳国王の娘祥瓊は、平民に落とされ虐げられるが「自分は悪くない」「なぜ私だけが」との思いから抜け出せない。
    陽子同様、蓬莱から才国に流されてきた鈴は、なんとか女仙の下女となるが、己の境遇を憐れみ「自分より不幸な人はいない」と泣き暮らす。

    前半は、国の実情を知るため街に降りた陽子と、二人の少女の残酷な成長譚が並行して語られていく。
    現代日本の我々にも他人事ではない心の弱さと、それに向き合う力とは。

    後半、慶国内の腐敗の構造と、それを正そうとする抵抗勢力との内乱の兆しが描かれる。
    その舞台へ、三人の運命が導かれ、交錯していく。
    そして緊迫した情勢から、蜂起、戦闘と、一気に物語の頂点へと駆け上がっていく。
    息もつかせない。

    王が最初に発するべき勅命を初勅という。
    それをどのようなものにするかずっと思い悩んでいた陽子。

    内乱が終息し、堂々たる王として彼女が諸官の前で発した言葉は何か。

    感動して涙が出た。

    物語のバランスも良く、ぐいぐい引っ張られる。
    警句にも満ち、色々考えさせられる。

    傑作だと思う。

  • この巻では、慶国での国主でもある「中嶋陽子」の即位の礼とその後の祭りの後からの話です。

    その「中嶋陽子」のその国としての決まり事が解らないため、麓のしょうろうの所で「勉学」を学ぶために行ったが。

  • 分厚い……。どこで3人の運命がぶつかるんだろうと思いながら、とにかく読み進める。

    以下、あらすじは新潮社サイトから。
    ---------------
    人は、自分の悲しみのために涙する。陽子は、慶国の玉座に就きながらも役割を果たせず、女王ゆえ信頼を得られぬ己に苦悩していた。祥瓊は、芳国国王である父が簒奪者に殺され、平穏な暮らしを失くし哭いていた。そして鈴は、蓬莱から辿り着いた才国で、苦行を強いられ泣いていた。それぞれの苦難を負う少女たちは、葛藤と嫉妬と羨望を抱きながらも幸福を信じて歩き出すのだが──。

  • 2017年6月18日に紹介されました!

  • この巻は考えさせられることが多い。
    なんか外国に行ったみたいな気分になる。(途上国の人を、日本人の価値観で比べてしまうあたり)

    「生きるということは、嬉しいこと半分、辛いこと半分なのです。心のありようで、幸せかどうかになる。」
    「誰だって同じくらい辛い。生きることが辛くないやつがいたらお目にかかりたい。」
    「自分を好きになれない人を、他人が好きになるはずはないでしょ」

  • やっと陽子の話の続き。そろそろ各キャラに愛着が出てきた。しかし、祥瓊と鈴、今の世にも沢山いそうなうざい2人。これが下巻でどう変わっていくのかは楽しみ。

  • アニメのシーンを思い出しながら。

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